精神看護学
初学者のよき導きとなるだけでなく、実践者の看護にも寄与!
監 |
高橋 照子 |
定 価 |
3,630円 (3,300円+税) |
発行日 |
2006/04/15 |
ISBN |
978-4-307-70185-3 |
B5判・228頁
特色
■人間の最も本来的な心身の不可分性を見据えて、心の健康にかかわる看護を専門とする精神看護学は、単に精神疾患をもつ人の看護に焦点があるのではなく、いかなる身体疾患の看護においても必要な知識を提供する。本書はこうした考えに基づいて刊行された。
■学生、実践の場にある若い看護者はもちろん、ベテラン看護者にとっても、患者や家族、自らのメンタルヘルスを考える上で、参考になる。
■精神看護学の教科書が、長い間医師らによって刊行されてきた中で、全員看護者による執筆によっている。
■執筆者全員で、わが国で刊行されている精神看護学関連の教科書すべてを分析・検討して、内容を決定した。
■読者は、各章の「学習のねらい」を参考に読み進めることもできるし、本文の横に抜き出してある注釈を読むことで、確かな知識を得ることができる。また、コラム“For You”で、さらなる知識を深めることもできる。
目 次
■第1章 精神看護学とは
◆精神看護学と精神看護
◆精神看護学の役割と機能
◆精神看護学の展望
■第2章 精神看護の基礎
◆心の健康
人間の心の健康/心の動き/発達課題と心の危機
◆人間関係と心の健康
人間関係とは/人間関係とパーソナリティの発達/情緒発達と対象関係/人間関係のダイナミクス
◆生活と心の健康
精神的危機とは/生活の場と精神的危機
■第3章 精神看護の理念
◆精神保健福祉の理念と看護の責務
◆精神保健医療の変遷と現在の課題
日本における精神保健医療と看護の歴史的変遷/諸外国における精神保健医療の変遷/精神看護をめぐる法と現在の課題
◆精神看護と権利擁護
精神障害に対するとらわれ/精神障害者の権利擁護
◆精神看護の基盤となる概念・モデル
健康・不健康の考え方/正常と異常/精神看護に関連する考え方
■第4章 精神看護の展開
◆精神看護と精神看護者の役割
精神看護とは/精神看護の対象/精神看護のめざすもの /精神看護者の役割 /精神医療と多職種チーム
◆治療的関係とコミュニケーション
治療的関係とは/治療的関係における自己活用/治療的コミュニケーションと非治療的コミュニケーション
◆患者―看護者関係
患者―看護者関係の基盤/患者―看護者関係の発展段階/プロセスレコードの活用
◆心を病む人の理解と援助
心を病む人の理解/心を病む人のアセスメント/対人交流・生活技術への支援/セルフケアへの支援
◆治療的環境
治療的環境とは/治療的環境の調整/回復促進と自立支援
◆治療効果を高める援助
身体面への治療と援助/精神面への治療と援助/社会面への治療と援助
■第5章 症状マネージメント
◆症状マネージメントとは
◆不安・緊張状態にある人への援助
◆抑うつ状態にある人への援助
◆引きこもり状態にある人への援助
◆興奮・攻撃・躁状態にある人への援助
◆幻覚・妄想のある人への援助
◆強迫・儀式行動のある人への援助
◆拒否・否定状態にある人への援助
◆操作的状態にある人への援助
◆自傷・自殺企図のある人への援助
◆嗜癖行動のある人への援助
◆せん妄・認知症のある患者への援助
■第6章 地域生活への支援
◆精神障害者への援助
看護とエンパワーメント/エンパワーメントの経過/エンパワーメントへの援助
◆家族への援助
精神障害者をもつ家族の理解/当事者の支援者としての家族/家族を支援する看護者の役割
◆精神科リハビリテーション
精神科リハビリテーションとは/精神科リハビリテーション看護
◆地域の社会資源
医療サービスの法的背景/精神保健福祉の行政機関/精神障害者の支援活動/精神保健福祉サービスの提供者/精神障害者のケアマネージメント
■第7章 ヘルスケア実践における心の健康
◆コンサルテーション・リエゾン精神看護
コンサルテーションとは/精神保健コンサルテーション・リエゾン/コンサルテーション・リエゾン精神看護の役割
◆高度医療における心の健康
高度医療をめぐる生命倫理・人権擁護/高度医療の場における看護者の役割
◆難病患者とその家族の心の健康
難病患者とその家族の心理/神経性難病患者とその家族/エイズ患者とその家族
◆性をめぐる心の健康
性の健康と障害の概念 /性をめぐる健康問題/看護実践をめぐる性とジェンダー
◆医療者の心の健康
医療の場と心の健康/看護者のメンタルヘルス
■付 録
◆看護師国家試験既出問題
◆保健師国家試験既出問題