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スポーツと腰痛 メカニズム&マネジメント
最新の医学的知見を満載した、スポーツ選手の腰痛診療における実践的手引き書
編 集 | 山下 敏彦 |
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定 価 | 4,950円 (4,500円+税) |
発行日 | 2011/10/25 |
ISBN | 978-4-307-25152-5 |
B5判・160頁・図数:138枚・カラー図数:1枚
在庫状況 | あり |
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スポーツ選手の愁訴の中でも頻度の高い腰痛の予防・治療についての理解を深め、実際の診療における手引き書として活用できる一冊。スポーツに伴う腰痛(腰椎疾患)の現状、腰痛発生メカニズム・原因、診断、治療(保存療法、手術療法、リハビリテーション)、予防を柱として、整形外科医、理学療法士、トレーナーが執筆。これらの職種に加え、リハビリテーション医も含めたスポーツ診療に携わる医師必携の書。
『序』より
腰痛は、国民の有する最も頻度の高い症状だが、スポーツ選手もその例外ではない。腰痛のために競技能力が低下したり、スポーツからの長期離脱を余儀なくされたりする選手は多く、その傾向はスポーツの種目やレベル、年齢を問わない。
「腰」という字は「月に要」、すなわち身体の「かなめ」と書く。まさにすべてのスポーツ動作は、腰部を要として成立しているといってよい。腰椎は身体の支柱であると同時に、上肢・下肢の運動の根幹をなす。そのため、腰部の構造と機能を健全に保つことは、より良いスポーツパフォーマンス発揮のための基本となる。
しかしその反面、要であるということは、スポーツ動作によるストレスがそこに最も集中することを意味する。さらに、脊椎には大小の多くの筋肉が複雑に付着しており、自らの体動そのものも腰椎組織にストレスを加える。つまり腰部は、スポーツ動作に伴う侵害刺激(有害な刺激)を最も頻繁に受け、障害や疼痛を引き起こしやすい部位であるといえる。
このように腰痛は、スポーツ活動と密接に関連しているにもかかわらず、これまでスポーツ障害として光をあてられることは少なく、それに関する成書もほとんどなかった。しかし、近年、腰部スポーツ障害のメカニズムや予防に関連した研究が推進され、多くの新たな知見が報告されている。また、治療においても低侵襲手術の開発やリハビリテーションの進歩など、新しい展開がみられ、早期のスポーツ復帰が可能となっている。
本書はこのような状況を背景に、「スポーツに伴う腰痛の病態やメカニズムを解明するサイエンティフィックな側面」と「スポーツ選手の腰痛に対する適切なマネジメント法や現場復帰のための戦略を明示するプラクティカルな側面」の両面を兼ね備えた解説書として企画された。執筆者は、いずれも本邦におけるスポーツ障害の研究・診療の第一線で活躍されている先生方である。
スポーツ診療に携わる医師やコメディカルスタッフはもとより、スポーツの現場における指導者やトレーナーにも、本書は腰痛の治療と予防に関する有用な情報を提供できるものと思う。多くのスポーツ選手・スポーツ愛好家が腰痛を感じることなく、より良いスポーツパフォーマンスを発揮し、楽しくスポーツ活動を続けていくことに、本書が少しでも貢献できれば望外の喜びである。
最後に、本書の編集・制作に多大なるご尽力をいただいた金原出版の関係諸氏に、心より感謝申しあげる。
『序』より
腰痛は、国民の有する最も頻度の高い症状だが、スポーツ選手もその例外ではない。腰痛のために競技能力が低下したり、スポーツからの長期離脱を余儀なくされたりする選手は多く、その傾向はスポーツの種目やレベル、年齢を問わない。
「腰」という字は「月に要」、すなわち身体の「かなめ」と書く。まさにすべてのスポーツ動作は、腰部を要として成立しているといってよい。腰椎は身体の支柱であると同時に、上肢・下肢の運動の根幹をなす。そのため、腰部の構造と機能を健全に保つことは、より良いスポーツパフォーマンス発揮のための基本となる。
しかしその反面、要であるということは、スポーツ動作によるストレスがそこに最も集中することを意味する。さらに、脊椎には大小の多くの筋肉が複雑に付着しており、自らの体動そのものも腰椎組織にストレスを加える。つまり腰部は、スポーツ動作に伴う侵害刺激(有害な刺激)を最も頻繁に受け、障害や疼痛を引き起こしやすい部位であるといえる。
このように腰痛は、スポーツ活動と密接に関連しているにもかかわらず、これまでスポーツ障害として光をあてられることは少なく、それに関する成書もほとんどなかった。しかし、近年、腰部スポーツ障害のメカニズムや予防に関連した研究が推進され、多くの新たな知見が報告されている。また、治療においても低侵襲手術の開発やリハビリテーションの進歩など、新しい展開がみられ、早期のスポーツ復帰が可能となっている。
本書はこのような状況を背景に、「スポーツに伴う腰痛の病態やメカニズムを解明するサイエンティフィックな側面」と「スポーツ選手の腰痛に対する適切なマネジメント法や現場復帰のための戦略を明示するプラクティカルな側面」の両面を兼ね備えた解説書として企画された。執筆者は、いずれも本邦におけるスポーツ障害の研究・診療の第一線で活躍されている先生方である。
スポーツ診療に携わる医師やコメディカルスタッフはもとより、スポーツの現場における指導者やトレーナーにも、本書は腰痛の治療と予防に関する有用な情報を提供できるものと思う。多くのスポーツ選手・スポーツ愛好家が腰痛を感じることなく、より良いスポーツパフォーマンスを発揮し、楽しくスポーツ活動を続けていくことに、本書が少しでも貢献できれば望外の喜びである。
最後に、本書の編集・制作に多大なるご尽力をいただいた金原出版の関係諸氏に、心より感謝申しあげる。
CHAPTER 01
スポーツ選手における腰痛の実態
1.スポーツ選手の腰痛
2.スポーツ活動と腰痛の関係
3.トップレベルのスポーツ選手の腰痛の実態
4.競技種目・ポジションと腰痛の関係
CHAPTER 02
スポーツによる腰痛の発生メカニズム
◆2-1 腰部スポーツ障害のバイオメカニクス
1.腰椎バイオメカニクスの基礎
2.スポーツ障害における腰椎のバイオメカニクス
◆2-2 腰痛に関わる神経・筋の解剖・生理学
1.痛みに関わる感覚受容器と神経線維
2.体幹筋の構造と感覚神経の分布
3.腰椎構成組織における感覚受容器の分布
4.炎症が感覚受容器に及ぼす影響
5.筋肉痛のメカニズム
◆2-3 腰痛をきたしやすいスポーツ動作
1.椎間板変性率調査
2.腰椎椎弓疲労骨折(分離症)
3.スポーツ動作中の腰椎挙動
◆2-4 スポーツ種目別腰痛の特徴
1.スポーツ種目別腰痛の発生頻度
2.スポーツ種目による腰痛の特徴とその発生メカニズム
CHAPTER 03
スポーツによる腰痛の診断のすすめ方
1.問診
2.身体所見
CHAPTER 04
スポーツに伴って好発する腰痛疾患の病態と治療
◆4-1 腰痛症(筋性腰痛、椎間関節性腰痛)
1.概念と病態
2.診断
3.治療
◆4-2 腰椎椎間板ヘルニア
1.病態・疾患概念
2.診断手順
3.治療
◆4-3 腰椎終板障害
1.腰椎終板障害の概念
2.病態
3.臨床症状
4.画像診断
5.治療
◆4-4 腰椎分離症(分離すべり症)
1.発生頻度
2.原因
3.症状
4.画像検査
5.治療
◆4-5 腰椎損傷
1.概念
2.疫学
3.診断
4.分類
5.治療
6.予防
◆4-6 仙腸関節の不具合からくる腰痛
1.仙腸関節の不具合
2.骨盤のmobility(仙腸関節の動き)
3.仙腸関節の不具合の評価法(PMテスト)
4.仙腸関節の不具合が引き起こす腰痛とは
5.仙腸関節の不具合に対する運動療法
CHAPTER 05
腰痛に対するアスレティックリハビリテーション
◆5-1 トレーニングの理論
1.アスレティックリハビリテーション(トレーニング)の基本コンセプト
2.トレーニングのプロセス
◆5-2 トレーニングの実際
1.スポーツ動作における体幹部(コア)の役割
2.トレーニングの原則
3.エクササイズのポイント
◆5-3 スポーツ復帰に向けたエクササイズ
★体幹回旋運動時の腰痛回旋ストレスの軽減
1.概念と病態
2.腰椎での回旋負担を軽減させる手段
3.まとめ
CHAPTER 06
プロスポーツ選手の腰痛に対するプライマリケア
1.腰部の外傷・障害(頻度、経過)
2.腰痛に対する初期対応
3.装具療法
4.薬物療法
5.疼痛緩和のための補助的治療
6.腰椎手術後のアスレティックリハビリテーション
7.腰部障害の予防、早期発見
CHAPTER 07
スポーツによる腰痛の予防
◆7-1 スポーツ選手の腰痛発生に関与する要因
1.身体的要因
2.指導・方法の要因
3.まとめ
◆7-2 腰痛予防の方策
1.体幹安定性の獲得
2.体幹動的安定性の獲得
3.適切な脊柱アライメント保持
4.脊柱隣接関節(骨盤、股関節、肩甲胸郭関節)の可動性獲得
◆7-3 選手、指導者への提言
1.選手の個別性を考慮した指導
2.メディカルチェックの活用
3.科学的事実に則った指導
4.スポーツを取り巻く環境・指導体制の改善
◆7-4 スポーツ選手(トップアスリート)の腰痛管理
1.トップアスリートにおける腰痛疾患
2.腰痛疾患のマネジメント
●索引
スポーツ選手における腰痛の実態
1.スポーツ選手の腰痛
2.スポーツ活動と腰痛の関係
3.トップレベルのスポーツ選手の腰痛の実態
4.競技種目・ポジションと腰痛の関係
CHAPTER 02
スポーツによる腰痛の発生メカニズム
◆2-1 腰部スポーツ障害のバイオメカニクス
1.腰椎バイオメカニクスの基礎
2.スポーツ障害における腰椎のバイオメカニクス
◆2-2 腰痛に関わる神経・筋の解剖・生理学
1.痛みに関わる感覚受容器と神経線維
2.体幹筋の構造と感覚神経の分布
3.腰椎構成組織における感覚受容器の分布
4.炎症が感覚受容器に及ぼす影響
5.筋肉痛のメカニズム
◆2-3 腰痛をきたしやすいスポーツ動作
1.椎間板変性率調査
2.腰椎椎弓疲労骨折(分離症)
3.スポーツ動作中の腰椎挙動
◆2-4 スポーツ種目別腰痛の特徴
1.スポーツ種目別腰痛の発生頻度
2.スポーツ種目による腰痛の特徴とその発生メカニズム
CHAPTER 03
スポーツによる腰痛の診断のすすめ方
1.問診
2.身体所見
CHAPTER 04
スポーツに伴って好発する腰痛疾患の病態と治療
◆4-1 腰痛症(筋性腰痛、椎間関節性腰痛)
1.概念と病態
2.診断
3.治療
◆4-2 腰椎椎間板ヘルニア
1.病態・疾患概念
2.診断手順
3.治療
◆4-3 腰椎終板障害
1.腰椎終板障害の概念
2.病態
3.臨床症状
4.画像診断
5.治療
◆4-4 腰椎分離症(分離すべり症)
1.発生頻度
2.原因
3.症状
4.画像検査
5.治療
◆4-5 腰椎損傷
1.概念
2.疫学
3.診断
4.分類
5.治療
6.予防
◆4-6 仙腸関節の不具合からくる腰痛
1.仙腸関節の不具合
2.骨盤のmobility(仙腸関節の動き)
3.仙腸関節の不具合の評価法(PMテスト)
4.仙腸関節の不具合が引き起こす腰痛とは
5.仙腸関節の不具合に対する運動療法
CHAPTER 05
腰痛に対するアスレティックリハビリテーション
◆5-1 トレーニングの理論
1.アスレティックリハビリテーション(トレーニング)の基本コンセプト
2.トレーニングのプロセス
◆5-2 トレーニングの実際
1.スポーツ動作における体幹部(コア)の役割
2.トレーニングの原則
3.エクササイズのポイント
◆5-3 スポーツ復帰に向けたエクササイズ
★体幹回旋運動時の腰痛回旋ストレスの軽減
1.概念と病態
2.腰椎での回旋負担を軽減させる手段
3.まとめ
CHAPTER 06
プロスポーツ選手の腰痛に対するプライマリケア
1.腰部の外傷・障害(頻度、経過)
2.腰痛に対する初期対応
3.装具療法
4.薬物療法
5.疼痛緩和のための補助的治療
6.腰椎手術後のアスレティックリハビリテーション
7.腰部障害の予防、早期発見
CHAPTER 07
スポーツによる腰痛の予防
◆7-1 スポーツ選手の腰痛発生に関与する要因
1.身体的要因
2.指導・方法の要因
3.まとめ
◆7-2 腰痛予防の方策
1.体幹安定性の獲得
2.体幹動的安定性の獲得
3.適切な脊柱アライメント保持
4.脊柱隣接関節(骨盤、股関節、肩甲胸郭関節)の可動性獲得
◆7-3 選手、指導者への提言
1.選手の個別性を考慮した指導
2.メディカルチェックの活用
3.科学的事実に則った指導
4.スポーツを取り巻く環境・指導体制の改善
◆7-4 スポーツ選手(トップアスリート)の腰痛管理
1.トップアスリートにおける腰痛疾患
2.腰痛疾患のマネジメント
●索引