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子宮頸癌治療ガイドライン 2022年版 第4版
5年ぶりの改訂!治療指針が大幅アップデート
編 集 | 日本婦人科腫瘍学会 |
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定 価 | 3,740円 (3,400円+税) |
発行日 | 2022/07/15 |
ISBN | 978-4-307-30148-0 |
B5判・224頁・図数:2枚
在庫状況 | あり |
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5年ぶりの改訂となる2022年版では、新進行期分類に対応、またLACC試験後の鏡視下手術の取り扱いを取り入れるなど、手術療法、放射線治療、化学療法のいずれも大幅に更新された。特殊組織型の治療、根治的放射線治療後の子宮摘出、がんゲノム医療、がんサバイバーシップなどに関するCQが新設され、計36のCQを収載。「推奨」の決定に至るまでに作成委員会内で議論があったCQには、「最終会議の論点」としてその内容を記載している。
【主な追加・改変・変更点】
・「最終会議の論点」を追加
・進行期分類(日産婦2020)に対応
・LACC trial 後の鏡視下手術の取り扱い
・特殊組織型に対する治療法のCQ
・根治的放射線治療後の子宮摘出に関するCQ
・強度変調放射線治療
・がんゲノム医療
・がんサバイバーシップに関するCQ
【主な追加・改変・変更点】
・「最終会議の論点」を追加
・進行期分類(日産婦2020)に対応
・LACC trial 後の鏡視下手術の取り扱い
・特殊組織型に対する治療法のCQ
・根治的放射線治療後の子宮摘出に関するCQ
・強度変調放射線治療
・がんゲノム医療
・がんサバイバーシップに関するCQ
CQ、推奨一覧
フローチャート1 子宮頸部前癌病変(CIN 3・AIS)ならびにIA期の治療
(子宮頸部円錐切除術による診断に基づいた治療の流れ)
フローチャート2 治療前診断IB期・II期の治療
フローチャート3 治療前診断IB期・II期の術後補助療法
フローチャート4 治療前診断III期・IV期の治療
フローチャート5 再発癌の治療
■本ガイドラインにおける基本事項
I 進行期分類
II 組織学的分類
III 手術療法
IV 放射線治療
V 化学療法
VI 緩和ケア
■第1章 ガイドライン総説
■第2章 子宮頸部前癌病変とIA期の主治療
総説
I 子宮頸部前癌病変
II IA期
CQ 01 円錐切除術を施行した摘出標本断端陰性CIN 3, AISの患者に対して、追加手術を行うことは奨められるか?
CQ 02 円錐切除術を施行した摘出標本断端陽性CIN 3, AISの患者に対して、追加手術を行うことは奨められるか?
CQ 03 子宮温存治療後に再発したCIN 3の患者に対して、再度の円錐切除術は奨められるか?【SR】
CQ 04 IA1期の患者に対して、どのような治療が奨められるか?
CQ 05 IA2期の患者に対して、骨盤リンパ節郭清を含む準広汎子宮全摘出術は奨められるか?
CQ 06 単純子宮全摘出術後にIB期またはそれ以上と診断された場合、放射線治療の追加は奨められるか?
■第3章 IB期以上の初回治療
総説
I IB〜IIB期
II III・IV期
CQ 07 治療前診断がIB1-2・IIA1期の患者に対して、手術療法と放射線治療のどちらが奨められるか?
CQ 08 治療前診断がIB3・IIA2期の患者に対して、手術療法と放射線治療のどちらが奨められるか?【SR】
CQ 09 治療前診断がIIB期の患者に対して、手術療法と放射線治療のどちらが奨められるか?
CQ 10 治療前診断がIB・II期の患者に対して、初回根治的手術療法前の化学療法は奨められるか?
CQ 11 治療前診断がIB・IIA期の患者に対して、開腹手術以外に腹腔鏡手術、ロボット手術は奨められるか?
CQ 12 妊孕性温存を希望する患者に対して、広汎子宮頸部摘出術は奨められるか?
CQ 13 センチネルリンパ節が転移陰性の場合に、系統的リンパ節郭清の省略は奨められるか?【SR】
CQ 14 広汎子宮全摘出術を行う患者に対して、卵巣温存は奨められるか?
CQ 15 主治療前に、骨盤・傍大動脈リンパ節生検は奨められるか?
CQ 16 治療前診断がI・II期の特殊組織型の患者に対して、どのような治療法が奨められるか?
CQ 17 IIIA・IIIB・IIIC(T3)・IVA期の患者に対して、手術療法は奨められるか?
CQ 18 IIIA・IIIB・IIIC(T3)・IVA期の患者に対して放射線治療を行う場合、同時化学放射線療法は奨められるか?
CQ 19 局所進行子宮頸癌患者に根治的治療として同時化学放射線療法を行う場合、推奨される薬剤は?
CQ 20 III・IVA期の患者に対して、主治療前後に化学療法を行うことは奨められるか?
CQ 21 IVB期の患者に対して推奨される治療は?
CQ 22 主治療前に画像もしくは生検でリンパ節転移ありとされたIIIC期のうち、T1, T2の患者に対して推奨される治療法は?
■第4章 術後補助療法
総説
CQ 23 推奨される術後補助療法は?
CQ 24 術後補助療法として全骨盤照射を行う場合、強度変調放射線治療は奨められるか?
CQ 25 IIIC1期の患者に対して、傍大動脈リンパ節領域への予防的放射線照射は奨められるか?
■第5章 残存病変・再発癌の治療
総説
CQ 26 初回治療に根治的放射線治療を施行した患者に対して、子宮全摘出術を追加することは奨められるか?
CQ 27 放射線未照射部位に再発病変を有する患者に対して、放射線治療は奨められるか?
CQ 28 照射野内再発に対して推奨される治療は?
CQ 29 再発患者に対して、多剤併用化学療法は奨められるか?
CQ 30 標準治療終了見込みの癌患者に対して、次世代シークエンサー等を用いたがんゲノムプロファイリング検査に基づいた治療は奨められるか?
■第6章 治療後の経過観察
総説
CQ 31 子宮頸癌治療後に、再発発見のための定期的な検査は奨められるか?
CQ 32 子宮頸癌治療後の生活指導において留意すべき点は?
CQ 33 治療後のホルモン補充療法は奨められるか?
CQ 34 子宮頸部摘出術後の生殖活動に関する指導において、留意すべき点は?
■第7章 妊娠合併子宮頸癌の治療
総説
CQ 35 妊娠中の生検でCIN 3やAIS, IA期の癌と診断された患者に対して、妊娠中に円錐切除術を行うことは奨められるか?
CQ 36 妊娠中のIB1期以上の患者に対して、待機的に根治治療を行うことは奨められるか?
■第8章 資料集
I 子宮頸癌で用いられる抗悪性腫瘍薬と保険適用の有無
II 略語一覧
III 日本婦人科腫瘍学会ガイドライン委員会業績
IV 既刊の序文・委員一覧
索引
フローチャート1 子宮頸部前癌病変(CIN 3・AIS)ならびにIA期の治療
(子宮頸部円錐切除術による診断に基づいた治療の流れ)
フローチャート2 治療前診断IB期・II期の治療
フローチャート3 治療前診断IB期・II期の術後補助療法
フローチャート4 治療前診断III期・IV期の治療
フローチャート5 再発癌の治療
■本ガイドラインにおける基本事項
I 進行期分類
II 組織学的分類
III 手術療法
IV 放射線治療
V 化学療法
VI 緩和ケア
■第1章 ガイドライン総説
■第2章 子宮頸部前癌病変とIA期の主治療
総説
I 子宮頸部前癌病変
II IA期
CQ 01 円錐切除術を施行した摘出標本断端陰性CIN 3, AISの患者に対して、追加手術を行うことは奨められるか?
CQ 02 円錐切除術を施行した摘出標本断端陽性CIN 3, AISの患者に対して、追加手術を行うことは奨められるか?
CQ 03 子宮温存治療後に再発したCIN 3の患者に対して、再度の円錐切除術は奨められるか?【SR】
CQ 04 IA1期の患者に対して、どのような治療が奨められるか?
CQ 05 IA2期の患者に対して、骨盤リンパ節郭清を含む準広汎子宮全摘出術は奨められるか?
CQ 06 単純子宮全摘出術後にIB期またはそれ以上と診断された場合、放射線治療の追加は奨められるか?
■第3章 IB期以上の初回治療
総説
I IB〜IIB期
II III・IV期
CQ 07 治療前診断がIB1-2・IIA1期の患者に対して、手術療法と放射線治療のどちらが奨められるか?
CQ 08 治療前診断がIB3・IIA2期の患者に対して、手術療法と放射線治療のどちらが奨められるか?【SR】
CQ 09 治療前診断がIIB期の患者に対して、手術療法と放射線治療のどちらが奨められるか?
CQ 10 治療前診断がIB・II期の患者に対して、初回根治的手術療法前の化学療法は奨められるか?
CQ 11 治療前診断がIB・IIA期の患者に対して、開腹手術以外に腹腔鏡手術、ロボット手術は奨められるか?
CQ 12 妊孕性温存を希望する患者に対して、広汎子宮頸部摘出術は奨められるか?
CQ 13 センチネルリンパ節が転移陰性の場合に、系統的リンパ節郭清の省略は奨められるか?【SR】
CQ 14 広汎子宮全摘出術を行う患者に対して、卵巣温存は奨められるか?
CQ 15 主治療前に、骨盤・傍大動脈リンパ節生検は奨められるか?
CQ 16 治療前診断がI・II期の特殊組織型の患者に対して、どのような治療法が奨められるか?
CQ 17 IIIA・IIIB・IIIC(T3)・IVA期の患者に対して、手術療法は奨められるか?
CQ 18 IIIA・IIIB・IIIC(T3)・IVA期の患者に対して放射線治療を行う場合、同時化学放射線療法は奨められるか?
CQ 19 局所進行子宮頸癌患者に根治的治療として同時化学放射線療法を行う場合、推奨される薬剤は?
CQ 20 III・IVA期の患者に対して、主治療前後に化学療法を行うことは奨められるか?
CQ 21 IVB期の患者に対して推奨される治療は?
CQ 22 主治療前に画像もしくは生検でリンパ節転移ありとされたIIIC期のうち、T1, T2の患者に対して推奨される治療法は?
■第4章 術後補助療法
総説
CQ 23 推奨される術後補助療法は?
CQ 24 術後補助療法として全骨盤照射を行う場合、強度変調放射線治療は奨められるか?
CQ 25 IIIC1期の患者に対して、傍大動脈リンパ節領域への予防的放射線照射は奨められるか?
■第5章 残存病変・再発癌の治療
総説
CQ 26 初回治療に根治的放射線治療を施行した患者に対して、子宮全摘出術を追加することは奨められるか?
CQ 27 放射線未照射部位に再発病変を有する患者に対して、放射線治療は奨められるか?
CQ 28 照射野内再発に対して推奨される治療は?
CQ 29 再発患者に対して、多剤併用化学療法は奨められるか?
CQ 30 標準治療終了見込みの癌患者に対して、次世代シークエンサー等を用いたがんゲノムプロファイリング検査に基づいた治療は奨められるか?
■第6章 治療後の経過観察
総説
CQ 31 子宮頸癌治療後に、再発発見のための定期的な検査は奨められるか?
CQ 32 子宮頸癌治療後の生活指導において留意すべき点は?
CQ 33 治療後のホルモン補充療法は奨められるか?
CQ 34 子宮頸部摘出術後の生殖活動に関する指導において、留意すべき点は?
■第7章 妊娠合併子宮頸癌の治療
総説
CQ 35 妊娠中の生検でCIN 3やAIS, IA期の癌と診断された患者に対して、妊娠中に円錐切除術を行うことは奨められるか?
CQ 36 妊娠中のIB1期以上の患者に対して、待機的に根治治療を行うことは奨められるか?
■第8章 資料集
I 子宮頸癌で用いられる抗悪性腫瘍薬と保険適用の有無
II 略語一覧
III 日本婦人科腫瘍学会ガイドライン委員会業績
IV 既刊の序文・委員一覧
索引
日本婦人科腫瘍学会に、現在のガイドライン委員会の前身である「ガイドライン検討委員会」が設置されたのが2002年ですので、今年でちょうど20年が経過したことになります。2004年に婦人科悪性腫瘍領域では初めて『卵巣がん治療ガイドライン2004年版』が発刊され、その後、子宮体がん、子宮頸癌の治療ガイドライン第1版が、2006年、2007年にそれぞれ発刊され、以後定期的に改訂が重ねられてきました。この20年間に発刊されたガイドラインの序文を改めて振り返ってみますと、先輩の先生方によるガイドライン導入と普及の苦労が感じられ、また、改訂を重ねる度に作成方法や構成・内容の質を高めていることに感嘆させられます。ガイドライン自体の役割も行動指針を示すにとどまらず、今後の展望や将来の診療報酬改定を見据えた内容にしているなど、時代とともにガイドラインに求められているものが変わってきていることを実感します。
さて、今回の改訂作業は、前版の発刊から3年が経過した2020年夏に開始されました。その頃は、新型コロナウイルス感染症の影響により全国的に移動制限が求められていた時期になります。そのため、改訂方針を確認しCQの検討を行う最初の委員長・副委員長会議から、推奨内容を検討し投票を行う最終会議まで、すべてウェブでの会議となりました。対面での審議が一度も行われなかったことになりますが、通信技術の進歩により、これまでと同等の議論を経て作成されたと自負しております。
前版の2017年版から更新された点は数多くあります。作成方法に関しては、『Minds診療ガイドライン作成マニュアル2017』に可能な限り準拠し、? CQを可能な限りPICO形式に変更した、?外部作成委員として、看護師、薬剤師、患者、一般女性・男性に参加いただいた、?エビデンス総体の考え方に基づいて推奨の強さを決定した、?一部のCQではsystematic reviewを行った、?推奨の合意率を表示した、などの変更を行いました。また、最終会議の投票で合意率が低く、推奨文の表現や推奨の強さなどを変更して再投票を行ったCQがありましたが、これらのCQに関しては、どのような議論を経て推奨決定に至ったかを理解していただくために投票後の議論を「最終会議の論点」として記載しています。作成過程の詳細については「第1章 ガイドライン総説」に記載していますので、各CQを読む前に、ご一読いただきたく思います。
今回の改訂作業で最も苦心した点の一つが、進行期分類変更をどのように反映させるかという点でした。従来、子宮頸癌の進行期は治療開始前に決定されており、したがって、前版までの『子宮頸癌治療ガイドライン』では治療開始前の進行期にあわせて章立てされていました。現在の進行期分類では、リンパ節転移が認められる場合はIII期に分類されることになり、結果として、III期には局所病変の進行度合いが異なる集団が存在することになります。このヘテロな集団をどのように振り分けるかに頭を悩ませましたが、リンパ節転移陽性のIII期に関しては、T分類を用いることでT3によるIII期症例との差別化を図りました。しかしながら、参考文献の多くは臨床進行期分類に基づいた解析結果となっています。第3章の総説や解説文、さらには付記にも注意点が記載されていますが、解説文を十分に読んで推奨内容を理解していただければと思います。
ガイドラインの推奨内容は、実臨床における行動指針として活用されるだけではなく、今後の診療報酬改定にも影響を及ぼすようになってきています。そのような意味からも、子宮頸癌に対する鏡視下手術の推奨作成は、今回の改訂におけるもう一つの大きな論点でした。LACC trial発表後は様々な学会や本学会のコンセンサスミーティングでも議論され、術式に関する問題点が抽出されました。また、本邦の治療成績も蓄積されたこともあり、国内のコンセンサスが得られつつある段階で推奨を作成できたと感じています。
今回の改訂にあたり、前委員長の三上幹男教授には、常に貴重で的確なご助言をいただきました。作成のパートナーである小林陽一副委員長、馬場 長副委員長(兼改訂委員会副委員長)、コアメンバーとして献身的、且つ、懸命にご尽力下さった田畑 務、平嶋泰之、金内優典、徳永英樹のガイドライン委員会委員、新倉 仁、吉野 潔、竹原和宏の改訂委員会副委員長また、作成幹事、各CQ担当作成委員、systematic review担当作成委員、外部作成委員、評価委員会委員に深甚なる謝意を表します。さらに、片渕秀隆理事長はじめ、理事会、代議員会、会員の皆様の温かいご支援に心から御礼申し上げます。最後に、昼夜を分かたず改訂作業にご対応いただいた本学会事務局の安田利恵さん、金原出版株式会社編集部の安達友里子さんはじめ関係の方々に感謝申し上げます。
2022年6月
日本婦人科腫瘍学会ガイドライン委員会
委員長 永瀬 智
さて、今回の改訂作業は、前版の発刊から3年が経過した2020年夏に開始されました。その頃は、新型コロナウイルス感染症の影響により全国的に移動制限が求められていた時期になります。そのため、改訂方針を確認しCQの検討を行う最初の委員長・副委員長会議から、推奨内容を検討し投票を行う最終会議まで、すべてウェブでの会議となりました。対面での審議が一度も行われなかったことになりますが、通信技術の進歩により、これまでと同等の議論を経て作成されたと自負しております。
前版の2017年版から更新された点は数多くあります。作成方法に関しては、『Minds診療ガイドライン作成マニュアル2017』に可能な限り準拠し、? CQを可能な限りPICO形式に変更した、?外部作成委員として、看護師、薬剤師、患者、一般女性・男性に参加いただいた、?エビデンス総体の考え方に基づいて推奨の強さを決定した、?一部のCQではsystematic reviewを行った、?推奨の合意率を表示した、などの変更を行いました。また、最終会議の投票で合意率が低く、推奨文の表現や推奨の強さなどを変更して再投票を行ったCQがありましたが、これらのCQに関しては、どのような議論を経て推奨決定に至ったかを理解していただくために投票後の議論を「最終会議の論点」として記載しています。作成過程の詳細については「第1章 ガイドライン総説」に記載していますので、各CQを読む前に、ご一読いただきたく思います。
今回の改訂作業で最も苦心した点の一つが、進行期分類変更をどのように反映させるかという点でした。従来、子宮頸癌の進行期は治療開始前に決定されており、したがって、前版までの『子宮頸癌治療ガイドライン』では治療開始前の進行期にあわせて章立てされていました。現在の進行期分類では、リンパ節転移が認められる場合はIII期に分類されることになり、結果として、III期には局所病変の進行度合いが異なる集団が存在することになります。このヘテロな集団をどのように振り分けるかに頭を悩ませましたが、リンパ節転移陽性のIII期に関しては、T分類を用いることでT3によるIII期症例との差別化を図りました。しかしながら、参考文献の多くは臨床進行期分類に基づいた解析結果となっています。第3章の総説や解説文、さらには付記にも注意点が記載されていますが、解説文を十分に読んで推奨内容を理解していただければと思います。
ガイドラインの推奨内容は、実臨床における行動指針として活用されるだけではなく、今後の診療報酬改定にも影響を及ぼすようになってきています。そのような意味からも、子宮頸癌に対する鏡視下手術の推奨作成は、今回の改訂におけるもう一つの大きな論点でした。LACC trial発表後は様々な学会や本学会のコンセンサスミーティングでも議論され、術式に関する問題点が抽出されました。また、本邦の治療成績も蓄積されたこともあり、国内のコンセンサスが得られつつある段階で推奨を作成できたと感じています。
今回の改訂にあたり、前委員長の三上幹男教授には、常に貴重で的確なご助言をいただきました。作成のパートナーである小林陽一副委員長、馬場 長副委員長(兼改訂委員会副委員長)、コアメンバーとして献身的、且つ、懸命にご尽力下さった田畑 務、平嶋泰之、金内優典、徳永英樹のガイドライン委員会委員、新倉 仁、吉野 潔、竹原和宏の改訂委員会副委員長また、作成幹事、各CQ担当作成委員、systematic review担当作成委員、外部作成委員、評価委員会委員に深甚なる謝意を表します。さらに、片渕秀隆理事長はじめ、理事会、代議員会、会員の皆様の温かいご支援に心から御礼申し上げます。最後に、昼夜を分かたず改訂作業にご対応いただいた本学会事務局の安田利恵さん、金原出版株式会社編集部の安達友里子さんはじめ関係の方々に感謝申し上げます。
2022年6月
日本婦人科腫瘍学会ガイドライン委員会
委員長 永瀬 智
- 医書.jpで購入される方は
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