不育症&着床障害学級 改訂4版
不育症と着床障害を最新知見から解説する患者向け必携バイブル!
| 著 者 |
杉 俊隆 |
| 定 価 |
2,750円 (2,500円+税) |
| 発行日 |
2026/03/05 |
| ISBN |
978-4-307-30163-3 |
A5判・184頁・図数:10枚・カラー図数:33枚
妊娠しても流産や死産を繰り返す「不育症」について、研究・診療の第一人者である著者が患者さんとそのパートナーに向けてわかりやすく解説する本書。これまで最新の知見に基づいて改訂を重ねてきた『不育症学級』が、近年相談が急増している「着床障害」の項目もさらに充実させて、大幅にパワーアップしました。妊娠・出産をあきらめる前に知っておきたい情報を丁寧にまとめ、安心して治療に向き合える内容となっています。
はじめに
流産とは
染色体異常と自然淘汰
生化学的妊娠(流産)
年齢と流産率
35歳女性の反復流産、習慣流産の頻度
不育症管理に関する提言2025
不育症の概念〈不育症管理に関する提言2025〉
不育症の頻度〈不育症管理に関する提言2025〉
既往流産回数と次回妊娠成功率
偶発的流産を繰り返す確率
不育症のリスク因子
不育症の治療成績
推奨検査〈不育症管理に関する提言2025〉
選択的検査〈不育症管理に関する提言2025〉
研究的検査〈不育症管理に関する提言2025〉
非推奨検査〈不育症管理に関する提言2025〉
高プロラクチン血症
黄体機能不全と不育症
甲状腺疾患と不育症
子宮形態異常と不育症 子宮形態異常の検査
正常子宮 弓状子宮
中隔子宮 双角子宮
中隔子宮 双角子宮〈厚生労働省不育症研究班報告〉
重複子宮 単角子宮
中隔子宮以外の子宮形態異常〈厚生労働省不育症研究班報告〉
子宮形態異常の治療
子宮鏡下中隔切除術
夫婦染色体異常と不育症
相互転座
相互転座の配偶子の組み合わせ
ロバートソン転座
ロバートソン転座の配偶子の組み合わせ
着床前胚染色体構造異常検査(PGT-SR)の手順
染色体異常をもつ不育症患者の本当の流産率は?
染色体転座をもつ不育症患者にPGT-SRを行うべきか
抗リン脂質抗体
血液凝固異常と不育症
血液凝固異常の存在を疑うべき状況
キニノーゲンを認識する抗PE抗体の発見
抗PE抗体陽性不育症患者の生児獲得率
第XII因子活性低下(<60%)
抗第XII因子抗体の発見
抗第XII因子抗体(ウエスタンブロット法)
妊娠マウスの胎盤病理所見
胎盤のアポトーシス(細胞死)
第XII因子欠乏症〈不育症管理に関する提言2025〉
プロテインS欠乏症 プロテインC欠乏症
プロテインS欠乏症と深部静脈血栓症、肺血栓塞栓症
EGFを認識する抗プロテインS抗体の発見
不育症における抗プロテインS抗体とプロテインS徳島
プロテインS欠乏症〈不育症管理に関する提言2025〉
血液凝固異常による不育症の治療
低用量アスピリン療法
低用量アスピリン療法の副作用
低用量アスピリン療法前後の血小板凝集能
アスピリンはいつまで飲むベきか
ヘパリン療法
同種免疫異常と不育症
夫リンパ球免疫療法の治療成績
その他の免疫療法
着床障害
着床障害患者110人のもつリスク因子
EGFを認識する抗第XII因子抗体の発見
EGFを認識する抗PS/PT抗体の発見
自己抗体を介したEGF系の破綻
EGF系の破綻による着床障害に対する治療
当院の着床障害患者に対する治療成績
抗リン脂質抗体と抗核抗体が陽性の体外受精着床障害患者に対するヘパリンとアスピリン療法の偽薬を用いた無作為、二重盲検法による研究
慢性子宮内膜炎
当院の着床障害の検査方針
ヨーロッパ生殖医学会の着床障害診療の指針2023〈検査編〉
ヨーロッパ生殖医学会の着床障害診療の指針2023〈治療編〉
低用量アスピリン、ステロイドと生児獲得率
杉ウイメンズクリニックの不育症、着床障害スクリーニング検査
当院の抗リン脂質抗体検査
採血後血漿処理がdRVVT値に与える影響
dRVVTデータ比較(n=68)
当院で行っているその他の血液凝固系検査
内分泌、免疫系検査
超音波検査
おわりに
よくあるご質問
さくいん
◆コラム〈ホッとひとやすみ〉
・真実を知り、諸行無常を知る
・不育症、着床障害患者の不安、抑うつ傾向
・信頼性の高い情報はどのようにしたら見分けられるのか
・ネオセルフ抗体
・銅、亜鉛
・不育症検査が全て異常なしの場合、原因不明不育症と考えるべきか、不育症ではないと考えるべきか
・不育症的宗教観
・免疫とは
・抗PE抗体はなぜ流産を起こすのか、ヘパリンはなぜ有効なのか
・妊娠中期に破水したり、陣痛がきて死産するケース
・血液凝固
・「どうせ検査をしてもアスピリンかヘパリンでしょ」という意見に対して
・アスピリン
・ヘパリン
・タクロリムス
・EBMに基づかない不育症対策
・胚移植からのヘパリン投与は着床障害に効くどころか、着床を邪魔する可能性がある
・ビタミンD
・当院の着床障害診療の総括
・ストレスと不育症
改訂4版のまえがき
2020年秋に、菅政権が政府に不育症プロジェクトチームを立ち上げ、私も官邸に呼ばれ、不育症助成拡充の相談をしてきました。その中で、不育症診療ガイドラインを作る必要性を指摘され、私を含めた6人の不育症専門医がコアメンバーになって集中的に議論して、ガイドラインに準ずるものとして、新しい提言、「不育症管理に関する提言2021」を公開しました。その後、2023年にこども家庭庁が発足し、不育症事業は厚生労働省からこども家庭庁に移りました。今回、2009年の厚生労働省不育症研究班から始まったメンバーに、新しい若いメンバーを加え、不育症管理に関する提言改訂委員会が立ち上がり、こども家庭庁の事業として、「不育症管理に関する提言2025」が公開されました。今回の改訂は、それを解説するために行いました。そして、もう1つの改訂の目的は、着床障害の解説です。最近、着床障害の研究も進んできましたが、着床障害を解説する本はあまりないと思います。不育症黎明期に『不育症学級』を出したように、着床障害黎明期の今、それを解説する本として、着床障害の解説を増やしました。それに伴い、書名を『不育症&着床障害学級』に変えました。
2026年2月