臨床・病理
胆道癌取扱い規約 第7版
最新のUICC TNM分類・WHO分類に準拠した待望の第7版!
編 集 |
日本肝胆膵外科学会 |
定 価 |
4,290円 (3,900円+税) |
発行日 |
2021/03/10 |
ISBN |
978-4-307-20426-2 |
B5判・152頁・図数:29枚・カラー図数:70枚
8年ぶりとなる本改訂では、最新のUICC TNM分類第8版に準拠するとともに、病理ではWHO分類第5版の内容を反映。また、前版の第6版改訂の際に削除された項目から、臨床上必要な情報は改めて掲載した。さらに、胆管癌、胆嚢癌、乳頭部癌の3分類で記載内容が重複しないよう構成や記載順を変更したほか、ゲノム診断における病理標本処理方法の項目の新設、臨床所見と病理所見のチェックリストの掲載など、より使いやすい内容となることを目指した。胆道癌診療において必携の一冊。
A .総説
I.目的
II.対象
III.記載法の原則
B .UICC第8版 胆道癌TNM分類に細分類を加えた胆道癌取扱い規約第7版記載(臨床・病理)
I.肝門部領域胆管癌(ICD-O-3 C24.0)
II.遠位胆管癌(ICD-O-3 C24.0)
III.胆嚢癌(ICD-O-3 C23.9 and C24.0)
IV.乳頭部癌(ICD-O C24.1)
C .胆道癌取扱い規約第7版 臨床・病理所見記載例
D .胆道癌の臨床分類と所見の記載法(手術症例・非手術症例)
I.原発腫瘍に関する記載
1 .解剖学的事項の図解
1 )肝外胆管
2 )胆嚢
3 )乳頭部
2 .腫瘍の占居部位、原発部位と壁在部位
1 )腫瘍の占居部位、原発部位
2 )腫瘍の壁在部位(胆管癌、胆嚢癌)
3 .腫瘍の数と大きさ
4 .腫瘍の肉眼型分類
1 )胆管癌
2 )胆嚢癌
3 )乳頭部癌
4 )胆道癌表在型の肉眼型分類
5 .腫瘍の臨床的局所進展度(T因子)
1 )壁深達度(他臓器浸潤を含む)
2 )血管浸潤の評価
II.リンパ節転移に関する記載(N因子)
1 .胆道に関連したリンパ節
2 .領域リンパ節
1 )肝門部領域胆管癌
2 )遠位胆管癌
3 )胆嚢癌
4 )乳頭部癌
3 .郭清リンパ節・転移リンパ節(N因子)の記載
III.遠隔転移に関する記載(M因子)
IV.臨床進行度分類(Stage分類)
1 .肝門部領域胆管癌
2 .遠位胆管癌
3 .胆嚢癌
4 .乳頭部癌
V.外科的治療の記載法
1 .術式の記載
1 )切除術式の種類
2 )再建術式の種類
2 .外科切除縁における癌浸潤の評価
3 .切除術の根治度評価
VI.胆道癌取扱い規約第7版 チェックリスト【臨床】
E .切除検体の取り扱いおよび検索方法
I.固定方法
1 .肝門部領域胆管の固定法
2 .遠位胆管・乳頭部の固定法
3 .胆嚢の固定法
II.切り出し方
1 .肝門部領域胆管の切り出し
2 .遠位胆管・乳頭部の切り出し
3 .胆嚢の切り出し
F .胆道癌症例の統計的処理
I.患者数
1 .患者総数
2 .手術患者総数
II.切除患者数および切除率
1 .切除患者総数
2 .非切除患者総数
3 .切除に関連する比率
III.生存期間および生存率
G .胆道癌の病理分類と所見の記載法
I.緒言
II.組織型分類
1 .組織型分類の方針
2 .組織型分類
3 .組織型分類の説明
III.病理所見に関する記載
1 .原発腫瘍に関する記載
1 )部位、肉眼型、壁在部位、大きさと数
2 )組織型
3 )局所進展度(pT因子)
4 )血管浸潤の評価
5 )癌の周囲組織に対する浸潤増殖様式(INFa、b、c)
6 )リンパ管侵襲
7 )静脈侵襲
8 )神経(周囲)浸潤
2 .リンパ節転移(pN因子)
3 .遠隔転移(pM因子)
4 .病理進行度分類(pStage分類)
5 .外科切除縁における癌浸潤の評価
6 .切除術の根治度評価
IV.胆道癌取扱い規約第7版 チェックリスト【病理】
V.生検診断
1 .判定区分
2 .判定区分の診断基準
H .術前治療後の組織学的評価
I .病理組織検体におけるゲノム診断について
カラー図譜
胆管腫瘍
胆嚢腫瘍
乳頭部腫瘍
胆道腫瘍の組織像
付録 UICC(第8版)、AJCC(第8版)、胆道癌取扱い規約(第7版)の領域リンパ節の違い
肝門部領域胆管癌
遠位胆管癌
胆嚢癌
乳頭部癌
胆道癌取扱い規約第1版が1981年4月に発刊されて40年が経過した。前回の第6版改訂(2013年)では、国際化を目指して本邦独自の精緻な規約と簡略なUICCのTNM分類(当時第7版)との整合性を図るとともに、はじめて内科系の委員にも参加いただくなどの大改革がおこなわれた。
本改訂では、前改訂から3年あまりでUICCのTNM分類が改訂(第8版、2017年)されたのに伴い、さらに一歩踏み込んで本規約をUICCの新分類にほぼ全面的に準拠させた。その一方で前改訂における削除項目のなかから臨床上必要なものを第5版から復活させた。さらに2019年にWHO Classification of Tumours(Digestive System Tumours)第5版、領域横断的がん取扱い規約第1版、ゲノム研究用・診療用病理組織検体取扱い規程第1版の発刊が相次ぎ、それらの内容も可及的に反映させた。その他はできるだけ第6版から変えず現場の混乱を最小限にすることを常に心がけた。
今回の改訂も国際標準への盲従ではなく、同じ土俵に立ちその問題点を明らかにして国際的に胆道癌診療をリードし続けるためのものである。その期待とともに下記の胆道癌取扱い規約委員および実務委員の方々に長い間ご尽力いただいたことに対する深謝をもって第7版の序としたい。
2021年2月
胆道癌取扱い規約委員会
委員長 佐野 圭二