PT・OTのための臨床技能とOSCE コミュニケーションと介助・検査測定編 第2版補訂版 [Web動画付き]

好評のOSCEテキスト、現場のニーズを反映しアップデート!

監 修 才藤 栄一
編 集 金田 嘉清 / 冨田 昌夫 / 大塚 圭 / 杉山 智久
前田 晃子
鈴木 めぐみ
鈴木 由佳理
土山 和大
山田 将之
定 価 6,050円
(5,500円+税)
発行日 2020/03/03
ISBN 978-4-307-75058-5

A4判・452頁

在庫状況 あり

OSCEによる臨床技能評価の重要性が高まりをみせるなか、現場にて日々蓄積されるノウハウをもとにアップデートした。
第2版に引き続きweb動画による解説も充実しており、より深い理解の助けとなることが期待できる。
また、OSCE実施時の確認事項を掲載するなど、学生のみならず指導者の利便性にも配慮した内容となっている。


【Web動画配信サービス】
●本書では、動画を計36本収載しています。
●各課題内のQRコードを読み込むことにより、お手持ちの端末(スマートフォン、タブレット)で視聴できます。
●動画は、金原出版の読者サポートページからもアクセスできます。本書に記載の「パスワード」を入力してログインしてください。



【関連書籍】機能障害・能力低下への介入編 第2版
客観的臨床能力試験(OSCE)とは
1 理学療法士・作業療法士の現状
2 COSPIRE─療法士が生まれる場のあり方
3 OSCEの概要
4 OSCEの実施における要点

レベル1
1 標準予防策(スタンダードプレコーション)
2 リスク管理
3 コミュニケーション技法
4 ホットパック実施の補助
5 上肢管理(三角巾の装着)
6 下肢装具の装着介助
7 車椅子の駆動介助
8 移乗介助

レベル2
1 療法士面接
2 面接所見からの高次脳機能障害の推測
3 脈拍と血圧の測定
4 呼吸パターンと動脈血酸素飽和度の評価
5 関節可動域測定
6 筋力測定
7 形態測定
8 整形外科疾患別検査
9 筋の触診
10 感覚検査
11 反射検査(腱反射・病的反射)
12 脳神経検査
13 脳卒中の麻痺側運動機能の評価
14 構音障害のスクリーニング
15 摂食嚥下障害のスクリーニング
16 運動失調検査
17 立位バランスの評価
18 下肢装具・歩行補助具の調整

採点シート集
 2018年10月、19年ぶりに理学療法士作業療法士養成施設指定規則が改正されました。現在、全国の養成校が対応への準備を始めています。この改正では、臨床実習の重要性が強調され、「臨床実習前及び臨床実習後の評価」が必須要件として明記されています。
 藤田医科大学リハビリテーション部門(藤田リハ)の一翼を担う藤田医科大学保健衛生学部リハビリテーション学科(旧・藤田保健衛生大学医療科学部リハビリテーション学科)では、2004年、学科開設の際、臨床中心主義を掲げて中核システム「COSPIRE(Clinical-Oriented System for Progression & Innovation of Rehabilitation Education)」を定義しました。その際、治療技術の精緻化と標準化のため、医学生向けに普及しつつあったOSCE(Objective Structured Clinical Examination:客観的臨床能力試験)を療法士版として開発し学習体系に組み込みました。
 技術は、文字では記載しにくい性質を有するとともに、文字で示す概念がその理解を促進するという側面も持っています。OSCE は、試験課題という役割を超えて、現存するもののなかで合理的と思われる答えを画像と文字で示す有力な方法論です。私たちのOSCEは、卒前教育はもちろん、卒後教育として、大学病院のみならず関連施設でも活用されています。
 その経験をもとに2015年には「コミュニケーションと介助・検査測定編」、2017年には「機能障害・能力低下への介入編」という教科書2冊を出版しました。学生や若手療法士が身につけるべき技能を概ね網羅したこの2冊は技術の標準化と精緻化に役立っています。また、多くの養成校にもご活用頂いており、嬉しい限りです。
 今回の改訂では、2015年に出版した直後から検討を重ね、課題と採点基準、動画コンテンツに関して改善を図りました。ぜひ、この新版を実際にご覧ください。
 最後に予告的ご案内をひとつ。現在、藤田リハでは、訓練(練習)の定量化のため、ELF(Exercise Log in FHUR)という課題内容を5分単位で詳細に記載する記録システムを開発中です。従来、見過ごされてきた「治療の質」を「時間という量」で記載するこの記録システムは、既に長い歴史を有する藤田リハデータベース Clover(qpdb:Quantified Prognostication by using Data-Base)と組み合わさり、帰結予測精度の向上とともに治療の精緻化・標準化に役立つと考えています。
 私たちの作品が、多くの学生や若手療法士の学習とリハビリテーション医療の発展の一助になることを願っています。

2019年春

藤田医科大学学長
藤田医科大学リハビリテーション部門代表
藤田医科大学医学部リハビリテーション医学I 講座
才藤 栄一