実践リハビリテーション・シリーズ
認知症のリハビリテーション
ケア、薬物療法から施設入所まで
認知症患者のリハビリ、ケアに関する疑問が氷解! 薬物療法のコツを詳細に解説。
著 者 |
瀬川 浩 |
定 価 |
3,300円 (3,000円+税) |
発行日 |
2015/04/10 |
ISBN |
978-4-307-75042-4 |
A5判・192頁
認知症患者を前にして「この症状には、この対処法」と機械的に考えるのではなく、その行為の意味を考え、何が欠けてしまっているのか、目的を達成するためにはどのような方法があるのかを3ステップで考える方法論を詳しく解説。そのアプローチによって一人一人違う症状を緩和して、「その人らしく過ごせる時間」を提供する医療の実現をめざす。在宅医療の経験から会得した向精神薬の処方例や匙加減など薬物療法のコツから施設の選び方、入所のタイミングまで実践に役立つ知識が満載。
第1章 認知症の理解
ほんとうに「認知症」を知っていますか?
認知症とは、こんな病気
第2章 認知症のリハビリテ−ションを考える
認知症の患者さんと健常者の違い
認知症のリハビリテ−ション
3ステップによるリハビリテ−ションの実践法
第3章 認知症のリハビリテ−ション・ケアの実践
実践1 病院を受診してくれない
実践2 何度も同じことを言ったり、聞いたりする
実践3 「帰る」と言い出す。夕方症候群
実践4 一人で出歩き、迷子になる
実践5 薬を飲むのを嫌がる(拒薬)
実践6 介護員を受け入れない(家事援助を拒否する)
実践7 食事をしたことを忘れる、過食になる
実践8 転倒しやすい
実践9 火の不始末
実践10 トイレに行けない、失禁する
実践11 お風呂を嫌がる、お風呂に一人で入れない
実践12 何でも集める(収集癖)
実践13 同じ服ばかり着てしまう・着替えを嫌がる・順番を間違える
実践14 性的な関心を示す
実践15 もの盗られ妄想
実践16 突然に興奮し、大声を出す。暴力を振るう
実践17 食事を食べない(拒食)
実践18 異物を食べる(異食行為)
実践19 家族や周囲の人間を識別できない
実践20 徘徊をする
第4章 認知症の薬物療法 その1 病態に即した薬物療法
認知症の薬物療法とは
アルツハイマ−型認知症の治療薬
症例1 規定の処方で活発になり、表情も豊かに
症例2 少量からはじめ、ゆっくり増量した成功例
症例3 就寝前の服用で、不眠からせん妄状態に
症例4 不安を訴えることが減り、明るい表情に
症例5 病院嫌い、病識なしにリバスタッチを使用
症例6 周辺症状緩和に向精神薬に代えて使用
血管性認知症の治療薬
症例7 降圧薬の調整と抗パ−キンソン病薬の追加で、活動性が向上
レビ−小体型認知症の治療薬
症例8 薬と周囲の理解の相乗効果で、幻視が軽減
前頭側頭型認知症・その他の認知症の治療薬
第5章 認知症の薬物療法 その2 周辺症状を緩和する薬
周辺症状に対する薬物療法の考え方
抗精神病薬
症例9 グラマリ−ルでせわしない多動を改善
非定型抗精神病薬
症例10 ひどい興奮状態を液体の内服薬で鎮静
症例11 夕食後のセロクエルで入眠も改善
睡眠薬
抗うつ薬
症例12 睡眠薬の服用歴がない人の睡眠改善にテトラミドを処方
抗てんかん薬
症例13 テグレト−ル300mgで睡眠と感情コントロ−ルに効果
漢方薬
症例14 朝1回の抑肝散で心配事が減り、笑顔が絶えない人に
定期処方薬の見直
第6章 施設入所
施設入所を考えるタイミング
入所可能な施設の種類と特徴
認知症対応型共同生活介護(グル−プホ−ム)
症例15 施設で支え合って暮らすハリが認知症に好影響
介護老人保健施設(老健)
症例16 グル−プホ−ムから老健に移って安定したケ−ス
介護老人福祉施設(特養)
有料老人ホ−ム
サ−ビス付き高齢者向け住宅
その他の入所施設
症例17 病気を機に、特養から医療型療養病床に転院
訪問診療と往診
第7章 終末期について
終末期を考える
症例18 本人の希望を尊重し、終末期をわが家で
認知症の終末期
症例19 最後まで苦痛なく、楽しく、施設で支えたみとり
索 引
■コラム
現在、研究中のアルツハイマ−型認知症の治療薬
介護のことで困ったときの相談窓口