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精巣癌診療ガイドライン 2024年版 第3版
2015年以来の改訂! エビデンス評価、推奨グレードを変更。
2015年以来の改訂。前版より書名を一部変更し『精巣癌診療ガイドライン』とした。エビデンスの確実性、推奨グレードを4段階で評価した。十分なコンセンサスが得られている事項は総論として記載し、議論の余地が残る重要臨床事項については13のClinical Question(CQ)、保険未承認の新規診断法や治療法については2つのFuture Research Question(FRQ)として記載した。
序章
1 本ガイドラインについて
2 TNM 分類
3 アルゴリズムおよび表
・疫学・診断
1 疫学と危険因子
2 画像診断
CQ 1 精巣癌の病期診断において、どのような画像検査法が推奨されるか?
CQ 2 進行性セミノーマに対する化学療法後の残存癌の検索において、FDG-PETは推奨されるか?
3 画像以外の診断法および予後分類
CQ 3 進行性精巣癌の予後予測に、どのような分類が推奨されるか?
FRQ 1 精巣癌の診療プロセスにおいて、陰嚢疾患患者における精巣癌の診断、および治療後の再発の有無や化学療法後の残存病変の予測判定にmicro RNAは有用か?
4 病理診断
・治療
1 各病期における治療法の概要
2 妊孕性温存療法
3 放射線療法
CQ 4 Stage・セミノーマの術後補助放射線療法は、経過観察、術後補助化学療法と比較して再発予防に推奨されるか?
4 導入化学療法
CQ 5 予後中間〜不良群の転移性精巣癌患者に対し効果増強を目的とした導入化学療法として、イホスファミドやパクリタキセルを使用したレジメンや大量化学療法はBEP療法よりも推奨されるか?
CQ 6 ブレオマイシンの投与が望ましくない転移性精巣癌患者に対し、EP療法やVIP療法はBEP療法と比べ推奨できるか?
5 救済化学療法
CQ 7 救済化学療法として、パクリタキセルを含む多剤併用レジメンは推奨されるか?
CQ 8 救済化学療法として、ゲムシタビンやイリノテカンを含むレジメンは推奨されるか?
FRQ 2 救済療法として免疫チェックポイント阻害薬は推奨されるか?
6 手術療法
CQ 9 進行性非セミノーマ症例の後腹膜リンパ節転移に対する化学療法後の1cm未満の残存リンパ節は摘除すべきか?
CQ 10 化学療法後の残存腫瘍に対する後腹膜リンパ節郭清では全例広汎郭清を行うべきか?(鏡視下RPLNDを含む)
CQ 11 化学療法後の残存腫瘍摘除で病理学的に癌細胞を認めた場合、追加化学療法は推奨されるか?
CQ 12 残存肺転移は両側とも摘除すべきか?(一側がすべて壊死の場合、対側の肺摘除は省略できる?)
CQ 13 晩期再発例に対して、即座に腫瘍摘除を行うべきか?
・経過観察
経過観察法
・その他の腫瘍
1 性腺外胚細胞腫瘍
2 体細胞型悪性腫瘍を伴う奇形腫
・有害事象
1 化学療法による晩期有害事象
2 放射線療法による晩期有害事象
3 後腹膜リンパ節郭清による晩期有害事象
・QOL
QOL評価
AGREE・評価表
1 本ガイドラインについて
2 TNM 分類
3 アルゴリズムおよび表
・疫学・診断
1 疫学と危険因子
2 画像診断
CQ 1 精巣癌の病期診断において、どのような画像検査法が推奨されるか?
CQ 2 進行性セミノーマに対する化学療法後の残存癌の検索において、FDG-PETは推奨されるか?
3 画像以外の診断法および予後分類
CQ 3 進行性精巣癌の予後予測に、どのような分類が推奨されるか?
FRQ 1 精巣癌の診療プロセスにおいて、陰嚢疾患患者における精巣癌の診断、および治療後の再発の有無や化学療法後の残存病変の予測判定にmicro RNAは有用か?
4 病理診断
・治療
1 各病期における治療法の概要
2 妊孕性温存療法
3 放射線療法
CQ 4 Stage・セミノーマの術後補助放射線療法は、経過観察、術後補助化学療法と比較して再発予防に推奨されるか?
4 導入化学療法
CQ 5 予後中間〜不良群の転移性精巣癌患者に対し効果増強を目的とした導入化学療法として、イホスファミドやパクリタキセルを使用したレジメンや大量化学療法はBEP療法よりも推奨されるか?
CQ 6 ブレオマイシンの投与が望ましくない転移性精巣癌患者に対し、EP療法やVIP療法はBEP療法と比べ推奨できるか?
5 救済化学療法
CQ 7 救済化学療法として、パクリタキセルを含む多剤併用レジメンは推奨されるか?
CQ 8 救済化学療法として、ゲムシタビンやイリノテカンを含むレジメンは推奨されるか?
FRQ 2 救済療法として免疫チェックポイント阻害薬は推奨されるか?
6 手術療法
CQ 9 進行性非セミノーマ症例の後腹膜リンパ節転移に対する化学療法後の1cm未満の残存リンパ節は摘除すべきか?
CQ 10 化学療法後の残存腫瘍に対する後腹膜リンパ節郭清では全例広汎郭清を行うべきか?(鏡視下RPLNDを含む)
CQ 11 化学療法後の残存腫瘍摘除で病理学的に癌細胞を認めた場合、追加化学療法は推奨されるか?
CQ 12 残存肺転移は両側とも摘除すべきか?(一側がすべて壊死の場合、対側の肺摘除は省略できる?)
CQ 13 晩期再発例に対して、即座に腫瘍摘除を行うべきか?
・経過観察
経過観察法
・その他の腫瘍
1 性腺外胚細胞腫瘍
2 体細胞型悪性腫瘍を伴う奇形腫
・有害事象
1 化学療法による晩期有害事象
2 放射線療法による晩期有害事象
3 後腹膜リンパ節郭清による晩期有害事象
・QOL
QOL評価
AGREE・評価表
<2024年版の作成にあたって>
今回、日本泌尿器科学会より刊行された『精巣癌診療ガイドライン 2024年版』は、『精巣腫瘍診療ガイドライン 2015年版』に新たな改訂を加えたものです。本ガイドラインは 2015年版以降に得られた最新のエビデンスに基づき、精巣癌診療における様々な局面での指針を示す大変実践的な内容となっています。そのため、本版から精巣腫瘍診療ガイドラインを改名して『精巣癌診療ガイドライン』といたしました。本ガイドラインは 2015年版作成以後に刊行された『 Minds診療ガイドライン作成マニュアル』 2017年版および 2020年版に準拠して作成しました。今回行った主な改変ポイントは以下の通りです。
・エビデンス評価、推奨グレードの変更
『Minds診療ガイドライン作成マニュアル』に従い、エビデンスの評価はシステマティックレビューの方法を用いて行いエビデンス総体のエビデンスの確実性(強さ)を 4段階で評価しました。同様に推奨グレードも 4段階で評価しました。
・総論の拡充および CQの変更
2015年版は主にクリニカルクエスチョン(clinical question、 CQ)で構成されていましたが、本改訂版では各項目で十分なコンセンサスが得られている事項については総論として記載しました。議論の余地が残る重要臨床事項については従来のように臨床質問を作成し、CQとして記載しました。これに伴い 2015年版では 30個であった CQは 13個となりました。また、保険未承認の新規診断法や治療法についても 2項目の臨床質問を作成しましたが、これらは CQではなくFuture Research Question(FRQ)として記載しました(後述)。
本ガイドラインはあくまで、わが国における現時点での標準的と考えられる診療を示したものであって、強制力を持つものではありません。しかし、医療が多様化するにあたって、診療の均てん化に寄与するものと考えます。最後に、本改訂版を発刊するにあたり、ご多忙の中文献の吟味や本文作成、評価をいただきました作成委員および協力委員の先生方、外部評価委員の先生方に感謝申し上げます。本ガイドラインはさらに 5年後をめどに改訂する予定ですが、より充実したガイドラインとなるためにも、お気づきの点やご意見がございましたら、本ガイドライン作成委員または日本泌尿器科学会までご進言いただければ幸いです。
令和6年1月
精巣癌診療ガイドライン 2024年版・改訂委員長
河合 弘二
<第3版 序>
このたび、河合弘二先生を作成委員長として、精巣腫瘍診療ガイドラインを 9年振りに改訂いたしました。本ガイドラインは 2015年版以降に得られた最新のエビデンスに基づき、診断から初期・二次治療およびフォローアップに至るまで精巣癌診療における様々な局面での指針を示す大変実践的な内容となっています。そのため、本版から精巣腫瘍診療ガイドラインを改名して『精巣癌診療ガイドライン』といたしました。また本ガイドラインは、最新のMinds診療ガイドライン作成マニュアルに基づき、より体系的かつ透明性が担保されたプロセスを以て作成されました。その結果、クリニカルクエスチョン(clinical question:CQ)は重要臨床事項に絞って設定されており、 CQの数は前版の 30個から 13個と減少しておりますが、それを補完する形で多くの臨床情報が総論に記載されております。精巣癌の診療に関わる全ての医療者にとって極めて有用なガイドラインが完成したものと確信しております。精巣癌は若年に罹患のピークを有し、かつ極めて進行が早いという特徴があり、人生の岐路に立たされた患者さんの診療方針を導くにあたっては、極めて重要な社会的責務が伴っております。一方で精巣癌はそう頻度の高い疾患ではなく、臨床病期や腫瘍マーカーの動向などによって複雑な診療アルゴリズムを有しており、方針決定においては迅速かつ正確な判断が求められます。泌尿器科の先生方におかれましては、ぜひ本ガイドラインを活用していただき、精巣癌診療に役立てていただければと思います。最後になりますが、ご多忙の中、本ガイドラインの作成にご尽力いただきました作成委員ならびに外部評価委員の先生方、そしてご協力いただいた全てのスタッフの皆様に厚く御礼申し上げます。
令和6年1月
一般社団法人日本泌尿器科学会理事長
江藤 正俊
今回、日本泌尿器科学会より刊行された『精巣癌診療ガイドライン 2024年版』は、『精巣腫瘍診療ガイドライン 2015年版』に新たな改訂を加えたものです。本ガイドラインは 2015年版以降に得られた最新のエビデンスに基づき、精巣癌診療における様々な局面での指針を示す大変実践的な内容となっています。そのため、本版から精巣腫瘍診療ガイドラインを改名して『精巣癌診療ガイドライン』といたしました。本ガイドラインは 2015年版作成以後に刊行された『 Minds診療ガイドライン作成マニュアル』 2017年版および 2020年版に準拠して作成しました。今回行った主な改変ポイントは以下の通りです。
・エビデンス評価、推奨グレードの変更
『Minds診療ガイドライン作成マニュアル』に従い、エビデンスの評価はシステマティックレビューの方法を用いて行いエビデンス総体のエビデンスの確実性(強さ)を 4段階で評価しました。同様に推奨グレードも 4段階で評価しました。
・総論の拡充および CQの変更
2015年版は主にクリニカルクエスチョン(clinical question、 CQ)で構成されていましたが、本改訂版では各項目で十分なコンセンサスが得られている事項については総論として記載しました。議論の余地が残る重要臨床事項については従来のように臨床質問を作成し、CQとして記載しました。これに伴い 2015年版では 30個であった CQは 13個となりました。また、保険未承認の新規診断法や治療法についても 2項目の臨床質問を作成しましたが、これらは CQではなくFuture Research Question(FRQ)として記載しました(後述)。
本ガイドラインはあくまで、わが国における現時点での標準的と考えられる診療を示したものであって、強制力を持つものではありません。しかし、医療が多様化するにあたって、診療の均てん化に寄与するものと考えます。最後に、本改訂版を発刊するにあたり、ご多忙の中文献の吟味や本文作成、評価をいただきました作成委員および協力委員の先生方、外部評価委員の先生方に感謝申し上げます。本ガイドラインはさらに 5年後をめどに改訂する予定ですが、より充実したガイドラインとなるためにも、お気づきの点やご意見がございましたら、本ガイドライン作成委員または日本泌尿器科学会までご進言いただければ幸いです。
令和6年1月
精巣癌診療ガイドライン 2024年版・改訂委員長
河合 弘二
<第3版 序>
このたび、河合弘二先生を作成委員長として、精巣腫瘍診療ガイドラインを 9年振りに改訂いたしました。本ガイドラインは 2015年版以降に得られた最新のエビデンスに基づき、診断から初期・二次治療およびフォローアップに至るまで精巣癌診療における様々な局面での指針を示す大変実践的な内容となっています。そのため、本版から精巣腫瘍診療ガイドラインを改名して『精巣癌診療ガイドライン』といたしました。また本ガイドラインは、最新のMinds診療ガイドライン作成マニュアルに基づき、より体系的かつ透明性が担保されたプロセスを以て作成されました。その結果、クリニカルクエスチョン(clinical question:CQ)は重要臨床事項に絞って設定されており、 CQの数は前版の 30個から 13個と減少しておりますが、それを補完する形で多くの臨床情報が総論に記載されております。精巣癌の診療に関わる全ての医療者にとって極めて有用なガイドラインが完成したものと確信しております。精巣癌は若年に罹患のピークを有し、かつ極めて進行が早いという特徴があり、人生の岐路に立たされた患者さんの診療方針を導くにあたっては、極めて重要な社会的責務が伴っております。一方で精巣癌はそう頻度の高い疾患ではなく、臨床病期や腫瘍マーカーの動向などによって複雑な診療アルゴリズムを有しており、方針決定においては迅速かつ正確な判断が求められます。泌尿器科の先生方におかれましては、ぜひ本ガイドラインを活用していただき、精巣癌診療に役立てていただければと思います。最後になりますが、ご多忙の中、本ガイドラインの作成にご尽力いただきました作成委員ならびに外部評価委員の先生方、そしてご協力いただいた全てのスタッフの皆様に厚く御礼申し上げます。
令和6年1月
一般社団法人日本泌尿器科学会理事長
江藤 正俊
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