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患者さんと家族のための肺がんガイドブック 2023年版 悪性胸膜中皮腫・胸腺腫瘍含む
肺がんの正しい知識と最新情報を97のQ&Aで丁寧に解説! 2年ぶりの改訂!
患者さんとご家族のさまざまな疑問に対して専門家が丁寧に解説。肺がん治療の正しい知識と最新情報に加え、生活や仕事に関する不安を解消するためのQ&Aをさらに充実させました。巻頭には、肺がん治療の全体像がひと目でわかるロードマップを新たに追加しました。適切な治療を受けるため、そして肺がん治療と上手に付き合うための知識が得られます。肺がんのほか、悪性胸膜中皮腫・胸腺腫瘍についても詳しく記載しています。巻末の薬剤一覧・情報窓口一覧もぜひご活用ください。
●肺の解剖
●肺がん治療のロードマップ
●本書の使い方
第1章 肺がんについて
Q1 「肺がん」とはどのような病気ですか
Q2 肺がんの種類はいくつかあるのでしょうか
Q3 肺がんになるとどのような症状が現れるのですか
Q4 肺がんが転移しやすい場所と症状について教えてください
第2章 肺がんの診断に必要な検査
Q5 健康診断あるいは検診結果が「要精査」「病院で検査を受けるように」となっていました。どうすればよいでしょうか
Q6 肺がんかどうかを調べるための検査について教えてください
Q7 経過観察といわれましたが大丈夫でしょうか
Q8 検査による被ばくが心配ですが大丈夫でしょうか
Q9 血液検査だけでがんかどうかはわからないのでしょうか〜腫瘍マーカーなど〜
Q10 細胞や組織を詳しく調べることで何がわかるのでしょうか
Q11 肺以外も調べるのですか〜病期診断のための検査〜
Q12 ゲノム医療、プレシジョンメディシン、がん遺伝子パネル検査という言葉をニュースなどで見かけるのですが、私にも関係あるでしょうか
第3章 肺がんと診断されたら、まず知って欲しいこと
Q13 とにかく不安で、何から考えてよいかわかりません。どうすればよいでしょうか
Q14 良い病院の選び方はあるでしょうか
Q15 担当医と話し合うときに、聞くべきこと、準備すべきことはありますか
Q16 治療法はだれがどのように決めるのですか
Q17 現在の治療方針でよいのか不安です。別の病院に相談できないでしょうか〜セカンドオピニオン〜
Q18 治療にかかる費用が心配です。使える制度などがあれば教えてください
Q19 治療を受けながら現在の仕事を続けたり、別の職場に就職することはできるでしょうか
Q20 このガイドブックだけではもの足りません。どのように情報を集めればよいですか
Q21 インターネットには情報があふれていて、どれが正しいのかわかりません。良い情報、誤った情報を見分けるコツはありますか
Q22 禁煙はしたほうがよいでしょうか
Q23 患者さんを支援するような仕組みや団体はあるのでしょうか
Q24 子どもや両親、パートナーにはどのように伝えればよいでしょうか
Q25 子どもが欲しいのですが、がんになっても可能でしょうか 74
Q26 「人生会議」をするタイミングなのでしょうか〜ACP(アドバンス ケアプランニング)〜
第4章 治療の概要
Q27 肺がんの治療にはどのようなものがありますか
Q28 肺がんの治療はどのように決めていくのですか〜臨床病期(ステージ)と治療選択〜
Q29 この治療が標準治療といわれました。もっと良い治療があるのでしょうか。臨床試験、治験とはどう違うのでしょうか
Q30 治療はいつまで続けるのでしょうか。また、治療が効かなかった場合や再発・再燃したときはどうなるのでしょうか
Q31 ほとんど寝たきりの生活ですが、治療は受けられますか
Q32 「治療法がない」「治療をしないほうがよい」といわれました。どうすればよいでしょうか
4-1. 外科治療
Q33 肺がんではどのような手術をするのですか
Q34 手術をするかどうかはどのように決めていくのですか
4-2. 放射線療法
Q35 放射線療法はどのような治療法ですか
Q36 放射線の線量とは何のことですか。肺がんではどれくらいの線量や回数をあてるのですか
Q37 放射線療法の実際、治療の流れについて教えてください
Q38 放射線療法の方法や選び方について教えてください
Q39 放射線療法に伴う合併症について教えてください
4-3. 薬物療法
Q40 肺がんの治療薬にはどのようなものがありますか
Q41 抗がん剤治療(化学療法)はどのような治療ですか
Q42 抗がん剤治療(化学療法)はつらいと聞きましたが副作用について教えてください。また、何を注意しておけばよいのでしょうか
Q43 分子標的治療とはどのような治療ですか
Q44 分子標的治療薬の副作用や注意したほうがよいことにはどのようなものがあるでしょうか
Q45 免疫療法、免疫チェックポイント阻害薬とはどのような治療ですか
Q46 免疫チェックポイント阻害薬の副作用や注意したほうがよいことにはどのようなものがあるでしょうか
4-4. 緩和ケア
Q47 緩和ケアとはどのようなものですか。どうすれば受けられるのでしょうか
Q48 緩和ケアを受ける場合の療養場所についても教えてください
4-5. リハビリテーション
Q49 がんの治療中にリハビリテーションを行ったほうがよいのですか
第5章 症状がある場合、転移がある場合の治療
Q50 つらい痛みがあります。痛みはとれるでしょうか
Q51 モルヒネ、麻薬を使うといわれました。副作用や中毒が心配です
Q52 呼吸が苦しいのですが、やわらげることはできますか
Q53 気分が落ち込んで憂うつになったり、不安で眠れなかったり イライラしたりします。どうすればよいですか
Q54 痛みが強く、骨に転移しているといわれましたが対処方法はあるのでしょうか〜骨転移〜
Q55 脳に転移しているといわれましたが、どのような治療が行われるのでしょうか〜脳転移〜
Q56 胸水がたまっているといわれました。どのような症状が出てくるのですか。治療法はありますか〜がん性胸膜炎〜
Q57 緊急で治療が必要な肺がんによる症状はどのようなものがありますか
第6章 非小細胞肺がんの治療
6-1. 外科治療(手術)が中心となる治療
Q58 手術のみの場合の治療について教えてください
Q59 手術後に追加治療が必要となるのはどのような場合ですか
Q60 手術の前に放射線療法や薬物療法を行うことはありますか
Q61 手術後に再発した場合の治療について教えてください
Q62 手術後にはどのようなことに気をつければよいですか
6-2. 放射線療法が中心となる治療
Q63 放射線療法のみを行うこともあるのでしょうか
Q64 放射線療法と薬物療法の併用を勧められました。具体的なやり方を教えてください
Q65 抗がん剤治療(化学療法)と放射線療法の併用療法の副作用にはどのようなものがありますか
Q66 放射線療法後に再発した場合の治療について教えてください
6-3. 薬物療法のみの治療
Q67 薬物療法だけで肺がんは治るのでしょうか。手術はできないのでしょ うか
Q68 さまざまな薬の中から、私に適した治療はどのように決まるのでしょ うか
Q69 薬物療法はいつまで続けるのでしょうか
Q70 治療の効果はどのようにみていくのですか。効果がなくなったときにはどうするのでしょうか
第7章 小細胞肺がんの治療
Q71 小細胞肺がんとはどのような肺がんですか
Q72 限局型小細胞肺がんといわれました。どのような状態でしょうか
Q73 限局型小細胞肺がんにはどのような治療法がありますか
Q74 化学放射線療法でがんは小さくなりました。再発予防の治療は必要ないのですか
Q75 進展型小細胞肺がんといわれました。どのような状態なのでしょうか
Q76 進展型小細胞肺がんにはどのような治療法があり、私には何が最適なのでしょうか
Q77 小細胞肺がんでは分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害薬は使われないのでしょうか
Q78 小細胞肺がんが再発したといわれました。治療はできますか
第8章 悪性胸膜中皮腫
Q79 悪性胸膜中皮腫とはどのような病気ですか
Q80 アスベストが原因なのでしょうか
Q81 診断はどのように行われるのでしょうか
Q82 治療はどのようなものがありますか
Q83 救済制度があると聞いたのですが、申請の手順などを教えてください
第9章 胸腺腫瘍(胸腺腫・胸腺がん)
Q84 胸腺腫、胸腺がんとはどのような病気ですか
Q85 診断はどのように行われるのでしょうか
Q86 治療はどのようなものがありますか
第10章 生活上のアドバイス
Q87 地元の医院で糖尿病・高血圧症をみてもらっています。血圧が高いとき、風邪気味のときなど、どうしたらよいでしょうか
Q88 統合医療、補完代替療法について教えてください(サプリメント、アロマセラピー、漢方など)
Q89 サプリメントを飲みたいのですが、担当医には言い出しにくいので、こっそり使っても大丈夫でしょうか
Q90 免疫力を上げたほうがよいと聞いたのですが、そのような方法はありますか
Q91 薬物療法を受けていますが、家族に影響が出るようなことはないのでしょうか
Q92 髪の毛が抜けたり、肌の荒れや爪の変形が気になります。何かできることはあるでしょうか
Q93 口内炎がつらいです。やわらげることはできますか
Q94 通院で治療することになりました。注意することはありますか
Q95 家族はどのように支えていけばよいでしょうか
Q96 新型コロナウイルスが流行しているので、病院に行くのが不安です。ワクチンの接種はどうすればよいでしょうか
Q97 食欲がありません。どんどんやせてきて心配です
●肺がん治療に使用される薬剤一覧
●情報窓口一覧
●索引
●作成委員
利益相反(COI)開示
●肺がん治療のロードマップ
●本書の使い方
第1章 肺がんについて
Q1 「肺がん」とはどのような病気ですか
Q2 肺がんの種類はいくつかあるのでしょうか
Q3 肺がんになるとどのような症状が現れるのですか
Q4 肺がんが転移しやすい場所と症状について教えてください
第2章 肺がんの診断に必要な検査
Q5 健康診断あるいは検診結果が「要精査」「病院で検査を受けるように」となっていました。どうすればよいでしょうか
Q6 肺がんかどうかを調べるための検査について教えてください
Q7 経過観察といわれましたが大丈夫でしょうか
Q8 検査による被ばくが心配ですが大丈夫でしょうか
Q9 血液検査だけでがんかどうかはわからないのでしょうか〜腫瘍マーカーなど〜
Q10 細胞や組織を詳しく調べることで何がわかるのでしょうか
Q11 肺以外も調べるのですか〜病期診断のための検査〜
Q12 ゲノム医療、プレシジョンメディシン、がん遺伝子パネル検査という言葉をニュースなどで見かけるのですが、私にも関係あるでしょうか
第3章 肺がんと診断されたら、まず知って欲しいこと
Q13 とにかく不安で、何から考えてよいかわかりません。どうすればよいでしょうか
Q14 良い病院の選び方はあるでしょうか
Q15 担当医と話し合うときに、聞くべきこと、準備すべきことはありますか
Q16 治療法はだれがどのように決めるのですか
Q17 現在の治療方針でよいのか不安です。別の病院に相談できないでしょうか〜セカンドオピニオン〜
Q18 治療にかかる費用が心配です。使える制度などがあれば教えてください
Q19 治療を受けながら現在の仕事を続けたり、別の職場に就職することはできるでしょうか
Q20 このガイドブックだけではもの足りません。どのように情報を集めればよいですか
Q21 インターネットには情報があふれていて、どれが正しいのかわかりません。良い情報、誤った情報を見分けるコツはありますか
Q22 禁煙はしたほうがよいでしょうか
Q23 患者さんを支援するような仕組みや団体はあるのでしょうか
Q24 子どもや両親、パートナーにはどのように伝えればよいでしょうか
Q25 子どもが欲しいのですが、がんになっても可能でしょうか 74
Q26 「人生会議」をするタイミングなのでしょうか〜ACP(アドバンス ケアプランニング)〜
第4章 治療の概要
Q27 肺がんの治療にはどのようなものがありますか
Q28 肺がんの治療はどのように決めていくのですか〜臨床病期(ステージ)と治療選択〜
Q29 この治療が標準治療といわれました。もっと良い治療があるのでしょうか。臨床試験、治験とはどう違うのでしょうか
Q30 治療はいつまで続けるのでしょうか。また、治療が効かなかった場合や再発・再燃したときはどうなるのでしょうか
Q31 ほとんど寝たきりの生活ですが、治療は受けられますか
Q32 「治療法がない」「治療をしないほうがよい」といわれました。どうすればよいでしょうか
4-1. 外科治療
Q33 肺がんではどのような手術をするのですか
Q34 手術をするかどうかはどのように決めていくのですか
4-2. 放射線療法
Q35 放射線療法はどのような治療法ですか
Q36 放射線の線量とは何のことですか。肺がんではどれくらいの線量や回数をあてるのですか
Q37 放射線療法の実際、治療の流れについて教えてください
Q38 放射線療法の方法や選び方について教えてください
Q39 放射線療法に伴う合併症について教えてください
4-3. 薬物療法
Q40 肺がんの治療薬にはどのようなものがありますか
Q41 抗がん剤治療(化学療法)はどのような治療ですか
Q42 抗がん剤治療(化学療法)はつらいと聞きましたが副作用について教えてください。また、何を注意しておけばよいのでしょうか
Q43 分子標的治療とはどのような治療ですか
Q44 分子標的治療薬の副作用や注意したほうがよいことにはどのようなものがあるでしょうか
Q45 免疫療法、免疫チェックポイント阻害薬とはどのような治療ですか
Q46 免疫チェックポイント阻害薬の副作用や注意したほうがよいことにはどのようなものがあるでしょうか
4-4. 緩和ケア
Q47 緩和ケアとはどのようなものですか。どうすれば受けられるのでしょうか
Q48 緩和ケアを受ける場合の療養場所についても教えてください
4-5. リハビリテーション
Q49 がんの治療中にリハビリテーションを行ったほうがよいのですか
第5章 症状がある場合、転移がある場合の治療
Q50 つらい痛みがあります。痛みはとれるでしょうか
Q51 モルヒネ、麻薬を使うといわれました。副作用や中毒が心配です
Q52 呼吸が苦しいのですが、やわらげることはできますか
Q53 気分が落ち込んで憂うつになったり、不安で眠れなかったり イライラしたりします。どうすればよいですか
Q54 痛みが強く、骨に転移しているといわれましたが対処方法はあるのでしょうか〜骨転移〜
Q55 脳に転移しているといわれましたが、どのような治療が行われるのでしょうか〜脳転移〜
Q56 胸水がたまっているといわれました。どのような症状が出てくるのですか。治療法はありますか〜がん性胸膜炎〜
Q57 緊急で治療が必要な肺がんによる症状はどのようなものがありますか
第6章 非小細胞肺がんの治療
6-1. 外科治療(手術)が中心となる治療
Q58 手術のみの場合の治療について教えてください
Q59 手術後に追加治療が必要となるのはどのような場合ですか
Q60 手術の前に放射線療法や薬物療法を行うことはありますか
Q61 手術後に再発した場合の治療について教えてください
Q62 手術後にはどのようなことに気をつければよいですか
6-2. 放射線療法が中心となる治療
Q63 放射線療法のみを行うこともあるのでしょうか
Q64 放射線療法と薬物療法の併用を勧められました。具体的なやり方を教えてください
Q65 抗がん剤治療(化学療法)と放射線療法の併用療法の副作用にはどのようなものがありますか
Q66 放射線療法後に再発した場合の治療について教えてください
6-3. 薬物療法のみの治療
Q67 薬物療法だけで肺がんは治るのでしょうか。手術はできないのでしょ うか
Q68 さまざまな薬の中から、私に適した治療はどのように決まるのでしょ うか
Q69 薬物療法はいつまで続けるのでしょうか
Q70 治療の効果はどのようにみていくのですか。効果がなくなったときにはどうするのでしょうか
第7章 小細胞肺がんの治療
Q71 小細胞肺がんとはどのような肺がんですか
Q72 限局型小細胞肺がんといわれました。どのような状態でしょうか
Q73 限局型小細胞肺がんにはどのような治療法がありますか
Q74 化学放射線療法でがんは小さくなりました。再発予防の治療は必要ないのですか
Q75 進展型小細胞肺がんといわれました。どのような状態なのでしょうか
Q76 進展型小細胞肺がんにはどのような治療法があり、私には何が最適なのでしょうか
Q77 小細胞肺がんでは分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害薬は使われないのでしょうか
Q78 小細胞肺がんが再発したといわれました。治療はできますか
第8章 悪性胸膜中皮腫
Q79 悪性胸膜中皮腫とはどのような病気ですか
Q80 アスベストが原因なのでしょうか
Q81 診断はどのように行われるのでしょうか
Q82 治療はどのようなものがありますか
Q83 救済制度があると聞いたのですが、申請の手順などを教えてください
第9章 胸腺腫瘍(胸腺腫・胸腺がん)
Q84 胸腺腫、胸腺がんとはどのような病気ですか
Q85 診断はどのように行われるのでしょうか
Q86 治療はどのようなものがありますか
第10章 生活上のアドバイス
Q87 地元の医院で糖尿病・高血圧症をみてもらっています。血圧が高いとき、風邪気味のときなど、どうしたらよいでしょうか
Q88 統合医療、補完代替療法について教えてください(サプリメント、アロマセラピー、漢方など)
Q89 サプリメントを飲みたいのですが、担当医には言い出しにくいので、こっそり使っても大丈夫でしょうか
Q90 免疫力を上げたほうがよいと聞いたのですが、そのような方法はありますか
Q91 薬物療法を受けていますが、家族に影響が出るようなことはないのでしょうか
Q92 髪の毛が抜けたり、肌の荒れや爪の変形が気になります。何かできることはあるでしょうか
Q93 口内炎がつらいです。やわらげることはできますか
Q94 通院で治療することになりました。注意することはありますか
Q95 家族はどのように支えていけばよいでしょうか
Q96 新型コロナウイルスが流行しているので、病院に行くのが不安です。ワクチンの接種はどうすればよいでしょうか
Q97 食欲がありません。どんどんやせてきて心配です
●肺がん治療に使用される薬剤一覧
●情報窓口一覧
●索引
●作成委員
利益相反(COI)開示
はじめに
日本肺癌学会では2019年より、肺がんに関する患者さんとご家族向けの「肺がんガイドブック」を2年ごとに出版しておりますが、急速な肺がん治療の進歩に合わせて、書籍版として「肺がんガイドブック」の3度目の改訂を行いました。日本肺癌学会は「肺がんおよびこれに関する領域の研究の進歩ならびに知識の普及をはかり、もって患者さんをはじめ広く人類の健康と福祉の増進に寄与することを目的」として活動しています。この活動のひとつとして医師向けの「肺癌診療ガイドライン」を定期的に改訂、発行してきました。一方、患者さん、市民向けの情報は限られており、日本肺癌学会は、認定NPO法人西日本がん研究機構(WJOG)が2007年から出版してきた患者さん向けガイドブック「よくわかる肺がんQ&A」を公認し、推奨してまいりました。このガイドブックは2014年までの7年間に医学の進歩に合わせた改訂が3回重ねられてきました。それから5年が経過し、この間の肺がんの診断法、治療法の進歩は著しく、これに追いつくためには新たな内容への改訂が求められていました。そこで2019年、日本肺癌学会では患者さんに最適な肺がん医療を受けていただくために、医師向けの「肺癌診療ガイドライン」に準じた患者さん、家族向けのガイドブックを作成しました。患者さん向けのガイドブックは、読んでいただく患者さんの疑問や不安にこたえるものでなければなりません。そこで、WJOGがこれまでに開催した市民公開講座と日本肺癌学会が毎年全国各地で開催している市民公開講座で寄せられた患者さんからの質問を集約し、学術的見解をもとに解説したものが望ましいと考え、WJOG版「よくわかる肺がんQ & A」に日本肺癌学会が新しい時代の変化に伴う改良・改善を加えて本書を作成しました。加えて、肺がん診療の急速な発展に基づく最新の情報を皆さまにお届けするために、2年ごとの書籍版に加え、インターネットで閲覧できるWEB版を作成しました。
今回の改訂にあたっては、以下の点に配慮しました。
(1)本ガイドブックの名称を「患者さんと家族のための肺がんガイドブック」に変更
(2)肺がん診療中の手引きとなるような「ロードマップ」を巻頭に追加
(3)新たに標準治療となった周術期(肺がん手術前後)の治療法を追加
(4)免疫チェックポイント阻害薬と抗がん薬の併用療法の情報を追加
(5)ゲノム医療の進歩によって、ほかのがんに先駆け肺がんで開発が進んでいるがん分子マーカーと新規に使えるようになった分子標的治療薬について追加
(6)肺がんの治療にとどまらず、肺がんの治療を受けながら仕事や生活を安心して続けられる生活・就労支援、コロナ禍での対応、家族の役割の情報を追加
(7)企画段階から編集・発行まで、肺がん患者さんが参加
(8)肺がんの解説に加え、日本肺癌学会が関わる悪性胸膜中皮腫、胸腺腫・胸腺がんの解説を追加・更新
2023年改訂の書籍版はどなたでも手軽に入手できるよう、医学書専門店のほか、全国の書店店頭での注文購入、インターネットでの購入が可能です。
日本肺癌学会は研究のみならず社会への啓発活動として市民公開講座、肺がん患者会との協力、メディア・社会に対してがん医療の最新情報提供を行ってきました。さまざまな医療情報があふれ、情報の選択が大切になるなか、本書をご利用いただき適切な肺がん医療情報として参考になれば幸いに存じます。
2023年11月
特定非営利活動法人日本肺癌学会
理事長 池田 徳彦
日本肺癌学会では2019年より、肺がんに関する患者さんとご家族向けの「肺がんガイドブック」を2年ごとに出版しておりますが、急速な肺がん治療の進歩に合わせて、書籍版として「肺がんガイドブック」の3度目の改訂を行いました。日本肺癌学会は「肺がんおよびこれに関する領域の研究の進歩ならびに知識の普及をはかり、もって患者さんをはじめ広く人類の健康と福祉の増進に寄与することを目的」として活動しています。この活動のひとつとして医師向けの「肺癌診療ガイドライン」を定期的に改訂、発行してきました。一方、患者さん、市民向けの情報は限られており、日本肺癌学会は、認定NPO法人西日本がん研究機構(WJOG)が2007年から出版してきた患者さん向けガイドブック「よくわかる肺がんQ&A」を公認し、推奨してまいりました。このガイドブックは2014年までの7年間に医学の進歩に合わせた改訂が3回重ねられてきました。それから5年が経過し、この間の肺がんの診断法、治療法の進歩は著しく、これに追いつくためには新たな内容への改訂が求められていました。そこで2019年、日本肺癌学会では患者さんに最適な肺がん医療を受けていただくために、医師向けの「肺癌診療ガイドライン」に準じた患者さん、家族向けのガイドブックを作成しました。患者さん向けのガイドブックは、読んでいただく患者さんの疑問や不安にこたえるものでなければなりません。そこで、WJOGがこれまでに開催した市民公開講座と日本肺癌学会が毎年全国各地で開催している市民公開講座で寄せられた患者さんからの質問を集約し、学術的見解をもとに解説したものが望ましいと考え、WJOG版「よくわかる肺がんQ & A」に日本肺癌学会が新しい時代の変化に伴う改良・改善を加えて本書を作成しました。加えて、肺がん診療の急速な発展に基づく最新の情報を皆さまにお届けするために、2年ごとの書籍版に加え、インターネットで閲覧できるWEB版を作成しました。
今回の改訂にあたっては、以下の点に配慮しました。
(1)本ガイドブックの名称を「患者さんと家族のための肺がんガイドブック」に変更
(2)肺がん診療中の手引きとなるような「ロードマップ」を巻頭に追加
(3)新たに標準治療となった周術期(肺がん手術前後)の治療法を追加
(4)免疫チェックポイント阻害薬と抗がん薬の併用療法の情報を追加
(5)ゲノム医療の進歩によって、ほかのがんに先駆け肺がんで開発が進んでいるがん分子マーカーと新規に使えるようになった分子標的治療薬について追加
(6)肺がんの治療にとどまらず、肺がんの治療を受けながら仕事や生活を安心して続けられる生活・就労支援、コロナ禍での対応、家族の役割の情報を追加
(7)企画段階から編集・発行まで、肺がん患者さんが参加
(8)肺がんの解説に加え、日本肺癌学会が関わる悪性胸膜中皮腫、胸腺腫・胸腺がんの解説を追加・更新
2023年改訂の書籍版はどなたでも手軽に入手できるよう、医学書専門店のほか、全国の書店店頭での注文購入、インターネットでの購入が可能です。
日本肺癌学会は研究のみならず社会への啓発活動として市民公開講座、肺がん患者会との協力、メディア・社会に対してがん医療の最新情報提供を行ってきました。さまざまな医療情報があふれ、情報の選択が大切になるなか、本書をご利用いただき適切な肺がん医療情報として参考になれば幸いに存じます。
2023年11月
特定非営利活動法人日本肺癌学会
理事長 池田 徳彦