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婦人科がん標準化学療法の実際 グローバルスタンダードを目指して
婦人科がんの化学療法をより安全に、より効果的に実施するためのガイドブック!!
編 集 | 宇田川 康博 / 八重樫 伸生 |
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定 価 | 5,280円 (4,800円+税) |
発行日 | 2008/11/20 |
ISBN | 978-4-307-30097-1 |
B5判・184頁・図数:33枚
在庫状況 | なし |
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現時点のエビデンスレベルでは「ガイドライン」で扱われないような比較的稀な腫瘍であっても、今後のエビデンスの集積いかんによってはガイドラインに採り入れられるものもあるでしょう。次回の『子宮体癌治療ガイドライン』の改訂版では子宮肉腫や体癌の特殊型が加わり、『卵巣がん治療ガイドライン』では性索間質腫瘍が、『頸癌治療ガイドライン』では悪性腺腫が追加されるものと思われます。
本書は「ガイドライン」とは異なり、標準化学療法の実用書として医療従事者に利用されることを目途としていることから、これらの腫瘍や腹膜癌、絨毛性疾患、外陰癌など比較的稀な疾患の治療についても取り上げました。標準治療がいまだ確立されていない疾患も少なくありませんが、本書ではオプションの治療法についても十分触れているので、そのことを踏まえて実地医療の場で十二分に活用していただければ幸いです。
(序より一部を抜粋)
1 婦人科がんと化学療法
婦人科がん化学療法の変遷と現況
2 子宮頸癌
1. 頸癌に有効な薬剤
1 白金製剤
2 アルキル化剤
3 抗腫瘍性抗生物質
4 代謝拮抗剤
5 微小管作用抗がん剤
6 トポイソメラーゼ阻害剤
2. 子宮頸癌の術前化学療法
1 術前化学療法の適応とコンセプト
2 術前化学療法を推進する理由
3 術前化学療法の問題点
4 新しいスタンスにたった術前化学療法
5 今後の展望
3. 動注化学療法
1 動注化学療法の実際と分類
2 動注化学療法の効果を高めるための手技
3 子宮頸癌に対する適応
4 用いられるレジメン
5 我々の成績
6 NACとして動注化学療法を用いた症例の予後成績
7 動注科学療法に伴う合併症
4. 経口
1 主な経口抗がん剤
2 経口抗がん剤の奏効率と有害事象
3 維持療法としての経口抗がん剤の有用性
5. 同時化学放射線療法(CCRT)
1 シスプラチンを含むCCRTの治療成績と問題点
2 本邦における子宮頸癌に対するCCRTの臨床試験
3 他の抗がん剤を用いたCCRTの有効性
4 抗がん剤の放射線増感作用
6. 同時化学放射線療法(CCRT):放射線治療医の立場から
1 最適な薬剤投与のタイミング
2 放射線治療の方法
3 放射線治療の休止について
7. 再発癌
1 子宮頸癌の再発の実際
2 治療
8. 腺癌
1 子宮頸部腺癌の特性と問題点
2 子宮頸部腺癌に用いられる化学療法
9. 悪性腺腫
1 悪性腺腫に対する診断と治療(試案)
2 悪性腺腫に対する化学療法
3 子宮体癌
1. 子宮体癌に有効な薬剤
1 単剤で子宮体癌に有効な薬剤
2 併用療法
3 ホルモン療法
4 分子標的療法
2. 術後補助療法
1 術後補助療法としての放射線療法
2 術後補助療法としての化学療法
3 術後化学療法と放射線療法の比較試験
4 現在進行中の臨床試験
5 術後補助療法の適応
6 タキサン系薬剤の併用療法
3. 進行・再発癌に対する化学療法
1 単剤化学療法の成績
2 多剤化学療法の現況
4. 内分泌療法
A 進行・再発子宮体癌に対するホルモン療法の現状
進行・再発子宮体癌の標的病変に対するプロゲステロン療法
B 早期がんの補助療法
内分泌療法の効果
C 妊孕性温存
1 妊孕性温存療法としてのホルモン療法
2 症例選択状の留意点
3 ホルモン療法による子宮内膜変化
4 非消失例もしくは病巣消失後の再燃例に対する治療
4 卵巣がん
1. 卵巣がんに有効な薬剤
1 プラチナ製剤耐性の再発・再燃症例に有効な薬剤
2 明細胞腺癌・粘液性腺癌に有効な薬剤
3 分子標的治療薬
2. 卵巣がん標準化学療法
1 初回化学療法 first−line chemotherapy
2 全生存期間延長への戦略 −初回化学療法の実施に関する検討
3. 二次化学療法(セカンドライン)
1 二次化学療法に対する基本的な考え方
2 プラチナ製剤感受性再発卵巣がんに対する化学療法
3 プラチナ製剤耐性卵巣がんに対する化学療法
4. 術前化学療法
1 卵巣がんに対する術前化学療法の治療概念
2 卵巣がんに対する術前化学療法の実際
3 臨床試験からみた術前化学療法の有効性評価
5. 腹腔内化学療法の実際
1 IPポートの設置
2 使用するIPポート
3 薬剤投与法
6. 明細胞腺癌 Clear Cell Carcinoma
1 卵巣癌に対するgold standardであるパクリタキセル/プラチナ併用療法は有効か?
2 日本で報告が多いイリノテカン併用療法は有効か?
3 現時点での推奨される対応
4 今後の方向性
7. 卵巣粘液性腺癌
1 臨床病理学的特徴
2 化学療法
8. 胚細胞腫瘍
1 卵巣胚細胞腫瘍の化学療法の変遷
2 卵巣胚細胞腫瘍の化学療法の実際
3 卵巣肺細胞腫瘍の化学療法における基本的方針
9. 性索間質腫瘍
10. SSPC(Serous Surface Papillary Carcinoma 漿液性表層乳頭状腺癌)/腹膜癌
1 SSPC/腹膜癌とは?
2 SSPC/腹膜癌の問題点
3 SSPC/腹膜癌の診断
4 SSPC/腹膜癌の治療
5 絨毛性疾患
1 絨毛性腫瘍に対する化学療法の考え方
2 侵入奇胎群(low risk group)に対する化学療法
3 絨毛性癌群(high risk group)に対する化学療法
4 効果判定と寛解判定の基準
5 絨毛性腫瘍化学療法中の有害事象とその対策
6 寛解後のフォローアップと妊娠、分娩
6 外陰癌の化学療法
1 外陰癌の化学療法に用いられる薬剤
2 術前補助療法としての化学療法
3 同時化学放射線療法CCRT
4 外陰癌の化学療法における問題点
7 子宮肉腫
1. 癌肉腫
1 癌肉腫の臨床的特徴と最近の位置づけ
2 癌肉腫に対する化学療法の実際
2. 平滑筋肉腫
1 子宮平滑筋肉腫の化学療法
2 治療の問題点
3 今後の展望
索引