急性陰嚢症診療ガイドライン 2014年版
思春期男子に好発する精巣捻転症について標準的な診断・治療を示した初のガイドライン。
編 集 |
日本泌尿器科学会 |
定 価 |
2,090円 (1,900円+税) |
発行日 |
2014/10/01 |
ISBN |
978-4-307-43055-5 |
B5判・50頁・図数:11枚・カラー図数:1枚
急性陰嚢症は思春期男子に好発する疼痛を主症状とする疾患で、直接生命を脅かすものではないが、適切な診療指針がなかったために、必ずしも標準的な診断・治療が行われてはいなかった。迅速かつ適切な診断と治療を行わないと、精巣を失うことにもなりかねないため、泌尿器科医はもちろん、かかりつけの一般医家の先生方にも役立つ診療ガイドラインの整備が求められていた。本書は、医療現場の要望に応えたわが国独自の価値あるガイドラインである。外来に常備して,必要時に上手く活用していただきたい。
ガイドライン総説
1.本ガイドライン作成の目的と対象疾患、利用者について
2.作成委員および外部評価委員について
3.エビデンスおよびエビデンスの検索方法と検索時期
4.改訂の予定について
5.作成のための資金源と委員との利益相反について
第1章 急性陰嚢症の解剖学的事項
1.陰嚢の膜構造と内容の解剖
2.捻転の解剖学的異常
1●鞘膜外捻転(extravaginal torsion)
2●鞘膜内捻転(intravaginal torsion)
3●停留精巣と捻転
3.精巣および精巣上体の付属小体の発生と捻転
第2章 疫学的事項
1.精巣捻転症の発症頻度
2.年齢
3.発症時間
4.発症側
5.気候による影響
第3章 臨床症状
1.疼痛
2.悪心・嘔吐
3.発熱・下部尿路症状
第4章 身体所見
1.陰嚢皮膚の所見
2.精巣の位置
3.精巣挙筋反射(cremaster reflex)
4.Prehn徴候
5.精巣の腫脹
第5章 検査所見
1.尿所見
2.血液所見
3.ドプラ血流計
第6章 画像診断
1.超音波断層法
2.精巣シンチグラフィー
3.MRI
第7章 精巣捻転症との鑑別診断
1.陰嚢外傷
2.特発性陰嚢浮腫
3.Henoch-Schonlein紫斑病
4.新生児の鞘膜外精巣捻転症と精巣腫瘍
第8章 治療
1.非観血的治療(用手的整復)
2.手術
●精巣固定術
3.付属小体捻転症の治療
4.精巣上体炎の治療
5.精巣捻転発症後のフォローアップ
第9章 急性陰嚢症の啓発
第10章 診療アルゴリズム
1.泌尿器科医用アルゴリズム
2.一般医家・小児科医用アルゴリズム
おわりに
索引