頭頸部癌取扱い規約 第6版補訂版

TNM分類の変更にキャッチアップした最新アップデート版!

編 集 日本頭頸部癌学会
定 価 3,960円
(3,600円+税)
発行日 2019/12/20
ISBN 978-4-307-20406-4

B5判・160頁・図数:4枚・カラー図数:41枚

在庫状況 あり

第6版の内容に部分的な変更を加えた、第6版補訂版の登場。第6版の刊行後に行われたUICCのTNM分類の大きな変更にキャッチアップするため、口腔癌や原発不明癌の頸部リンパ節転移などの該当項目を修正した。付録のT分類早見表も本文に合わせて変更している。また、『領域横断的がん取扱い規約』との整合性も図り、該当する記述を統一した。さらに、頸部リンパ節のレベル分類について、図表を用いた解説を追加した。便利な「T分類早見表」が付録。
I.目的と対象
 1.目的
 2.対象

II.解剖学的事項
 1.原発病巣
 2.領域リンパ節
  1)頸部リンパ節
  2)その他のリンパ節

III.治療成績の表示
 1.用語
  1)一次例または未治療例
  2)二次例または既治療例
  3)確定症例
  4)他病死
  5)原病死
  6)追跡不能
  7)死因不明例
 2.対象症例
  1)広い意味の対象症例
  2)狭い意味の対象症例
 3.追跡
  1)追跡基点
  2)追跡日
 4.生存率の算出
  1)生存率の計算前の留意事項
  2)統計学的有意性の検定について
  3)従来使用されてきた生存率の計算方法
  4)直接法による生存率
  5)生命表法による累積生存率
  6)Coxの重回帰型生命表法(Coxの比例ハザードモデル)
  7)各種の有意性の検定方法の比較および検定方法の選択について

IV.治療
 1.外科療法
 2.放射線治療
 3.薬物療法
  1)投与開始前:治療計画の記載
  2)治療開始からの記載
 4.その他の治療法

V.臨床病期分類およびその付属事項
 1.分類規約
 2.原発腫瘍(T)
 3.領域リンパ節転移(N)
 4.遠隔転移(M)
 5.病期分類(Stage)
 6.病理組織学的分化度(G)
 7.R分類
 8.C因子

VI.部位別臨床病期分類およびその付属事項
 1.口唇および口腔
  1)解剖学的事項
  2)TNM分類
  3)診断
  付.口腔癌手術法の定義
 2.鼻腔および副鼻腔
  1)解剖学的事項
  2)TNM分類
  3)診断
  付.上顎洞癌手術法の定義
 3.上咽頭
  1)解剖学的事項
  2)TNM分類
  3)診断
  付.上咽頭癌の手術
 4.中咽頭
  1)解剖学的事項
  2)TNM分類
  3)診断
  付.中咽頭癌の手術
 5.下咽頭
  1)解剖学的事項
  2)TNM分類
  3)診断
  付.下咽頭癌手術法の定義
 6.喉頭
  1)解剖学的事項
  2)TNM分類
  3)診断
  付.喉頭癌手術法
 7.大唾液腺
  1)解剖学的事項
  2)TNM分類
  3)診断
  付.大唾液腺癌の手術
 8.甲状腺
 9.上気道消化管の悪性黒色腫
  1)TNM分類
 10.原発不明-頸部リンパ節
  1)TNM分類
 11.UICC臨床病期分類要約
   口唇および口腔
   鼻腔および副鼻腔
   上咽頭
   中咽頭-p16陰性または不明
   中咽頭-p16陽性
下咽頭
   喉頭
   大唾液腺
   甲状腺
   上気道消化管の悪性黒色腫
原発不明-頸部リンパ節

VII.病理
 1.標本の取扱いと所見の採取
  1)摘出標本の取扱いと肉眼所見の採取
  2)組織標本についての共通の評価項目
  3)肉眼型
2.pTNM因子
  1)口唇および口腔
  2)咽頭
  3)喉頭
  4)鼻腔および副鼻腔
  5)大唾液腺
  6)甲状腺
  7)原発不明-頸部リンパ節
  8)上気道消化管の悪性黒色腫
3.組織分類
  1)異形成の分類法
  2)組織分類
4.HPV陽性、陰性の判定
5.表在癌におけるtumour thickness
6.組織学的所見の記載
7.切除断端の記載法
8.リンパ節転移巣の評価
9.術中迅速病理診断
10.表在癌の取扱いと病理所見の記載
11.組織学的治療効果判定
12.病理組織分類図譜―扁平上皮癌―
付.ICD-Oコード表
付.唾液腺腫瘍の組織型分類

 付1.内視鏡所見による頭頸部領域の部位・亜部位
 付2.治療後機能の判定基準
 付3.頭頸部悪性腫瘍全国登録 登録要領
 付4.頭頸部悪性腫瘍全国登録
 UICC TNM分類第8版が発表されたのを受け、『頭頸部癌取扱い規約 第6版』第1刷を2018年1月30日に発刊した。その後、同年5月25日にUICCから口唇および口腔のT分類、原発不明-頸部リンパ節に関しての修正が出されたのを受け、『頭頸部癌取扱い規約 第6版』第2刷では正誤表を用い修正に対応した。
 一方、全国がん登録事業ではUICC TNM分類に基づいて登録が行われることとなり、各種癌取扱い規約の記載法の統一および各規約の病期分類とUICC TNM分類との翻訳性を可能にする横断的な取扱い規約が必要となった。この領域横断的ながん取扱い規約の作成は2014年より日本癌治療学会において本格的に開始され、2019年9月30日に『領域横断的がん取扱い規約 第1版』として発刊された。このなかでの頭頸部癌に関する記載は『頭頸部癌取扱い規約 第6版』第1刷を基にしているが、UICCからの修正は反映されたものとなっている。
 以上のような背景から本取扱い規約においてもUICCの修正を反映した改訂が必要となったこと、またこの機会に国内外で広く用いられているACHNSO、AAO-HNSによる頸部リンパ節のレベル分類を追加記載したことが補訂版とした理由である。本改訂に際してご協力を頂いた各委員の先生方に感謝の意を表する。
 会員諸氏には活用して頂き、ご意見を頂戴できれば幸いである。

2019年12月
日本頭頸部癌学会
規約委員長 林 隆一