知っておきたい爪の知識と病気
すべての疑問を解決します!
爪の病気の知識について簡単に手に取って読める実用的な内容!
著 者 |
東 禹彦 |
定 価 |
3,080円 (2,800円+税) |
発行日 |
2022/05/23 |
ISBN |
978-4-307-40060-2 |
A5判・152頁・カラー図数:100枚
ベストセラー『爪―基礎から臨床まで』の著者、東先生の簡単に手に取って読めるわかりやすい新作。日常生活においては爪そのものに原因のある病気がたくさんある。そのような爪の病気を治したり、予防するためには爪そのものについての知識をもつことが大切。身近な爪の役割や爪の切り方から爪の様々な病気まで、イラストや写真を使って原因や治療法をわかりやすく解説。爪の変化にいち早く気づき必要な対応がわかる頼れる1冊!
【関連書籍】爪 第2版 基礎から臨床まで
はじめに
1 爪とは
2 爪の構造
3 爪の計測
1 爪甲の成長速
2 爪甲の長
3 爪甲の厚
4 爪甲の成
5 爪の年齢による変化─小爪、爪花、縦じわ
4 爪の役割
1 爪甲は指・趾先端を護っている
2 爪甲は指・趾の形を整えている
3 爪甲は指・趾の屈側に加わる力を支えている
4 爪甲は細かい仕事をするのを助けている
5 爪甲は痒い場所を掻くことができる
6 爪甲は人を攻撃するときの武器にな
5 爪の正しい切り方
6 指・趾爪の切り方が悪いために起きる変化
1 指先の皮膚の荒れ
2 爪が反り返ってくる:匙状爪
3 指先の形が悪くなる
4 足の第1趾に起きる陥入爪は深爪が原因
5 第1趾先端の痛みは深爪が原因
7 爪の根元を触るために起きる爪の変化
8 爪甲縦裂症
9 爪の色が変わった
1 白っぽい爪から白く濁った爪まで
2 緑色の爪
3 褐色から黒色の着色
4 赤色から黒色の着色
10 全身的な影響による爪の変化
1 ばち状指
2 爪甲層状分裂症
3 黄色爪
4 薬剤による爪の変化
5 爪郭部の変化
11 先天性の爪の異常(生まれつきの爪の変形)
1 ラケット爪(貝爪)
2 先天性示指爪甲形成異常症
3 第4趾爪甲前方彎曲症
12 陥入爪(かんにゅうそう)と巻き爪
1 陥入爪
(1)爪母側縁除去法
(2)爪甲の彎曲を矯正する方法
(3)アクリル人工爪療法
2 巻き爪
(1)超弾性ワイヤー法
(2)器具を用いる矯正法
(3)ペディグラス法
(4)アクリル人工爪療法
(5)爪甲除去術による矯正
13 爪甲鉤彎症(そうこうこうわんしょう)
1 症状
2 罹患者の年齢
3 どうして爪甲鉤彎症になるのか
4 治療
14 多重爪
15 レトロニヒア(後爪郭部爪刺し)
16 足と靴
17 爪白癬(つめみずむし)
1 症状
2 診断
3 爪白癬の組織所見
4 爪白癬を治療する必要性
5 治療薬
6 治療例
18 爪カンジダ症
1 カンジダ性慢性爪郭炎
2 カンジダ性爪甲?離症
3 爪甲カンジダ症
19 雑真菌による爪真菌症
20 白癬菌とカンジダ
21 ひょう疽(細菌感染の一種)
22 爪甲剥離症
1 接触皮膚炎による爪甲剥離症
2 尋常性乾癬による爪甲剥離症
3 多数の爪に爪甲剥離を生じる
23 炎症による肥厚爪
24 爪噛み癖
25 爪乾癬(尋常性乾癬に伴う爪の変化)
26 爪扁平苔癬
27 20爪異栄養症
28 「爪」という字
29 マニキュアと女性
1 マニキュアの歴史
2 現代のマニキュア
3 スカルプチュア(人工爪、義爪)とジェルネイル
30 爪部の良性腫瘍
1 爪の周囲の疣贅(イボ)
2 指粘液嚢腫
3 爪周囲の線維腫
4 グロムス腫瘍
5 爪下外骨腫
6 類骨骨腫
7 その他の爪甲下良性腫瘍
31 爪の悪性腫瘍
1 有棘細胞癌(皮膚癌)
2 悪性黒色腫(メラノーマ)
あとがき
索引
<はじめに>
わたくしは昭和38(1963)年に皮膚科医となりました。その後、まもなく爪の病気に取り組むようになり、すでに58年が経ちます。その間、一般向けの本として『爪』を日本書籍から昭和55(1980)年に出版しました。ついで『爪はあなたのホームドクター』を清風堂書店から平成4(1992)年に、『爪は病気の警報機』平成9(1997)年にNON BOOKの1冊として祥伝社から出版しています。これらの本は出版社の意向もあり、全身疾患との関係を重視した内容になっていまた。
爪の色の変化や形の変化から、全身の病気が見付かるということがよく言われています。しかし、日常生活においては、爪そのものに原因のある病気がたくさんあります。そのような爪の病気を治したり、予防するためには爪そのものについての知識を広めることが大事ではないかと考えています。
日本語では「爪甲」と言いますが、中国語では「指甲」と書きます。この意味は「甲」は兜を意味しますから、多分爪甲は指を護る道具ということを意味していると考えています。しかし、爪の役割、すなわち手の指や足の趾を護る道具であるということを理解しないで、爪を虐待している人が多いことに驚いています。
この本では身近な爪の役割や爪の切り方などからはじめて、爪の様々な病気を中心にイラストや写真を使って原因や治療法について記すことにして、皆様のお役に立つようにしたつもりです。しかし、全身的な影響による爪の変化についても、少しだけ触れることにしました。
一般向けとは言いましても、医師、看護師、介護に従事する人にも十分役立つものと考えています。
皆様のお役にたてば、これに勝る喜びはありません。
令和4年4月10日
著者 東 禹彦