ナースのための
こんなとき、フィジカルアセスメント
第1巻 バイタルサイン編
オール漫画で楽しく学べる「ナースのための」フィジカルテキスト 新シリーズ始動!
原 作 |
徳田 安春 |
漫 画 |
吉比 |
定 価 |
1,980円 (1,800円+税) |
発行日 |
2018/04/25 |
ISBN |
978-4-307-70234-8 |
A5判・192頁
品川医療センター総合診療科の配属となった新人看護師の星野紗衣と4年目看護師の片岡瑞穂。少し(?)抜けているが、とびきり明るい星野とクールでドライな片岡がコンビを組むことになったのだが…。凸凹コンビがフィジカルアセスメントに挑む。立ち読みで「特別編」を公開中!
CONTENTS
Chapter 1
第1話 意識障害のとき
第2話 体温を測定するとき
第3話 血圧を測定するとき
Chapter 2
第4話 脈拍を測定するとき(1)
第5話 脈拍を測定するとき(2)
第6話 心音を聴診するとき
Chapter 3
第7話 呼吸数とSpO2をみるとき
第8話 呼吸のリズムをみるとき
第9話 呼吸音を聴診するとき
第10話 ショックのとき
星野のアセスメント・ノート 総おさらい
はじめに
チーム医療の現場では、ナースの役割がますます高まってきています。複雑な検査や治療介入の実施、電子カルテ入力で多忙な医師に代わって、フィジカルアセスメントを行うこともナースの重要な役割に含まれるようになりました。バイタルサインの測定だけでなく、そのクリニカルな解釈を行うことも当然となります。
また、タイムリーで適切なフィジカルアセスメントをとり、そのポイントを医師らに報告することによって、患者ケアの質と安全性を高めることになります。
フィジカルにはもともとカラダや手という意味がありました。患者さんのカラダに手を触れるナーシングタッチの癒し効果はすでにナースの特権ですが、これにフィジカルアセスメントを加えることによって、プロフェッショナル・ナーシングタッチとなります。
これまで、フィジカルアセスメントの習得は難しいと考えられてきました。それは言語化を主体としたフィジカルアセスメントの教育スタイルに起因していたと思います。フィジカルアセスメントは、ダイナミックなアートからなるスキルです。言語化しても再現することには、もともと馴染まなかったのです。そのため、近年ではビデオ学習が導入されてきており、大きな効果をもたらしてくれています。
しかし、ビデオ学習にも弱点があります。学習者のペースに合わせることができないために、キャッチアップできない場面がよくみられます。また、ビデオでは感情移入がないため、脳内の記憶部位の海馬まで到達することができずに、記憶されにくいのです。
そこで私が考案したのが、漫画による学習です。実は、漫画といってもバカにはできません。遊び的・気軽なマイペース感覚で読み込むことができます。海馬に直接突き刺さる感情的場面が展開し、ただちに応用することが可能な記憶に残る学習体験ともなります。おかげさまで、拙著の『こんなとき、フィジカル』ではこの斬新な学習効果が受け入れられたと感じています。医療関係のさまざまな人々から、続編の希望が寄せられています。台湾版を出すことも出来、台湾でもレクチャーをすることができました。
そんななか、金原出版編集部の中立稔生さんから、ナース向けのフィジカルアセスメント学習漫画の出版を勧められました。中立さんは、『こんフィジ』のストーリー展開でのアドバイザーでもあります。徳田・中立のタッグでナーシングにおけるフィジカルアセスメント学習の戦いの場に躍り出るという試みです。
基本的で重要度の高いフィジカルアセスメントのスキルを厳選し、漫画家の吉比さんにダイナミックに描いていただいています。このシリーズがナースのみなさんによるフィジカルアセスメントのスキルアップにつながって、現場での医療の質向上につながることができれば幸いです。
2018年3月吉日
東京、上野にて
原作 徳田 安春