口唇口蓋裂のチーム医療
監 |
高戸毅 |
定 価 |
4,180円 (3,800円+税) |
発行日 |
2005/10/10 |
ISBN |
978-4-307-37079-0 |
B5判・208頁
口唇口蓋裂の治療には,口腔外科医,形成外科医,矯正歯科医,
補綴歯科医,耳鼻咽喉科医,言語聴覚士など,多くの領域にまたがる専門家によるチーム医療が必要で,出生から成人に至までの成長発育の適切な時期に,適切な治療が行われる必要がある。
本書は,一般的な医学的・歯学的知識はもつものの,口唇口蓋裂に関してはこれから学ぼうとする方々を主な対象とし,治療についてより深く知りたい患者様や,そのご両親が読まれても理解できるものを目指した。そのため,専門用語については,できるだけわかりやすく解説するとともに,図やシェーマを用いて,専門が異なっていても理解しやすいよう,できるだけ平易な内容に編集した。また,治療の実際については,それぞれの領域で行われている一般的な内容を踏まえたうえで,東京大学医学部附属病院において行っている治療を中心に述べた。
口唇口蓋裂の治療への理解を高めるうえで,本書をお役立ていただきたい。
おもな内容
口唇口蓋裂とは
口唇口蓋裂の裂型分類/解剖/発生学/原因/発生頻度/口唇口蓋裂を合併する症候群
診断から初回手術まで
出生前診断/両親へのカウンセリング/哺乳と術前顎矯正
口唇口蓋裂の初回手術
口唇形成術/口蓋形成術
ことばの問題
口蓋裂言語とは/口蓋裂における評価,診断/口蓋裂の言語治療
鼻咽腔閉鎖機能不全の手術治療
再口蓋後方移動術(re-pushback法)/咽頭弁形成術/瘻孔閉鎖術
顎発育と咬合
口唇口蓋裂患者の顎と咬み合わせ/歯科矯正治療を行うための診査・検査/治療装置/治療方法の選択と開始時期
顎裂部骨移植
顎裂部骨移植手術/骨移植前後の歯科矯正治療
顎矯正手術
顎矯正手術の術式/顎矯正手術前後の歯科矯正治療
二次修正術
成長発育期の修正術/成長終了後の修正術
口唇口蓋裂患者の補綴治療
歯冠補綴/固定性補綴/可撤性補綴−義歯−/発音補助装置
口腔衛生管理
口唇口蓋裂患者の口腔衛生/口腔清掃用具/ブラッシング
耳鼻咽喉科治療 〜口蓋裂症例の滲出性中耳炎〜
滲出性中耳炎とは/罹患率/成長に伴う変化/成因/口蓋形成術の影響/治療
健康保険および育成医療,更生医療の適用について
健康保険制度/育成医療制度/更生医療制度
読者対象
口腔外科,歯科,形成外科,言語聴覚士(および学生),耳鼻咽喉科,看護師,患者