知りたかった! PT・OTのための発達障害ガイド

便利な評価表や平易な図が満載! PTにもOTにも役立つ本邦初の実践書

編 集 新田 收 / 笹田 哲 / 内 昌之
定 価 5,060円
(4,600円+税)
発行日 2012/03/19
ISBN 978-4-307-25154-9

B5判・300頁・図数:189枚

在庫状況 あり

臨床現場では理学療法士・作業療法士ともに、発達障害領域への対応が求められるが、発達障害に関する情報が一冊にまとめられた、どちらの職種にとっても有益な、直ちに活用できるテキストはこれまでなかった。本書では狭義の発達障害である「自閉症、アスペルガー症候群とその他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥・多動性障害」のみならず、より広義に発達障害をカバーし、脳性麻痺や筋ジストロフィーなどの運動発達の障害も取り上げた。

『序文』より
企画の発端は臨床現場にありました。理学療法士・作業療法士は臨床において、ともに広義の発達障害を対象とします。しかし、発達障害領域の対象児を理学療法士と作業療法士のどちらが担当するか明確な基準がありません。理学療法士と作業療法士の双方が配置されていない施設も多く、こうした場合、単独の対応を迫られます。地域の通所施設などの小規模施設でこうした傾向は顕著ですが、小児専門病院以外の、総合病院などでも起こり得ることです。
もちろん養成課程において発達障害に関するカリキュラムは、理学療法士・作業療法士ともに組み込まれております。ただ双方の授業内容は大きく異なっております。たとえば理学療法における対象疾患は脳性麻痺の比重が大きく、続いて筋ジストロフィー、二分脊椎などです。作業療法では広汎性発達障害、自閉症、注意障害などの比重が大きくなります。このような養成課程における相違は、臨床現場では十分に配慮されないことが多く、理学療法士・作業療法士にはどちらにも、広義の発達障害領域への対応が求められます。
こうした状況が背景にありながら発達障害に関する情報が1冊にまとめられており、理学療法士・作業療法士が臨床現場で直ちに実践できるテキストが、これまで存在していませんでした。本書は幅広く発達障害について解説することで、理学療法士・作業療法士に共通したテキストとなっております。
本書は狭義の「発達障害」として紹介される「自閉症、アスペルガー症候群とその他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥・多動性障害」のみに焦点を絞ったものではありません。より広義に「発達障害」を捉え、「脳性麻痺」や筋ジストロフィーなどの運動発達の領域に含まれる障害も取り上げました。その結果、より臨床現場に即した実践書となり得たと考えております。
小児領域を専門にする施設はもちろん、遭遇する機会が比較的少ない臨床現場においても、発達障害への対応は重要です。今後、さまざまな臨床現場、また教育場面で本書が活用されることを祈っております。
1章 発達の過程とそのみかた
 1.発達の定義
 2.人間の発達とは
 3.運動発達
  3−1.粗大運動の発達
  3−2.巧緻運動の発達
 4.認知発達
 5.感覚発達
 6.言語発達
 7.日常生活活動(ADL)発達
 8.遊びの発達
 9.社会適応
 キーワード解説

2章 知っておくべき治療
 1.ファシリテーションテクニック−神経生理学的アプローチ
 2.感覚統合モデル
 3.人間作業モデル
 4.摂食・嚥下
 5.呼吸
 6.循環
 7.整形外科
 8.発達障害で使われる薬物
 9.発達障害で用いられる福祉用具,自助具,遊具
  9−1.概説
  9−2.姿勢保持
  9−3.日常生活活動(ADL)
  9−4.移動
  9−5.コミュニケーション・学習
  9−6.遊び
  10.新生児集中治療室(NICU)

3章 それぞれの疾患における理学療法・作業療法
 1.中枢神経に起因する疾患−周産期
  1−1.痙直型脳性麻痺(概説)
   ◆痙直型脳性麻痺に対する理学療法介入
  1−2.アテトーゼ型脳性麻痺(概説)
   ◆アテトーゼ型脳性麻痺に対する理学療法介入
  1−3.痙直型・アテトーゼ型脳性麻痺
   ◆痙直型・アテトーゼ型脳性麻痺に対する作業療法介入
  1−4.精神遅滞(概説)
   ◆精神遅滞に対する理学療法介入
   ◆精神遅滞に対する作業療法介入
  1−5.重症心身障害(概説)
   ◆重症心身障害に対する理学療法介入
   ◆重症心身障害に対する作業療法介入
  1−6.自閉症(概説)
   ◆自閉症に対する理学療法介入
   ◆自閉症に対する作業療法介入
  1−7.アスペルガー症候群(概説)
   ◆アスペルガー症候群に対する作業療法介入
  1−8.学習障害(概説)
   ◆学習障害に対する作業療法介入
  1−9.注意欠陥多動性障害(概説)
   ◆注意欠陥多動性障害に対する作業療法介入
  1−10.アスペルガー・学習障害・注意欠陥多動性障害
   ◆アスペルガー・学習障害・注意欠陥多動性障害に対する理学療法介入
 2.中枢神経に起因する疾患−周産期後
  2−1.頭部外傷・脳症・脳炎(概説)
   ◆頭部外傷・脳症・脳炎に対する理学療法介入
   ◆頭部外傷・脳症・脳炎に対する作業療法介入
 3.染色体に起因する疾患
  3−1.Duchenne型筋ジストロフィー(概説)
   ◆Duchenne型筋ジストロフィーに対する理学療法介入
   ◆Duchenne型筋ジストロフィーに対する作業療法介入
  3−2.ダウン症候群(概説)
   ◆ダウン症候群に対する理学療法介入
   ◆ダウン症候群に対する作業療法介入
 4.先天奇形に起因する疾患
  4−1.二分脊椎(概説)
   ◆二分脊椎に対する理学療法介入
   ◆二分脊椎に対する作業療法介入

付録:発達障害の評価

索引