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ハーバード大学眼科イラストレイテッドマニュアル 日本語版
英語圏で好評な眼科臨床医向けマニュアルの最新版、本邦初訳!
監 訳 | 猪俣 武範 / 中尾 武史 |
---|---|
原 著 | Peter K. Kaiser / Neil J. Friedman / Roberto Pineda II |
定 価 | 15,400円 (14,000円+税) |
発行日 | 2017/10/12 |
ISBN | 978-4-307-35166-9 |
B5変判・688頁・カラー図数:764枚
在庫状況 | あり |
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ハーバード大学というバックグラウンドをもとに多くの写真とともにまとめられ、原書は現時点で改訂第4版を数える眼科医向けのマニュアル“The Massachusetts Eye and Ear Infirmary Illustrated Manual of Ophthalmology”を、同大学に留学経験のある若手眼科医の手で日本語訳。1冊購入することで日英双方の電子書籍も読むことが可能となり、携帯端末等で気軽に持ち運びが可能となることから、座学のみならず臨床の場で診断する際にも役に立つ、まさに実戦的なマニュアル本となっています。
CHAPTER 1:眼窩
外傷
眼球亜脱臼
内頸動脈海綿静脈洞瘻および硬膜静脈洞瘻
感染症
炎症
先天異常
小児眼窩腫瘍
成人眼窩腫瘍
後天無眼球症
眼球萎縮および眼球癆
CHAPTER 2:眼球運動と脳神経
斜視
水平斜視
上下斜視
その他の斜視
眼振
第III脳神経麻痺
第IV脳神経麻痺
第VI脳神経麻痺
複合脳神経麻痺
慢性進行性外眼筋麻痺
水平注視麻痺
垂直注視麻痺
重症筋無力症
CHAPTER 3:眼瞼、睫毛、涙器
眼瞼の外傷
眼瞼の感染
眼瞼の炎症
眼瞼の変形
眼瞼けいれん
Bell麻痺
Floppy Eyelid症候群
睫毛乱生
先天眼瞼奇形
良性眼瞼腫瘍
悪性眼瞼腫瘍
全身性疾患
涙小管炎
涙嚢炎
鼻涙管閉塞
涙腺炎
涙腺腫瘍
CHAPTER 4:結膜と強膜
外傷
毛細血管拡張
微小動脈瘤
ドライアイ疾患(ドライアイ症候群、乾性角結膜炎)
炎症
結膜炎
変性
瘢痕性眼類天疱瘡
Stevens-Johnson症候群(重症多形紅斑症)
腫瘍
上強膜炎
強膜炎
強膜変色
CHAPTER 5:角膜
外傷
周辺部潰瘍性角膜炎
コンタクトレンズ関連障害
その他
角膜浮腫
移植片拒絶反応および移植片不全
感染性角膜炎(角膜潰瘍)
間質性角膜炎(角膜実質炎)
パンヌス
変性
拡張症
先天異常
角膜ジストロフィ
代謝性疾患
沈着物
角膜神経の拡大
腫瘍
CHAPTER 6:前房
原発閉塞隅角緑内障
続発閉塞隅角緑内障
低眼圧症
前房出血
前房細胞、フレア
前房蓄膿
感染性眼内炎
前部ぶどう膜炎
UGH症候群 (ぶどう膜炎緑内障前房出血症候群)
CHAPTER 7:虹彩と瞳孔
外傷
瞳孔偏位
瞳孔遮断
周辺虹彩前癒着
虹彩血管新生
血管新生緑内障
色素散乱症候群
色素性緑内障
虹彩異色症
瞳孔不同
Adie(アディー)瞳孔
Argyll Robertson(アーガイルロバートソン)瞳孔
Horner(ホルネル)症候群
相対的瞳孔求心路障害(MarcussGun瞳孔)
白色瞳孔
先天異常
中胚葉性発生異常症候群
虹彩角膜内皮症候群
腫瘍
CHAPTER 8:水晶体
先天異常
先天白内障
後天白内障
後嚢混濁
無水晶体眼
眼内レンズ挿入眼
落屑
偽落屑症候群
偽落屑緑内障
水晶体起因性緑内障
水晶体偏位
CHAPTER 9:硝子体
アミロイドーシス
星状硝子体症
第一次硝子体過形成遺残
後部硝子体剥離
閃輝性融解
硝子体出血
硝子体炎
CHAPTER 10:網膜と脈絡膜
外傷
出血
軟性白斑(綿花様白斑)
網膜動脈分枝閉塞症(BRAO)
網膜中心動脈閉塞症(CRAO)
眼動脈閉塞
網膜静脈分枝閉塞症
網膜中心静脈閉塞症/半側網膜静脈閉塞症
静脈うっ滞網膜症
眼虚血症候群
未熟児網膜症
Coats(コーツ)病/Leber(レーベル)粟粒血管腫症
家族性滲出性硝子体網膜症とNorrie病
色素失調症
Eales(イールズ)病
黄斑部毛細血管拡張症(特発性傍中心窩毛細血管拡張症)
血液異常を伴う網膜症
糖尿病網膜症
高血圧網膜症
妊娠中毒症
後天性網膜細動脈瘤
放射線網膜症
加齢黄斑変性
網膜内血管腫状増殖
ポリープ状脈絡膜血管症
近視性変性/病的近視
網膜色素線条
中心性漿液性脈絡網膜症
嚢胞様黄斑浮腫
黄斑円孔
硝子体黄斑癒着と牽引
網膜前膜/黄斑パッカー
有髄神経線維
日光網膜症/光線網膜症
中毒性(薬剤性)黄斑症
脂質蓄積症
周辺部網膜変性
網膜分離症
網膜剥離
脈絡膜剥離
脈絡網膜ひだ
脈絡網膜欠損
増殖硝子体網膜症
中間部・周辺部ぶどう膜炎
視神経網膜炎(Leber特発性星芒状視神経網膜炎)
後部ぶどう膜炎:感染
後部ぶどう膜炎:白斑症候群
後部ぶどう膜炎:その他の炎症性疾患
後部ぶどう膜炎:評価と管理
遺伝性脈絡網膜ジストロフィ
遺伝性黄斑ジストロフィ
遺伝性硝子体網膜変性
Leber(レーベル)先天黒内障
網膜色素変性(症)
白子症
母斑症
腫瘍
悪性腫瘍症候群
CHAPTER 11:視神経と緑内障
乳頭浮腫
特発性頭蓋内圧亢進症(偽脳腫瘍)
視神経炎
前部虚血性視神経症
外傷性視神経症
その他の視神経症
先天異常
腫瘍
視交叉症候群
先天緑内障
原発開放隅角緑内障
続発開放隅角緑内障
正常(低)眼圧緑内障
CHAPTER 12:視力、屈折治療、急な視力喪失
屈折異常
屈折矯正手術の合併症
屈折矯正手術の合併症:評価と管理
椎骨脳底動脈循環不全(椎骨脳底動脈アテローム血栓性疾患)
片頭痛
輻湊不全
調節過多(調節けいれん)
機能的視力障害
一過性視力障害(一過性黒内障)
弱視
皮質盲(皮質視力障害)
視路の障害
付録
眼科の病歴と検査
米国眼科学会による眼定期検診ガイドライン
一般的な眼症状の鑑別診断
一般的な眼科薬物治療
点眼薬キャップのカラーコード
眼中毒学
各構造の測定値
人名由来の用語
一般的な眼科の略語(カルテの読み方)
よく使われるスペイン語の言い回し
索引
外傷
眼球亜脱臼
内頸動脈海綿静脈洞瘻および硬膜静脈洞瘻
感染症
炎症
先天異常
小児眼窩腫瘍
成人眼窩腫瘍
後天無眼球症
眼球萎縮および眼球癆
CHAPTER 2:眼球運動と脳神経
斜視
水平斜視
上下斜視
その他の斜視
眼振
第III脳神経麻痺
第IV脳神経麻痺
第VI脳神経麻痺
複合脳神経麻痺
慢性進行性外眼筋麻痺
水平注視麻痺
垂直注視麻痺
重症筋無力症
CHAPTER 3:眼瞼、睫毛、涙器
眼瞼の外傷
眼瞼の感染
眼瞼の炎症
眼瞼の変形
眼瞼けいれん
Bell麻痺
Floppy Eyelid症候群
睫毛乱生
先天眼瞼奇形
良性眼瞼腫瘍
悪性眼瞼腫瘍
全身性疾患
涙小管炎
涙嚢炎
鼻涙管閉塞
涙腺炎
涙腺腫瘍
CHAPTER 4:結膜と強膜
外傷
毛細血管拡張
微小動脈瘤
ドライアイ疾患(ドライアイ症候群、乾性角結膜炎)
炎症
結膜炎
変性
瘢痕性眼類天疱瘡
Stevens-Johnson症候群(重症多形紅斑症)
腫瘍
上強膜炎
強膜炎
強膜変色
CHAPTER 5:角膜
外傷
周辺部潰瘍性角膜炎
コンタクトレンズ関連障害
その他
角膜浮腫
移植片拒絶反応および移植片不全
感染性角膜炎(角膜潰瘍)
間質性角膜炎(角膜実質炎)
パンヌス
変性
拡張症
先天異常
角膜ジストロフィ
代謝性疾患
沈着物
角膜神経の拡大
腫瘍
CHAPTER 6:前房
原発閉塞隅角緑内障
続発閉塞隅角緑内障
低眼圧症
前房出血
前房細胞、フレア
前房蓄膿
感染性眼内炎
前部ぶどう膜炎
UGH症候群 (ぶどう膜炎緑内障前房出血症候群)
CHAPTER 7:虹彩と瞳孔
外傷
瞳孔偏位
瞳孔遮断
周辺虹彩前癒着
虹彩血管新生
血管新生緑内障
色素散乱症候群
色素性緑内障
虹彩異色症
瞳孔不同
Adie(アディー)瞳孔
Argyll Robertson(アーガイルロバートソン)瞳孔
Horner(ホルネル)症候群
相対的瞳孔求心路障害(MarcussGun瞳孔)
白色瞳孔
先天異常
中胚葉性発生異常症候群
虹彩角膜内皮症候群
腫瘍
CHAPTER 8:水晶体
先天異常
先天白内障
後天白内障
後嚢混濁
無水晶体眼
眼内レンズ挿入眼
落屑
偽落屑症候群
偽落屑緑内障
水晶体起因性緑内障
水晶体偏位
CHAPTER 9:硝子体
アミロイドーシス
星状硝子体症
第一次硝子体過形成遺残
後部硝子体剥離
閃輝性融解
硝子体出血
硝子体炎
CHAPTER 10:網膜と脈絡膜
外傷
出血
軟性白斑(綿花様白斑)
網膜動脈分枝閉塞症(BRAO)
網膜中心動脈閉塞症(CRAO)
眼動脈閉塞
網膜静脈分枝閉塞症
網膜中心静脈閉塞症/半側網膜静脈閉塞症
静脈うっ滞網膜症
眼虚血症候群
未熟児網膜症
Coats(コーツ)病/Leber(レーベル)粟粒血管腫症
家族性滲出性硝子体網膜症とNorrie病
色素失調症
Eales(イールズ)病
黄斑部毛細血管拡張症(特発性傍中心窩毛細血管拡張症)
血液異常を伴う網膜症
糖尿病網膜症
高血圧網膜症
妊娠中毒症
後天性網膜細動脈瘤
放射線網膜症
加齢黄斑変性
網膜内血管腫状増殖
ポリープ状脈絡膜血管症
近視性変性/病的近視
網膜色素線条
中心性漿液性脈絡網膜症
嚢胞様黄斑浮腫
黄斑円孔
硝子体黄斑癒着と牽引
網膜前膜/黄斑パッカー
有髄神経線維
日光網膜症/光線網膜症
中毒性(薬剤性)黄斑症
脂質蓄積症
周辺部網膜変性
網膜分離症
網膜剥離
脈絡膜剥離
脈絡網膜ひだ
脈絡網膜欠損
増殖硝子体網膜症
中間部・周辺部ぶどう膜炎
視神経網膜炎(Leber特発性星芒状視神経網膜炎)
後部ぶどう膜炎:感染
後部ぶどう膜炎:白斑症候群
後部ぶどう膜炎:その他の炎症性疾患
後部ぶどう膜炎:評価と管理
遺伝性脈絡網膜ジストロフィ
遺伝性黄斑ジストロフィ
遺伝性硝子体網膜変性
Leber(レーベル)先天黒内障
網膜色素変性(症)
白子症
母斑症
腫瘍
悪性腫瘍症候群
CHAPTER 11:視神経と緑内障
乳頭浮腫
特発性頭蓋内圧亢進症(偽脳腫瘍)
視神経炎
前部虚血性視神経症
外傷性視神経症
その他の視神経症
先天異常
腫瘍
視交叉症候群
先天緑内障
原発開放隅角緑内障
続発開放隅角緑内障
正常(低)眼圧緑内障
CHAPTER 12:視力、屈折治療、急な視力喪失
屈折異常
屈折矯正手術の合併症
屈折矯正手術の合併症:評価と管理
椎骨脳底動脈循環不全(椎骨脳底動脈アテローム血栓性疾患)
片頭痛
輻湊不全
調節過多(調節けいれん)
機能的視力障害
一過性視力障害(一過性黒内障)
弱視
皮質盲(皮質視力障害)
視路の障害
付録
眼科の病歴と検査
米国眼科学会による眼定期検診ガイドライン
一般的な眼症状の鑑別診断
一般的な眼科薬物治療
点眼薬キャップのカラーコード
眼中毒学
各構造の測定値
人名由来の用語
一般的な眼科の略語(カルテの読み方)
よく使われるスペイン語の言い回し
索引
<序文>
本書も第4版になりました。さまざまな種類の眼科疾患を診断アトラスという形で、なるべく使いやすい簡潔なマニュアルにするという、当初からの目標は変わりません。これまでに制作した各版でも、務めてこの目標を継続し、改善を加えて内容を拡充してきました。本版では、網膜の章の大幅な拡充、臨床写真の改善、診断および管理アルゴリズムの更新などを行い、今までで最高の出来となっています。
我々はこの包括的な眼科マニュアルを大幅にアップデートし、より利用しやすく、有益で、便利なものへと変えました。特に、本書全体を通して新しい診断を追加するとともに、既存の章では最新の診断及び治療方法を反映させました。全面的に修正された章も数多くあります。さらに、研修医、フェロー、専門医に改めてレビューしてもらい、幅広い眼科医の読者層にとって、適切な内容であり続けるようにしました。さらに、図表については、新しい検査の画像〔CT/MRI スキャン、蛍光眼底血管造影、スペクトラルドメイン光干渉断層法(OCT)、眼底自発蛍光、HRT、視野検査等〕を多く追加するとともに、既存の画像の質も改善しました。
本版では、遺伝及び腫瘍の章を拡充しました。特に検査や投薬といった既存の章は、全体的にアップデートしました。索引は本書の内容をより簡単に検索できるように改善しました。付属するオンラインコンテンツには、眼科診断の動画を追加しました。動画はアクセスしやすいように、本書の中でタグ付けしてあります。
この新版が、これまでの本書の特性を余す所なく保ち続けたうえで、重要な改善が組み込まれ、医学の絶え間ない変化に対応した内容になっているものと信じています。もちろん、本書では引き続き、過去の版で得ることができた情報を得ることができます。本書が、読者のみなさんの期待を超えるものになっていることを願います。
Peter K. Kaiser MD
Neil J. Friedman MD
Roberto Pineda II MD
<監訳者序文>
本書は、米国の眼科医療における最新の標準的な診断・治療を簡潔に分かりやすく、また多くの写真を用いて解説されている。ハーバード大学眼科の医師やコメディカルをはじめ、米国において、これまで多くの研修医、専門医、勤務医、開業医により愛用されてきた。
現在、日本での眼科診療における標準的な治療は各学会から示されているガイドラインを参考に行われている。本書では日本とは異なる地域、人種、遺伝的背景により、疫学的にも同様ではなく、異なった診断と治療が示されている場合がある。本邦においても、今後さらに多様化・グローバル化する社会に対応すべく幅広い知識と技術が要求されると考えられる。そこでこのたび、本書を日本で翻訳出版する運びとなった。本書ではできるだけ英語名の記載を日本語に対応する形で残すことで、本書を見ながら英語表記にも慣れ親しんでいただく狙いがある。本版では英語版もwebで閲覧できるようにしたので活用していただきたい。また、翻訳にあたっては日本眼科学会の眼科用語集に沿いつつ原書の特徴を損なわないように行った。治療の処方については原則として原語表記としてある。
医療関係者はもちろん、内科など眼科以外の関係者にも本書を手にとって病態の理解や治療方針の検討に役立てていただきたい。
また各項目の翻訳を担当いただいた諸先生方に心より謝辞を申し上げる。本書を通して、世界に通用する日本の眼科診療のさらなる向上を願っている。
猪俣 武範・中尾 武史
本書も第4版になりました。さまざまな種類の眼科疾患を診断アトラスという形で、なるべく使いやすい簡潔なマニュアルにするという、当初からの目標は変わりません。これまでに制作した各版でも、務めてこの目標を継続し、改善を加えて内容を拡充してきました。本版では、網膜の章の大幅な拡充、臨床写真の改善、診断および管理アルゴリズムの更新などを行い、今までで最高の出来となっています。
我々はこの包括的な眼科マニュアルを大幅にアップデートし、より利用しやすく、有益で、便利なものへと変えました。特に、本書全体を通して新しい診断を追加するとともに、既存の章では最新の診断及び治療方法を反映させました。全面的に修正された章も数多くあります。さらに、研修医、フェロー、専門医に改めてレビューしてもらい、幅広い眼科医の読者層にとって、適切な内容であり続けるようにしました。さらに、図表については、新しい検査の画像〔CT/MRI スキャン、蛍光眼底血管造影、スペクトラルドメイン光干渉断層法(OCT)、眼底自発蛍光、HRT、視野検査等〕を多く追加するとともに、既存の画像の質も改善しました。
本版では、遺伝及び腫瘍の章を拡充しました。特に検査や投薬といった既存の章は、全体的にアップデートしました。索引は本書の内容をより簡単に検索できるように改善しました。付属するオンラインコンテンツには、眼科診断の動画を追加しました。動画はアクセスしやすいように、本書の中でタグ付けしてあります。
この新版が、これまでの本書の特性を余す所なく保ち続けたうえで、重要な改善が組み込まれ、医学の絶え間ない変化に対応した内容になっているものと信じています。もちろん、本書では引き続き、過去の版で得ることができた情報を得ることができます。本書が、読者のみなさんの期待を超えるものになっていることを願います。
Peter K. Kaiser MD
Neil J. Friedman MD
Roberto Pineda II MD
<監訳者序文>
本書は、米国の眼科医療における最新の標準的な診断・治療を簡潔に分かりやすく、また多くの写真を用いて解説されている。ハーバード大学眼科の医師やコメディカルをはじめ、米国において、これまで多くの研修医、専門医、勤務医、開業医により愛用されてきた。
現在、日本での眼科診療における標準的な治療は各学会から示されているガイドラインを参考に行われている。本書では日本とは異なる地域、人種、遺伝的背景により、疫学的にも同様ではなく、異なった診断と治療が示されている場合がある。本邦においても、今後さらに多様化・グローバル化する社会に対応すべく幅広い知識と技術が要求されると考えられる。そこでこのたび、本書を日本で翻訳出版する運びとなった。本書ではできるだけ英語名の記載を日本語に対応する形で残すことで、本書を見ながら英語表記にも慣れ親しんでいただく狙いがある。本版では英語版もwebで閲覧できるようにしたので活用していただきたい。また、翻訳にあたっては日本眼科学会の眼科用語集に沿いつつ原書の特徴を損なわないように行った。治療の処方については原則として原語表記としてある。
医療関係者はもちろん、内科など眼科以外の関係者にも本書を手にとって病態の理解や治療方針の検討に役立てていただきたい。
また各項目の翻訳を担当いただいた諸先生方に心より謝辞を申し上げる。本書を通して、世界に通用する日本の眼科診療のさらなる向上を願っている。
猪俣 武範・中尾 武史