専修医 石嶋くんの
眼瞼手術チャレンジノート
石嶋くんの眼瞼手術 修行ノートを大公開! 手術動画もWEB配信
著 者 |
野田 実香 / 石嶋 漢 |
定 価 |
30,800円 (28,000円+税) |
発行日 |
2017/04/15 |
ISBN |
978-4-307-35167-6 |
B5判・514頁・カラー図数:697枚
眼形成手術は難しいと思っているあなた! …内反症や下垂は整容面への配慮もあり、敷居が高い…いえいえ、そんなことはありません。眼瞼手術の全くの初心者 石嶋くんがエキスパート野田先生に師事し、眼形成外来まで任せられるようになりました。本書はその軌跡を記したマル秘ノート。あえて石嶋くんがどこで間違えたのかも残しました。さらに手術の動画もWEB配信! やる気とこの本があれば眼瞼手術はきちんとできるようになるのです。
<基本編>
I 外眼部手術に必要な知識
解剖
診察チェックリスト
記録術
インフォームド・コンセント
II 手術の準備
器具
消毒とドレーピング
針糸
III 基本手技
局所麻酔
切開
展開
止血
運針、縫合
術後管理
穿刺
救急外傷
IV 手術の適応
霰粒腫
脂肪脱
眼瞼下垂
皮膚弛緩症
眼瞼内反症、外反症
睫毛内反
睫毛乱生、睫毛重生
<実践編>
I 霰粒腫
切開術
II 脂肪脱
除去術
III 眼瞼下垂
挙筋腱膜縫着術:Anderson法
挙筋短縮術
前頭筋吊り上げ術
IV 皮膚弛緩症
瞼縁皮膚切除術
眉毛下皮膚切除術
V 眼瞼内反症、外反症
Jones法
眼輪筋短縮術
水平短縮術:Kuhnt−Szymanowski法
VI 睫毛内反
下眼瞼通糸埋没法
下眼瞼切開法
重瞼線形成術
VII 睫毛乱生、睫毛重生
毛根切除術
毛根破壊術
Lid split
再発と対策
VIII 結膜弛緩症
結膜弛緩症
IX 閉瞼不全
瞼々縫合
X 生検、病理
生検
病理
XI 眼瞼腫瘍
瞼縁腫瘤
皮膚腫瘤、皮下腫瘤
はじめに
はじめまして。石嶋です。
僕が市中病院にいて霰粒腫にもまだドキドキしていた頃、野田実香先生に出会ったのが眼瞼手術にチャレンジするきっかけでした。実香先生は常に超実践的で、いきなり術者指名を言い渡されたり、外来で気がつくとメスを持たされたりしていました。
その時とっていたメモがこの本の原型です。当然、本にするとは一切考えなしで多少間違っていようが、一人医長で苦しむのは自分なので、自分が使いやすいように、選択肢を増やすように、次一人でも出来るように、メモしていました。そのメモを僕と実香先生とで加筆・修正したのがこの本です。僕の間違いや失敗はあえて見えるようにして、初心者がどこでつまずきやすいかがわかるように工夫しました。
今は北海道大学で実香先生の後任として眼形成外来を任されています。何も知らない所から曲がりなりにも責任者としてまで叩き上げられたわけです。実香先生もよく諦めず鍛えてくれたなあと思いますが、案外この本の為だったかもしれません。そういえば僕がミスると嬉しそうだった気がします。順調に手術が終わると「つまんない」と言われた事も思い出しました。
僕のミスも失敗も全部ここに詰まっています。脳外科、形成外科、皮膚科、耳鼻科の先生方と眼科で手術をする時も野田実香+石嶋で入り初めて見る術野にワクワクしたものでしたが、その時も実香先生は「この道具眼科でも使えそう」と新たな工夫に余念がありませんでした。
今は全国股にかけて弟子を増産中の実香先生ですが、この間はミャンマーに医療ボランティアで行っていました。我が師匠はミャンマーでも弟子を作りかねません。
この本は色んな人が参加し助けてもらい形になりました。
疲れた時に「飲みに行く?」と誘ってくれた時計台の古館先生、出来上がったばかりのボックスティッシュの瞼板模型を持たされた杉戸さん、モデルの鈴木さん、「先生!ここだけ半角になってます!」と思わぬ校正の才能を発揮した水門先生、同期の野崎先生、休みをけずって眼瞼のナイスな表紙を描いてくれた水内先生、遅い原稿を待ってくれた編集者の中立さんの写真をデスクトップにして頑張ったのはいい思い出です。休日の仕事にも快く支えてくれた家族に感謝を! 最後に師匠である実香先生に最大のありがとうございます! を送ります。
こう書くと最後みたいですが間違いなく近い学会で眼瞼の話や近況報告もします。学会で会って立ち話で1時間とかやりましたね。なんで我々はいつも立って話すことが多いんでしょうか? クセでしょうか? 先生立ったまま下垂の手術してましたよね? 先生の座りにくい健康になる椅子はまだ医局にあります。たまに子どもが座って遊んでます。
2017年3月
石嶋 漢
☆この本を手に取ってくださった先生方へ
眼形成は手を出す症例を選べば非常に喜ばれる技術です。難症例や複雑な再建に手を出さなくても、一人医長こそ役に立てる技術と思います。多くの先生方に患者さんからの「ありがとう」を実感して頂けたら嬉しいです!