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臨床・病理 乳癌取扱い規約 第19版
臨床編・病理編ともに世界標準に合わせ、アップデート!

臨床編では、早期乳癌の定義を見直したほか、腫瘍の占居部位、臨床所見、臨床T因子、ラジオ波焼灼術を含む乳房術式、リンパ節の切除範囲、再建法、治療法、転帰の記載法について整理した。
病理編では、WHO分類とICCRの分類に可能な限り準拠し、病理学的記載をより詳細かつ体系的に改訂したほか、浸潤性乳管癌の組織型分類の見直しや肉眼型分類の新設、TNM分類の解釈の整理、バイオマーカーの改訂などを行った。
病理編では、WHO分類とICCRの分類に可能な限り準拠し、病理学的記載をより詳細かつ体系的に改訂したほか、浸潤性乳管癌の組織型分類の見直しや肉眼型分類の新設、TNM分類の解釈の整理、バイオマーカーの改訂などを行った。
第 1 部 臨床編
第 1 章 腫瘍の臨床的記載法
1.腫瘍占居部位
2.腫瘍の大きさ
3.腫瘍の性状
4.臨床所見
5.臨床病期(Stage)分類
6.早期乳癌
第 2 章 治療の記載法
1.手術
2.手術以外の治療法
第 3 章 治療症例数および転帰の記載法
1.治療症例数
2.再発
3.遠隔成績
第 4 章 臨床的治療効果の判定基準
1.効果判定の目的
2.治療前(ベースライン)における腫瘍病変の測定可能性
3.測定法ごとの詳細
4.腫瘍縮小効果の判定
5.最良総合効果
6.再評価の頻度
7.確定のための測定/奏効期間
8.効果や増悪に関する第三者による再判定
9.最良総合効果に関する結果の報告
第 2 部 病理編
第 1 章 乳腺腫瘍の組織学的分類
I.上皮性腫瘍
II.線維上皮性腫瘍
III.軟部腫瘍
IV.リンパ腫および造血器腫瘍
V.転移性腫瘍
VI.その他
[WHO 組織型分類と取扱い規約分類との対比表]
第 2 章 病理標本の取扱いと記載法
1.切除標本の大きさ
2.切除標本に対する割の入れ方
3.組織の固定
4.肉眼型分類
5.病理学的病期分類
6.断端の評価
7.浸潤形態と間質量
8.非浸潤癌巣の種類と量
9.脈管侵襲の有無
10.浸潤癌の組織学的波及度
11.病理学的グレード分類
第 3 章 細胞診および針生検の報告様式
1.細胞診
2.針生検
第 4 章 バイオマーカー検索と判定基準
1.検体の取扱い
2.ホルモン受容体(ER、PgR)
3.HER2
3-1.HER2 陽性/陰性の判定
3-2.いわゆるHER2 低発現の判定
4.PD-L1
5.Ki67
6.腫瘍浸潤リンパ球(TILs)
付表 表1.乳癌においてゲノム異常が認められる主な遺伝子
表2.代表的な遺伝性乳癌の主な原因遺伝子
第 5 章 組織学的治療効果の判定基準
1.日本乳癌学会の治療効果判定方法
2.病理学的完全奏効(pCR)
3.遺残癌による病期分類(ypTNM 分類)
付.切除検体の病理学的記載事項(チェックリスト)
資料 TNM 分類(UICC、第8 版、2017)
索引
第 1 章 腫瘍の臨床的記載法
1.腫瘍占居部位
2.腫瘍の大きさ
3.腫瘍の性状
4.臨床所見
5.臨床病期(Stage)分類
6.早期乳癌
第 2 章 治療の記載法
1.手術
2.手術以外の治療法
第 3 章 治療症例数および転帰の記載法
1.治療症例数
2.再発
3.遠隔成績
第 4 章 臨床的治療効果の判定基準
1.効果判定の目的
2.治療前(ベースライン)における腫瘍病変の測定可能性
3.測定法ごとの詳細
4.腫瘍縮小効果の判定
5.最良総合効果
6.再評価の頻度
7.確定のための測定/奏効期間
8.効果や増悪に関する第三者による再判定
9.最良総合効果に関する結果の報告
第 2 部 病理編
第 1 章 乳腺腫瘍の組織学的分類
I.上皮性腫瘍
II.線維上皮性腫瘍
III.軟部腫瘍
IV.リンパ腫および造血器腫瘍
V.転移性腫瘍
VI.その他
[WHO 組織型分類と取扱い規約分類との対比表]
第 2 章 病理標本の取扱いと記載法
1.切除標本の大きさ
2.切除標本に対する割の入れ方
3.組織の固定
4.肉眼型分類
5.病理学的病期分類
6.断端の評価
7.浸潤形態と間質量
8.非浸潤癌巣の種類と量
9.脈管侵襲の有無
10.浸潤癌の組織学的波及度
11.病理学的グレード分類
第 3 章 細胞診および針生検の報告様式
1.細胞診
2.針生検
第 4 章 バイオマーカー検索と判定基準
1.検体の取扱い
2.ホルモン受容体(ER、PgR)
3.HER2
3-1.HER2 陽性/陰性の判定
3-2.いわゆるHER2 低発現の判定
4.PD-L1
5.Ki67
6.腫瘍浸潤リンパ球(TILs)
付表 表1.乳癌においてゲノム異常が認められる主な遺伝子
表2.代表的な遺伝性乳癌の主な原因遺伝子
第 5 章 組織学的治療効果の判定基準
1.日本乳癌学会の治療効果判定方法
2.病理学的完全奏効(pCR)
3.遺残癌による病期分類(ypTNM 分類)
付.切除検体の病理学的記載事項(チェックリスト)
資料 TNM 分類(UICC、第8 版、2017)
索引
今回の取扱い規約の改訂は、乳癌を主体とする乳腺疾患の診療において、昨今のグローバル化の潮流を受けたものである。臨床編では、従来「Stage 0・I を早期乳癌とする」とされてきた定義が見直され、早期乳癌(early breast cancer;EBC)を、切除可能乳癌(Stage 0〜IIIA)と再定義した。その他、腫瘍の占居部位、臨床所見、臨床T因子、ラジオ波焼灼術を含む乳房術式、リンパ節の切除範囲、再建法、治療法、転帰の記載法についても整理が進められた。
病理編ではWHO 分類あるいは国際的な病理報告の標準化を基盤とし、がん患者の転帰改善を目指すInternational Collaboration on Cancer Reporting(ICCR)の分類に可能な限り準拠した。この結果、病理学的記載がより詳細かつ体系的に改訂された。特に、従来の良性と悪性に大別される形態に加え、両者の中間的存在である前駆病変、非浸潤性小葉腫瘍の概念が採用された。また、これまで悪性腫瘍の独立した項目として扱われていたPaget 病は、非浸潤癌の範疇に含まれる形となった。さらに乳頭癌に関し、概念がやや難解と思われる被包型乳頭癌、充実乳頭癌については独立組織型とし、非浸潤癌と浸潤癌に分けて詳述された。
わが国で広く用いられてきた浸潤性乳管癌の3組織型あるいは4組織型分類は、わが国での歴史的概念を残しつつ、国際標準の視点から見直し、浸潤癌の浸潤形態や間質量の特徴、非浸潤癌巣の種類と量で表現する形に移行した。さらに、上記の組織型分類が画像所見との対比に有用であったことから、さらに精緻化されるよう、腫瘍の全貌を把握し、特殊型を含めたすべての乳癌を網羅する肉眼型分類が新たに設けられた。加えて、臨床的・病理的にこれまで曖昧であったTNM分類の解釈も整理され、特にT4についての詳細な注釈を追加している。バイオマーカーについても現状の世界標準に合わせた内容となっている。
なお、今回の改訂は2022年11月に組織された旧委員会のメンバーで作成した原案を基に、その校正に2024年11月に発足した新委員会が加わり、各委員の多様な視点を尊重しつつ議論を重ねコンセンサスを得ながら進めることで実現した。2年間にわたり十数回を超える会議が開催され、毎回3 時間に及ぶ熱い協議を経て完成したものであることを申し添えたい。粘り強く対応いただいた日本乳癌学会事務局の皆様に深謝申し上げる。
本規約が乳腺診療における日本のプレゼンスを高め、世界と渡り合える基盤となることを期待したい。
2025年5月
日本乳癌学会規約委員会
[2024年11月〜2026年10月]
委員長 山口 倫
副委員長 二村 学、川端 英孝
委員 杉江 知治(参与)
有馬 信之、有賀 智之
堀本 義哉、鹿股 直樹
小塚 祐司、黒田 一
前田 一郎、宮城 由美
森谷 鈴子、大迫 智
坂谷 貴司、高橋 かおる
吉田 正行
アドバイザー 津田 均
[2022年11月〜2024年10月]
委員長 津田 均
副委員長 川端 英孝、杉江 知治、山口 倫
委員 堀井 理絵、小塚 祐司
黒田 一、前田 一郎
宮城 由美、森谷 卓也
向井 博文、中島 一彰
大迫 智、坂谷 貴司
高橋 かおる、武井 寛幸
山下 年成
病理編ではWHO 分類あるいは国際的な病理報告の標準化を基盤とし、がん患者の転帰改善を目指すInternational Collaboration on Cancer Reporting(ICCR)の分類に可能な限り準拠した。この結果、病理学的記載がより詳細かつ体系的に改訂された。特に、従来の良性と悪性に大別される形態に加え、両者の中間的存在である前駆病変、非浸潤性小葉腫瘍の概念が採用された。また、これまで悪性腫瘍の独立した項目として扱われていたPaget 病は、非浸潤癌の範疇に含まれる形となった。さらに乳頭癌に関し、概念がやや難解と思われる被包型乳頭癌、充実乳頭癌については独立組織型とし、非浸潤癌と浸潤癌に分けて詳述された。
わが国で広く用いられてきた浸潤性乳管癌の3組織型あるいは4組織型分類は、わが国での歴史的概念を残しつつ、国際標準の視点から見直し、浸潤癌の浸潤形態や間質量の特徴、非浸潤癌巣の種類と量で表現する形に移行した。さらに、上記の組織型分類が画像所見との対比に有用であったことから、さらに精緻化されるよう、腫瘍の全貌を把握し、特殊型を含めたすべての乳癌を網羅する肉眼型分類が新たに設けられた。加えて、臨床的・病理的にこれまで曖昧であったTNM分類の解釈も整理され、特にT4についての詳細な注釈を追加している。バイオマーカーについても現状の世界標準に合わせた内容となっている。
なお、今回の改訂は2022年11月に組織された旧委員会のメンバーで作成した原案を基に、その校正に2024年11月に発足した新委員会が加わり、各委員の多様な視点を尊重しつつ議論を重ねコンセンサスを得ながら進めることで実現した。2年間にわたり十数回を超える会議が開催され、毎回3 時間に及ぶ熱い協議を経て完成したものであることを申し添えたい。粘り強く対応いただいた日本乳癌学会事務局の皆様に深謝申し上げる。
本規約が乳腺診療における日本のプレゼンスを高め、世界と渡り合える基盤となることを期待したい。
2025年5月
日本乳癌学会規約委員会
[2024年11月〜2026年10月]
委員長 山口 倫
副委員長 二村 学、川端 英孝
委員 杉江 知治(参与)
有馬 信之、有賀 智之
堀本 義哉、鹿股 直樹
小塚 祐司、黒田 一
前田 一郎、宮城 由美
森谷 鈴子、大迫 智
坂谷 貴司、高橋 かおる
吉田 正行
アドバイザー 津田 均
[2022年11月〜2024年10月]
委員長 津田 均
副委員長 川端 英孝、杉江 知治、山口 倫
委員 堀井 理絵、小塚 祐司
黒田 一、前田 一郎
宮城 由美、森谷 卓也
向井 博文、中島 一彰
大迫 智、坂谷 貴司
高橋 かおる、武井 寛幸
山下 年成
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