子宮頸癌取扱い規約 臨床編 第4版
FIGO 2018分類に基づき臨床的取扱いを改訂!
編 集 |
日本産科婦人科学会 / 日本病理学会 / 日本医学放射線学会 / 日本放射線腫瘍学会 |
定 価 |
4,400円 (4,000円+税) |
発行日 |
2020/12/20 |
ISBN |
978-4-307-30145-9 |
B5判・104頁・図数:45枚・カラー図数:1枚
FIGO 2018進行期分類に基づき臨床的取扱いを一新。新進行期分類では、理学所見だけでなく画像所見や病理学的所見も加味して総合的に病期が判断されることとなった。これを受けて、進行期を例示した図譜や、進行期決定のための検査と優先順位を示す表が追加された。また、関連事項として「子宮頸がん検診の精密検査結果の報告」が、付録として「外陰癌・腟癌の進行期分類」が新たに掲載されている。
【関連書籍】子宮頸癌取扱い規約 病理編 第4版
総説
第1部 臨床的取扱い
1 進行期分類
a 進行期分類(日産婦2020、FIGO 2018)
b 進行期分類決定のための検査と優先順位
c TNM分類(UICC 第8版)
d リンパ節の部位と名称
2 診断法
a 細胞学的診断
b コルポスコピー
c 病理組織学的診断
d 病理組織検体の取扱い
e 画像診断
3 治療法
a 手術療法
b 化学療法
c 放射線療法
第2部 病理学的取扱い
a 組織学的分類の主な変更点と留意事項
b 組織学的分類
c WHO分類 第5版(2020年)
第3部 腫瘍登録
・本産科婦・科学会婦・科腫瘍委員会への登録の実際
1 子宮頸癌の登録の原則
2 治療成績の算出法
3 登録の手順
第4部 関連事項
1 本邦における子宮頸癌の進行期分類の変遷
2 FIGO 2018の概要
3 子宮頸がん検診における精密検査結果の報告
4 『領域横断的がん取扱い規約』チェックリスト
第5部 これまでの既刊の序
付録 外陰癌・腟癌の進行期分類
a 外陰癌
b 腟癌
索引
子宮頸癌取扱い規約の元となるWHO分類とFIGO進行期分類の改定時期は必ずしも呼応しておらず、日常診療の中で取扱いに多少の混乱をきたすことがある。そういった支障を最小限に抑えるために第4版から病理編と臨床編に分けて編集・発刊することとなり、2017年に病理編 第4版が刊行された。
2018年10月、FIGOは進行期分類を改定した。それを受けて2019年1月、日本産科婦人科学会(以下、本学会)は新分類を原文で機関紙に掲載するとともに、本邦の対応について協議すること、結論が出るまでは現行の進行期分類(日産婦2011)を利用することなどを周知した。
本学会婦人科腫瘍委員会で協議した結果、早急に規約改訂を検討し臨床編 第4版として発刊することとなり、学会内のコンセンサスを得るとともに関連学会とも情報交換を行った。実際の改訂作業では、2019年7月 第1回編集委員会開催(新潟)をはじめ、合計5回の編集委員会と4回のコアメンバー会議を経て、最終的に本学会理事会の承認を得た。
本書の構成は5部構成とし付録を加えた。従来は既刊の序などが最初に記述されていたが、日常診療として必須の項目を最初に記載したほうが読者の利便性が高まると考え、進行期分類の変遷や既刊の序など歴史的な事柄については第4部や第5部に移動した。また、本書を実際に使う読者の理解を深めるために、FIGO 2018改定の背景や要点、FIGO改定委員会のコメントなどを、FIGO 2018の概要として第4部に掲載した。子宮頸癌の診療では子宮頸がん検診が重要な位置を占めるが、検診の精密検査結果の報告に関して地域や実施主体による差があり課題となっていた。また、各学会が各診療領域の取扱い規約を個別に作成してきたが、学会の垣根を越えて共通化を図る動きが出てきた。本書が取り扱う内容の周辺にある、そのような問題についても第4部に取り上げ、本書の位置づけをより広い視野で確認できるようにした。
外陰癌や腟癌の進行期分類はFIGOで定められており、本学会としても日産婦2014として日本語訳を会員に周知し腫瘍登録を行ってきた。本来であれば外陰癌と腟癌についても別途、取扱い規約を刊行すべきところであるが、両疾患の年間罹患数から考えて現実的ではなく、解剖学的な位置とつながりから子宮頸癌取扱い規約に付録することが自然であろうと改訂小委員会で判断した。それを本学会理事会に諮り承認を受け、両疾患の進行期分類を本規約の付録として掲載することとした。
子宮頸癌に関する予防や診断、治療、研究、教育、行政など、関係するすべての共通指針として本規約が病理編とともに幅広く使われることを祈念してやまない。
2020年10月
日本産科婦人科学会婦人科腫瘍委員会 委員長 八重樫 伸生
子宮頸癌取扱い規約改訂に関する小委員会 委員長 片渕 秀隆