卵巣腫瘍・卵管癌・腹膜癌取扱い規約 臨床編 第1版補訂版

「進行期分類」「診断」がアップデートされた最新版!

編 集 日本産科婦人科学会 / 日本病理学会
定 価 2,750円
(2,500円+税)
発行日 2023/09/20
ISBN 978-4-307-30154-1

B5判・48頁・図数:3枚

在庫状況 あり

2015年の《臨床編 第1版》刊行後、WHO組織分類の改訂に伴い《病理編 第1版》(2016年)、《病理編 第2版》(2022年)が刊行された。それらの内容にキャッチアップするため、《臨床編 第1版》に部分的なアップデートを加えて《臨床編 第1版補訂版》として刊行する。高異型度漿液性癌における原発巣決定の基準、また漿液性卵管上皮内癌(STIC)の分類を主として、「進行期分類」「診断」の項目が現状に即した内容に補訂された。


【関連書籍】卵巣腫瘍・卵管癌・腹膜癌取扱い規約 病理編 第2版
補訂の要点と留意事項

SECTION I 臨床的取扱い
 1.進行期分類
  a.進行期分類(日産婦2014, FIGO 2014)
  b.TNM分類(UICC 第8版)
  c.pTNM分類
  d.FIGO分類(2014)とTNM分類(UICC 第8版)の対応
 2.リンパ節の部位と名称
 3.診断
  a.リスク因子・症状
  b.内診・理学的所見等
  c.血液生化学的検査(腫瘍マーカーなど)
  d.画像診断
  e.腹腔鏡
  f.病理診断
 4.術中・術後検体の処理
  a.腹水(腹腔洗浄液)の採取
  b.診断補助的細胞診
  c.術中迅速組織診の検体提出法
  d.術後摘出検体の取扱い
 5.治療
  a.上皮性腫瘍
  b.胚細胞腫瘍
  c.性索間質性腫瘍

SECTION II 日本産科婦人科学会婦人科腫瘍委員会への登録の実際
 1.登録の意義と登録項目の骨子
 2.登録・報告の原則
 3.治療成績の算出法
 4.登録実施要項

付・これまでの既刊の序

索引
 本規約は、2022年12月に刊行された日本産科婦人科学会・日本病理学会による『卵巣腫瘍・卵管癌・腹膜癌取扱い規約 病理編 第2版』に準拠したものである。同版は2020年9月に刊行された世界保健機関(World Health Organization;WHO)による女性生殖器腫瘍分類 第5版(WHO分類 第5版)に準拠しており、卵巣・卵管・腹膜に存在する高異型度漿液性癌の原発巣を決定するための新たな診断基準が正式に採用・記載されたことが特筆すべき改訂点であり、本書においてもこれを採用した。今後は我が国においても、これまで卵巣癌とされてきた高異型度漿液性癌の多くが卵管原発と診断されるものと考えられる。進行期分類(日産婦2014、FIGO 2014)そのものの変更はないが、漿液性卵管上皮内癌(serous tubal intraepithelial carcinoma;STIC)を卵管癌IA期と分類するといった変更も加わり、『卵巣腫瘍・卵管癌・腹膜癌取扱い規約 臨床編 第1版』との齟齬を解決するため、補訂版を刊行することに至った。
 本規約の体裁は規約第1版を概ね踏襲したが、冒頭に臨床編 第1版およびWHO分類 第4版からの主な改訂点をまとめた。用語は、可能な限り日本産科婦人科学会 編『産科婦人科用語集・用語解説集』をはじめ各専門領域の用語を採用して統一を図り、WHO分類 第5版で新たに採用された用語については編集委員会での議論を踏まえて記述した。

2023年8月
日本産科婦人科学会婦人科腫瘍委員会(令和3〜4年度)    委員長 永瀬 智
婦人科癌の取扱い規約改訂に関する小委員会(令和3〜4年度) 委員長 馬場 長