転倒・転落を防ぐ セ−フティマネジメント
認知症高齢者と高次脳機能障害者に関わる、医療従事者必携の実践的手引き書!!
編 集 |
小松 泰喜 / 石川 ふみよ |
定 価 |
3,520円 (3,200円+税) |
発行日 |
2012/11/20 |
ISBN |
978-4-307-75030-1 |
B5判・256頁・図数:102枚
認知症高齢者と高次脳機能障害者に起こりやすい転倒・転落事故を最小限に食い止めるために、医療従事者が知っておくべき患者の情報、患者・家族とのコミュニケ−ションのコツ、職員のストレスマネジメント、万が一事故が起きたときの対応、医療スタッフ間のチ−ム連携のコツなどを豊富な事例も交えながら解説した実践的手引き書。経験の浅い医療従事者、介護保健施設、有料老人ホ−ムで働く、理学療法士・作業療法士・介護士・看護師など幅広い職種が知りたい情報を収載した。コラムや付録も充実。
『推薦のことば』より
高齢者の転倒・転落の危険因子として、認知機能障害および高次脳機能障害を理解することの意義は大きい。認知症になれば、自己の加齢による下肢筋力の低下、バランス機能低下の自覚が薄れ、また環境への配慮として段差や滑りやすい床への注意、さらにベッドからの移乗の判断力の低下など多くの危険をかかえて生活することとなる。また高次脳機能障害は、半側空間無視をはじめ、環境の認知,行動の安全性判断の障害など、年齢にかかわらず転倒・転落のリスクをかかえて患者は生活する。
本書は、そのような認知障害、高次脳機能障害を有する利用者が転倒・転落を生じないために、 施設で働く理学療法士、作業療法士、看護師、介護士さらには管理者、医師にいたる広義の医療職が心得ておくべき安全管理(セーフティマネジメント)の実際を、わかりやすく、丁寧に記述した良書である。
医療従事者が自立して、施設における利用者の行動制限を最小限にとどめつつ、転倒・転落を予防し、安全でQOL に配慮した生活をサポートするための知識、経験、介助機器、さらには人間学、心理学にわたる解説を網羅して、読者への配慮に富む、要点を述べた実践書になっている。
1章 認知症高齢者のためのセーフティマネジメント(基礎)
1.認知症の医学的理解と社会心理的理解の心得
2.認知症の症状、特に周辺症状、BPSDの見方
3.高齢者とのコミュニケーション法
4.認知症の人とのコミュニケーション法
5.高齢者を理解したうえでのアセスメント
6.生活のとらえ方とケアニーズ
7.家族によるケアと事故防止
8.チームで取り組むケア
9.職員のストレスマネジメント
コラム1 お福の会宣言
コラム2 抗認知症薬の効果を最大化するために
2章 高次脳機能障害者のためのセーフティマネジメント(基礎)
1.高次脳機能障害の医学的理解と社会的理解
2.高次脳機能障害者に向き合う姿勢・コミュニケーションのコツ
3.高次脳機能障害者と家族の生活
4.高次脳機能障害者と家族を理解したうえでのケアプラン
5.事故要因と防止対策
6.家族のストレスマネジメント
7.チームで取り組むケア
8.職員に対する教育
9.職員のストレスマネジメント
コラム3 人の身体の自然な動きを知る:高齢者の姿勢
コラム4 人の身体の自然な動きを知る:高齢者の歩行
コラム5 転倒のメカニズム
3章 事例に学ぶケア・セーフティマネジメントレベル向上のヒント(応用)
1.グループワーク(1):各施設で実際に起こった事例、利用者からの苦情
2.事故から学ぶ介護施設・看護者・介護者の法的責任
3.苦情・相談への対応・サービス管理とセーフティマネジメント
4.職員の教育とその実際
5.グループワーク(2):事故発生時の対応ーグループワークの「成功」、「失敗」とは
6.事故の原因分析手法と再発防止策
7.グループワーク(3):情報共有はどのように行っているか
8.効果的なケースカンファレンスのもちかた
コラム6 ヒューマンエラーの心理学
コラム7 スーパービジョンとコーチングの考えかた
コラム8 利用者との信頼関係構築のために
付録1:転倒・骨折の統計データの集計と解析
付録2:リスク要因別フィジカルアセスメント
索引