皮膚がん取扱い規約 第3版
約16年ぶりの改訂。TNM分類第9版に準拠した最新の指針!
| 編 集 |
日本皮膚悪性腫瘍学会 |
| 協 力 |
日本皮膚病理組織学会 |
| 定 価 |
7,480円 (6,800円+税) |
| 発行日 |
2026/02/20 |
| ISBN |
978-4-307-40063-3 |
B5判・140頁・図数:1枚・カラー図数:67枚
前版から約16年が経過し、皮膚がん診療の領域では診断や検体取扱いにおいて多くの進歩がみられた。課題であったガイドラインとの明確な役割分担にも対応している。また、他臓器の取扱い規約との整合性を踏まえ「皮膚悪性腫瘍取扱い規約」から「皮膚がん取扱い規約」に名称変更した。目次構成も全面的に見直し、病理写真を刷新した。TNM分類第9版に準拠し、最新の指針に基づく内容となっている。皮膚がん診療の現場において必携の一冊。
I.病理依頼書・報告書
1.病理依頼書の書き方
2.病理報告書の書き方
1)メラノーマ
2)有棘細胞癌(眼瞼例を除く)
3)基底細胞癌(眼瞼例を除く)
4)乳房外パジェット病
5)皮膚付属器癌(基底細胞癌、乳房外パジェット病、眼瞼皮膚癌を除く)
6)眼瞼皮膚癌(メルケル細胞癌を除く)
7)メルケル細胞癌
8)皮膚肉腫
9)皮膚リンパ腫
II.病期分類
1.皮膚メラノーマ
2.皮膚癌(頭頸部、眼瞼、肛囲、外陰部、陰茎を除く)
3.頭頸部皮膚癌
4.眼瞼皮膚癌
5.肛囲皮膚癌
6.外陰部皮膚癌
7.陰茎皮膚癌
8.メルケル細胞癌
9.乳房外パジェット病
10.四肢・躯幹浅部の肉腫
11.頭頸部の肉腫
12.菌状息肉症・セザリー症候群
13.菌状息肉症・セザリー症候群以外の皮膚T 細胞リンパ腫と.皮膚B 細胞リンパ腫
III.検体の取扱い
1.生検検体の取扱い
1)生検とは
2)生検部位の選択基準
3)生検方法
4)固定方法
5)切り出し方法
2.手術検体の取扱い
1)手術検体の種類
2)固定前までの手術検体処理方法
3)固定方法
4)切り出し方法
3.センチネルリンパ節生検検体の取扱い
1)検体処理方法
2)報告方法
3)免疫染色の活用
4.リンパ節郭清検体の取扱い
1)検体処理方法
2)報告方法
3)免疫染色の活用
IV.肉眼的・組織学的所見の評価方法
1.腫瘍径の測定方法
2.潰瘍の有無の判定方法
3.癌細胞の間質浸潤の有無の判定方法
4.Clark レベルの評価方法
5.腫瘍厚の測定方法
6.浸潤深度の測定方法
7.衛星転移とイントランジット転移の判定方法
8.神経浸潤の有無の判定方法
9.腫瘍の消退現象の判定方法
V.皮膚腫瘍の組織型分類
1.色素細胞腫瘍
2.表皮角化細胞腫瘍
3.皮膚付属器腫瘍
4.爪部上皮性腫瘍
5.その他の上皮性腫瘍
6.軟部腫瘍
7.免疫細胞/造血細胞腫瘍
VI.代表的な皮膚がんの解説
1.メラノーマ
1)低CSD 型メラノーマ
2)高CSD 型メラノーマ
3)末端型メラノーマ
4)スピッツメラノーマ
2.癌腫
1)有棘細胞癌
2)基底細胞癌
3)乳房外パジェット病
4)汗孔癌
5)脂腺癌
6)メルケル細胞癌
3.悪性軟部腫瘍
1)隆起性皮膚線維肉腫
2)粘液線維肉腫
3)血管肉腫
4)異型線維黄色腫および皮膚多形肉腫
4.皮膚T 細胞リンパ腫
1)菌状息肉症
2)原発性皮膚未分化大細胞型リンパ腫
5.皮膚B 細胞リンパ腫
1)原発性皮膚びまん性大細胞型B 細胞リンパ腫、下肢型
2)原発性皮膚辺縁帯リンパ腫
3)原発性皮膚濾胞中心リンパ腫
第3版 序
前版の『皮膚悪性腫瘍取扱い規約 第2版』の刊行は2010年8月に遡り、既に15年以上が経過した。この間、皮膚がん診療の領域では、診断や検体取扱いにおいて多くの進歩がみられた。また、前版までは診療ガイドラインに掲載すべき記述も多く含まれていたことから、ガイドラインとの明確な役割分担が求められていた。さらに、前版までは皮膚科医のみが作成・改訂を担っており、他臓器の取扱い規約との整合性が十分ではないとの指摘もあって、病理医の参画による改訂が強く望まれていた。
前版まで使用されていた「皮膚悪性腫瘍」という表現を、他臓器の取扱い規約との整合性や表現の適切性を踏まえて「皮膚がん」へ改めた上で、『皮膚がん取扱い規約 第3版』の改訂作業(実質的には作成作業)は2023 年9 月に開始された。改訂委員には日本皮膚悪性腫瘍学会のみならず、日本皮膚病理組織学会からも委員が選出され、多くの病理医、皮膚科医、形成外科医の協力のもと作業が進められた。また、皮膚がん診療ガイドライン改訂委員とも緊密に連携し、内容の重複を避けるとともに、用語の統一にも細心の注意を払った。これらの取り組みにより、本版は実臨床における皮膚がんの取扱いに特化し、より簡潔で利用しやすい内容となっている。
改訂委員の尽力により、2024年末には本版の改訂作業は概ね完了していた。しかし、UICC(Union for International Cancer Control)によるTNM分類 第9版の刊行を待ち、その内容に準拠した上で発刊する方針としたため、結果として刊行が1年以上遅れることとなった。ただし、この対応により、本版を最新の指針に基づく内容にすることができたと考えている。
本版が皮膚がんの日常診療の現場で広く活用され、診療の向上に寄与することを、委員一同、心より願っている。
2025年12月
日本皮膚悪性腫瘍学会
皮膚がん取扱い規約改訂委員会
委員長 安齋 眞一 他委員一同