Copyright© KANEHARA & Co., LTD. All Rights Reserved.
手術日までに患者が知りたい胃癌 -検査から治療、術後過程、手術費用まで/腹腔鏡下手術について-
この説明なら患者も納得!胃癌と手術についての最良ガイド
癌で手術が必要と宣告され、不安と緊張の中にいる患者にどうしたらこれからの治療を理解してもらえるか。本書は、胃癌患者が納得できる手術の説明を会話の形で示した。図表を多く用い、医師だけでなく、患者や家族が読んでも理解できるよう平易に記述されている。重要だがあまり触れられることのなかった合併症についても多くのページを割いた。説明の根拠となる資料を随所に配し、看護師や研修医等にも参考となる書である。
『「胃癌編」発刊にあたり』より
本シリーズ第一編「胆石症」が出て2年が過ぎましたが、ようやく第二編「胃癌」が発刊の運びとなりました。当初これほど間があくとは思っていませんでしたが、この間に取扱い規約、ガイドラインの改変があり、書き直したりと時間を要し、この時期になってしまったことをお詫びいたします。
最近の医療はインホームドコンセント(IC)の重要性が言われ、患者様、主治医、他科の医師、研修医、ナース、パラメディカル、患者家族を含めたチーム医療の重要性が再認識されてきております。本シリーズはこうした現状に即し、診療に携わる全員が同じ土俵でお話しするためのテキストをとの思いではじめました。前著「胆石症」は患者様から「わかりやすい」とのお褒めもいただいた一方で先生方からは「もう少し突っ込んで」「食い足りない」とのご指摘も多くいただきました。本書も同じ視線での内容ですので、同様な御感想をお持ちになる先生方も多いかと思いますが、さらに先進の内容に関しては主治医の先生方からチームの皆様へご教授いただくよう、よろしくお願い申し上げます。
私どもの施設では、他院からの胆石症で紹介患者様には外来の待ち時間に「胆石症」読んでいただいておりますが、以前に比べ初診時の治療への姿勢が向上しているように、欲目ながら感じております。また手術日までお買い求めてくださった患者様もおられ、術前日の主治医説明時には術式から術後合併症にまでかなりご理解いただけており説明に要する時間短縮に役立っているかと思っております。ただ理解が進んだことで主治医への質問が多くなって、かえってICが長時間となったり、外科医が読者ナースから質問責めに立ち往生するなど疾患に対するチーム全体の興味が増えてきているようで若干ながらもチーム医療へのお役に立てたかと自画自賛しております。
患者様はまず本文(会話文)を読んでいただくようお願いいたします。最後まで1〜2時間で読み終えると思いますので。その後理解できない表現、ご興味のある項目についてのみ「ナースステーション」をお読みいただけば手術までに主治医の説明を理解できる状態にはなっていただけるものと思っておりますのでお役立てくださるようお願い申し上げます。
『「胃癌編」発刊にあたり』より
本シリーズ第一編「胆石症」が出て2年が過ぎましたが、ようやく第二編「胃癌」が発刊の運びとなりました。当初これほど間があくとは思っていませんでしたが、この間に取扱い規約、ガイドラインの改変があり、書き直したりと時間を要し、この時期になってしまったことをお詫びいたします。
最近の医療はインホームドコンセント(IC)の重要性が言われ、患者様、主治医、他科の医師、研修医、ナース、パラメディカル、患者家族を含めたチーム医療の重要性が再認識されてきております。本シリーズはこうした現状に即し、診療に携わる全員が同じ土俵でお話しするためのテキストをとの思いではじめました。前著「胆石症」は患者様から「わかりやすい」とのお褒めもいただいた一方で先生方からは「もう少し突っ込んで」「食い足りない」とのご指摘も多くいただきました。本書も同じ視線での内容ですので、同様な御感想をお持ちになる先生方も多いかと思いますが、さらに先進の内容に関しては主治医の先生方からチームの皆様へご教授いただくよう、よろしくお願い申し上げます。
私どもの施設では、他院からの胆石症で紹介患者様には外来の待ち時間に「胆石症」読んでいただいておりますが、以前に比べ初診時の治療への姿勢が向上しているように、欲目ながら感じております。また手術日までお買い求めてくださった患者様もおられ、術前日の主治医説明時には術式から術後合併症にまでかなりご理解いただけており説明に要する時間短縮に役立っているかと思っております。ただ理解が進んだことで主治医への質問が多くなって、かえってICが長時間となったり、外科医が読者ナースから質問責めに立ち往生するなど疾患に対するチーム全体の興味が増えてきているようで若干ながらもチーム医療へのお役に立てたかと自画自賛しております。
患者様はまず本文(会話文)を読んでいただくようお願いいたします。最後まで1〜2時間で読み終えると思いますので。その後理解できない表現、ご興味のある項目についてのみ「ナースステーション」をお読みいただけば手術までに主治医の説明を理解できる状態にはなっていただけるものと思っておりますのでお役立てくださるようお願い申し上げます。
A.胃癌ってどういう病気ですか
1.病名告知
ナースステーション1−告知についての心掛け
ナースステーション2−患者様が一人だけのときに告知することは避ける
ナースステーション3−報道に対する対処
2.胃癌治療には手術が必要?
3.胃癌にも「重い」「軽い」(臨床病期)がある?
a)胃癌の深達度とは
1.胃癌は最初、粘膜に発生する
2.胃の壁の構造
3.早期癌と進行癌
b)他臓器浸潤
c)転移と再発
ナースステーション4−胃カメラ検査でも診断されにくい病変もある
1.血行性転移
2.リンパ行性転移
3.播種性転移
4.手術と局所再発
ナースステーション5−治癒切除と再発、転移
B.胃癌の診断
1.臨床所見
2.手術前の検査
a)胃透視
ナースステーション6−胃癌と診断されている患者様への術前胃透視検査の意味
b)内視鏡(胃カメラ)
ナースステーション7−胃カメラ検査を再度行う意味は
ナースステーション8−早期癌の占居部位の位置確認、切除範囲確認
ナースステーション9−多発癌の発見
c)腹部CT検査
ナースステーション10−造影剤を使った検査について
d)超音波、MRI
e)腫瘍マーカー
ナースステーション11−腫瘍マーカーの意味
f)全身麻酔のチェック
3.胃癌診断の種類はいろいろある(術前の診断、手術後に診断、病理分類、診断結果は異なることがある)
4.術中の迅速病理診断について
C.胃癌の治療(切除)
1.胃癌治療ガイドラインが存在します
2.治療法の分類
a)局所療法と全身療法
b)非根治(非治癒)治療って?
ナースステーション12−胃癌に対する放射線療法は
3.内視鏡治療
a)内視鏡治療の適応―これだけで治療が完了する胃癌もあります
ナースステーション13−「リンパ節転移がない早期胃癌」と内視鏡的切除
b)内視鏡手術はどうやるの?
1.切除範囲の決定
2.病変を浮かせる(lifting=リフティング)
3.病変切除(内視鏡的粘膜切除術EMR)
4.内視鏡的粘膜下層剥離術ESD
c)内視鏡治療後にすること−病理標本の確認
ナースステーション14−癌をすべて正確に切除したが(切除断端陰性:HM0、VM0)、病理診断で絶対的適応ではなかったとき
ナースステーション15−癌の取り残しがあるとき
4.外科(手術)治療
a)手術の方法
1.リンパ節郭清
(1)定型手術と縮小手術
ナースステーション16−リンパ節郭清の際の『胃癌取扱い規約第14版』、『胃癌治療ガイドライン第3版』での従来との相違
(2)リンパ節郭清ってどんなんなの?−手技上の原則は一括切除
(3)拡大手術
(4)他臓器合併切除
2.胃切除
ナースステーション17−口側切除位置の判断
(1)幽門側胃切除
(2)幽門保存胃切除術
(3)噴門側胃切除術
(4)胃全摘術
3.再建
(1)幽門側胃切除後の再建
(2)噴門側切除後の再建
(3)胃全摘後の再建
b)手術による後遺症と合併症
b-1)後遺症
1.小胃症状
2.逆流性食道炎
3.ダンピング症候群
4.栄養障害
ナースステーション18−後遺症と合併症
b-2)合併症
1.縫合不全
2.腹膜炎、腹腔内膿瘍
ナースステーション19−ドレーンについて
3.術後膵液漏、リンパ漏
4.全身麻酔下で腹腔内の手術を行うことにより共通して生じる合併症
(1)出血
ナースステーション20−損傷、出血はなぜ起きるのか
ナースステーション21−外科医以外の人にとって出血は常識外
(2)肺炎、無気肺
ナースステーション22−呼吸器合併症減少に対する腹腔鏡下手術の貢献
(3)創痛、創痕、創感染、縫合糸膿瘍
ナースステーション23−創感染−SSIについて
(4)癒着、腸閉塞
ナースステーション24−術後腸閉塞
(5)その他、心筋梗塞、脳卒中、静脈血栓症など
ナースステーション25−深部静脈血栓症
c)手術の合併症についての考え方
5.腹腔鏡下手術
a)腹腔鏡下手術の特長
1.術創が小さい
2.癒着が少ない
3.早期離床
4.侵襲
5.経口摂取再開が術翌日から
6.早期退院が可能(7〜10日で)
b)腹腔鏡下手術の欠点
1.テレビの中での操作
ナースステーション26−腹腔鏡下手術の術中出血量について
2.鉗子を使う手術(高度技術が必要)
3.気腹による癌組織のばらまき(播種)
c)胃癌治療として腹腔鏡下手術を勧める是非
6.輸血について
a)輸血による感染症
ナースステーション27−輸血による感染症
b)輸血による免疫反応
D.手術の入院、術後スケジュール
E.費用
F.手術の後に行うこと
1.癌の最終診断、手術効果を確認する
a)病理分類(病理学的進行度)の診断
b)手術による腫瘍の遺残(治癒切除)の判定
2.術後補助化学療法
付.手術だけでは治癒切除が困難と思われたときの治療
1.治癒手術が不可能なときの化学療法
2.術前補助化学療法
3.抗癌剤治療(化学療法)と他の薬物治療の違い
4.症状緩和手術(姑息手術)
a)胃と小腸のバイパス手術
b)胃切除
c)症状緩和手術(姑息手術)の治療効果
文献
索引
1.病名告知
ナースステーション1−告知についての心掛け
ナースステーション2−患者様が一人だけのときに告知することは避ける
ナースステーション3−報道に対する対処
2.胃癌治療には手術が必要?
3.胃癌にも「重い」「軽い」(臨床病期)がある?
a)胃癌の深達度とは
1.胃癌は最初、粘膜に発生する
2.胃の壁の構造
3.早期癌と進行癌
b)他臓器浸潤
c)転移と再発
ナースステーション4−胃カメラ検査でも診断されにくい病変もある
1.血行性転移
2.リンパ行性転移
3.播種性転移
4.手術と局所再発
ナースステーション5−治癒切除と再発、転移
B.胃癌の診断
1.臨床所見
2.手術前の検査
a)胃透視
ナースステーション6−胃癌と診断されている患者様への術前胃透視検査の意味
b)内視鏡(胃カメラ)
ナースステーション7−胃カメラ検査を再度行う意味は
ナースステーション8−早期癌の占居部位の位置確認、切除範囲確認
ナースステーション9−多発癌の発見
c)腹部CT検査
ナースステーション10−造影剤を使った検査について
d)超音波、MRI
e)腫瘍マーカー
ナースステーション11−腫瘍マーカーの意味
f)全身麻酔のチェック
3.胃癌診断の種類はいろいろある(術前の診断、手術後に診断、病理分類、診断結果は異なることがある)
4.術中の迅速病理診断について
C.胃癌の治療(切除)
1.胃癌治療ガイドラインが存在します
2.治療法の分類
a)局所療法と全身療法
b)非根治(非治癒)治療って?
ナースステーション12−胃癌に対する放射線療法は
3.内視鏡治療
a)内視鏡治療の適応―これだけで治療が完了する胃癌もあります
ナースステーション13−「リンパ節転移がない早期胃癌」と内視鏡的切除
b)内視鏡手術はどうやるの?
1.切除範囲の決定
2.病変を浮かせる(lifting=リフティング)
3.病変切除(内視鏡的粘膜切除術EMR)
4.内視鏡的粘膜下層剥離術ESD
c)内視鏡治療後にすること−病理標本の確認
ナースステーション14−癌をすべて正確に切除したが(切除断端陰性:HM0、VM0)、病理診断で絶対的適応ではなかったとき
ナースステーション15−癌の取り残しがあるとき
4.外科(手術)治療
a)手術の方法
1.リンパ節郭清
(1)定型手術と縮小手術
ナースステーション16−リンパ節郭清の際の『胃癌取扱い規約第14版』、『胃癌治療ガイドライン第3版』での従来との相違
(2)リンパ節郭清ってどんなんなの?−手技上の原則は一括切除
(3)拡大手術
(4)他臓器合併切除
2.胃切除
ナースステーション17−口側切除位置の判断
(1)幽門側胃切除
(2)幽門保存胃切除術
(3)噴門側胃切除術
(4)胃全摘術
3.再建
(1)幽門側胃切除後の再建
(2)噴門側切除後の再建
(3)胃全摘後の再建
b)手術による後遺症と合併症
b-1)後遺症
1.小胃症状
2.逆流性食道炎
3.ダンピング症候群
4.栄養障害
ナースステーション18−後遺症と合併症
b-2)合併症
1.縫合不全
2.腹膜炎、腹腔内膿瘍
ナースステーション19−ドレーンについて
3.術後膵液漏、リンパ漏
4.全身麻酔下で腹腔内の手術を行うことにより共通して生じる合併症
(1)出血
ナースステーション20−損傷、出血はなぜ起きるのか
ナースステーション21−外科医以外の人にとって出血は常識外
(2)肺炎、無気肺
ナースステーション22−呼吸器合併症減少に対する腹腔鏡下手術の貢献
(3)創痛、創痕、創感染、縫合糸膿瘍
ナースステーション23−創感染−SSIについて
(4)癒着、腸閉塞
ナースステーション24−術後腸閉塞
(5)その他、心筋梗塞、脳卒中、静脈血栓症など
ナースステーション25−深部静脈血栓症
c)手術の合併症についての考え方
5.腹腔鏡下手術
a)腹腔鏡下手術の特長
1.術創が小さい
2.癒着が少ない
3.早期離床
4.侵襲
5.経口摂取再開が術翌日から
6.早期退院が可能(7〜10日で)
b)腹腔鏡下手術の欠点
1.テレビの中での操作
ナースステーション26−腹腔鏡下手術の術中出血量について
2.鉗子を使う手術(高度技術が必要)
3.気腹による癌組織のばらまき(播種)
c)胃癌治療として腹腔鏡下手術を勧める是非
6.輸血について
a)輸血による感染症
ナースステーション27−輸血による感染症
b)輸血による免疫反応
D.手術の入院、術後スケジュール
E.費用
F.手術の後に行うこと
1.癌の最終診断、手術効果を確認する
a)病理分類(病理学的進行度)の診断
b)手術による腫瘍の遺残(治癒切除)の判定
2.術後補助化学療法
付.手術だけでは治癒切除が困難と思われたときの治療
1.治癒手術が不可能なときの化学療法
2.術前補助化学療法
3.抗癌剤治療(化学療法)と他の薬物治療の違い
4.症状緩和手術(姑息手術)
a)胃と小腸のバイパス手術
b)胃切除
c)症状緩和手術(姑息手術)の治療効果
文献
索引