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整形・災害外科
脊椎・脊髄疾患のニューロサイエンス
脊椎・脊髄疾患のニューロサイエンス 神経所見の診かたから再生医療まで
1 脊椎・脊髄疾患の神経学
神経学的所見のとり方
岩崎 幹季
神経病変の脊髄高位の診断 頚髄症・頚部神経根症における障害高位の診断
小澤 浩司
神経病変の脊髄内局在の診断
寒竹 司
特殊な神経徴候・偽性局在徴候
花北 順哉
脊椎・脊髄疾患由来の痛みの特徴
折田 純久
2 脊椎・脊髄病変の診断の進歩
A. 画像診断法の進歩
脊椎脊髄外科におけるMRIの進歩と臨床応用
糸岐 一茂
機能的MRI(fMRI)の応用
関口 美穂
脊髄における拡散MRIの進歩 拡散テンソルトラクトグラフィからq-Space imagingへ
藤吉 兼浩
PET、SPECTの応用
今林 悦子
B. 生理学的診断の進歩
脊椎疾患の電気生理学的診断の最新知見
舩場 真裕
術中神経機能モニタリングのup-to-date
小林 祥
痛みの量的評価と質的評価
住谷 昌彦
3 脊椎・脊髄疾患と鑑別すべき神経・精神疾患
A. 神経内科的疾患
運動ニューロン疾患
宮地 洋輔
Parkinson病
福武 敏夫
ニューロパチー
黒川 勝己
B. 精神・心理的疾患
うつ病
増子 博文
身体症状症
西原 真理
4 脊椎・脊髄疾患の治療法の進歩
A. 薬物療法
痛み・しびれに対する薬物療法
川口 善治
神経ブロック療法
大森 亜紀
B. 理学療法
ニューロリハビリテーション
荒川 英樹
機能的電気刺激(FES)
島田 洋一
リハビリテーションにおけるロボットの応用 上野友之 623
脊髄電気刺激療法
南 学
C. 手術療法
神経症状・慢性腰痛に対する手術療法 低侵襲手術を中心に
山下 一太
脊髄腫瘍の診断と治療の進歩
松山 幸弘
脊髄動静脈短絡疾患に対する手術・血管内治療の進歩
浅野 剛
腕神経引き抜き損傷後の難治性上肢痛に対する脊髄神経後根進入部破壊術DREZ-lesion
谷口 真
D. 脊椎・脊髄疾患に対する集学的治療
脊椎・脊髄疾患による慢性疼痛に対する認知行動療法
木村 慎二
集学的痛みセンター
池本 竜則
5 脊髄再生医療の最前線
iPS細胞による脊髄再生医療
辻 収彦
顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)を用いた脊髄損傷治療
國府田 正雄
HGFを用いた脊髄損傷治療 「いつでも・どこでも・だれにでも」開始できる有効な急性期治療の確立を目指して
北村 和也
脊髄損傷に対する自家骨髄間葉系幹細胞の静脈内投与 医師主導治験と急性期から慢性期の基礎研究
森田 智慶
骨髄間質細胞を用いた脊髄再生
鈴木 秀典
間葉系幹細胞移植による脊髄再生
中嶋 秀明
磁気ターゲッティング法を用いた脊髄損傷治療
田中 信弘
■監修のことば
脊椎・脊髄疾患は、日常臨床上極めて身近な問題であり、整形外科、脳神経外科、神経内科、リハビリテーション科、麻酔科などいくつかの異なった専門分野で扱われています。専門分野ごとにいくつかの学会や研究会があり、それぞれ活発な活動がなされています。一方、MRIなどの画像検査や、電気生理学的な機能検査の進歩により、脊椎・脊髄疾患の診断学は著しい進歩をとげ、その進歩に伴い、治療法についても大いに発展してきました。このような状況の中で、脊椎・脊髄疾患治療における現況を総括的に理解しておくことは臨床医にとって極めて大切なことだと思われます。
本特集は、表題を『脊椎・脊髄疾患のニューロサイエンス−神経所見の診かたから再生医療まで』として、脊椎・脊髄疾患に関しできるだけ多くのテーマをとりあげ、今日のわが国における脊椎・脊髄疾患治療の水準を一般臨床医の方々に広く知っていただくように企画されています。
現代の科学は、学際的共同研究によって急速に進歩しつつあります。脊椎・脊髄疾患の診断と治療においても、このような境界領域における提携が必要なことはいうまでもありません。そのため専門性の枠を外し、臨床医に必要と思われる基礎的知識から最新の知識までを広く網羅すべく、この分野における国内の新進気鋭の専門家を中心に執筆していただきました。内容的には、臨床所見、検査法、保存療法、手術療法に至るまでの種々の疾患についての幅広い領域を俯瞰できる企画になっています。
執筆の先生方には、できるだけ具体的に記述していただき、実地臨床においても十分利用していただけるように配慮してあります。またどなたも、わが国におけるこの方面の第一線で活躍されている方であり、単なる文献紹介にとどまることなく貴重な自己の経験と研究成果を織りまぜて述べられ、内容的にも大変特徴あるものとなっています。脊椎・脊髄疾患研究の進歩を知る上でも貴重な書となり、読者の先生方にとって裨益するところが大きいと考えております。
臨床医にとって本特集号が、脊椎・脊髄疾患を治療する際に広い視野でその本質を考える一助になることを祈念しております。
2017年4月
山口大学大学院整形外科
田口 敏彦
■編集にあたって
脊椎は、人体の支柱であるとともに、中枢・末梢神経を内包し保護するという重要な役割を担っています。必然的に、脊椎疾患の多くの症例では様々な神経症状を伴います。神経障害の原因となる病態を的確に分析し、適切な対処法を選択することは、脊椎・脊髄疾患診療の上で極めて重要です。
近年、脊椎・脊髄病変の診断・治療に関わる手技・テクノロジーには、顕著な進歩がみられています。MRI等の画像診断法の進歩は、神経組織の形態的異常のみならず、機能的側面の評価も可能としています。治療面においては、神経障害性疼痛に対する新規薬剤の登場によって、従来に比べ薬物療法の幅が広がったといえます。また、機能的電気刺激やロボットなどの応用により、積極的に神経機能の回復を目指す、ニューロリハビリテーションという新しい概念が導入されています。さらに、脊椎・脊髄疾患の慢性症例には、単に神経障害だけでなく、心理・社会的要因が関与していることが指摘されており、その対策としての集学的治療システムが整備されつつあります。
一方、中枢・末梢神経に関連する基礎的研究、そしてトランスレーショナル・リサーチにおいても、目覚ましい成果がみられています。なかでも脊髄損傷に対する神経再生医療に関する研究は急速な発展をみせており、臨床応用の一歩手前まで来ているといっても過言ではありません。
本書は、まず日常の脊椎・脊髄疾患診療における神経学的診断の「手引き書」としての役割を果たすこと、そして同時に、最近の脊髄や神経に関する研究の動向を読み取る「情報誌」としての機能を持たせることを念頭に企画しました。
第1章:脊椎・脊髄疾患の神経学、第2章:脊椎・脊髄病変の診断の進歩、第3章:脊椎・脊髄疾患と鑑別すべき神経・精神疾患、第4章:脊椎・背髄疾患の治療法の進歩、第5章:脊髄再生医療の最前線の各章の項目について、それぞれの分野に造詣が深く、臨床・基礎研究の第一線で活躍しておられる先生方にご執筆をお願いしました。また、監修の労を日本脊椎脊髄病学会理事長の田口 敏彦先生(山口大学副学長)にお執りいただきました。
本書は、脊椎・脊髄疾患にまつわるニューロサイエンスに関して、様々な角度から焦点をあてたユニークかつup-to-dateな1冊になったと思います。ぜひ座右に置いて、日常の診療や知識のブラッシュ・アップにお役立ていただければ幸いです。
2017年4月
札幌医科大学整形外科
山下 敏彦
脊椎・脊髄疾患は、日常臨床上極めて身近な問題であり、整形外科、脳神経外科、神経内科、リハビリテーション科、麻酔科などいくつかの異なった専門分野で扱われています。専門分野ごとにいくつかの学会や研究会があり、それぞれ活発な活動がなされています。一方、MRIなどの画像検査や、電気生理学的な機能検査の進歩により、脊椎・脊髄疾患の診断学は著しい進歩をとげ、その進歩に伴い、治療法についても大いに発展してきました。このような状況の中で、脊椎・脊髄疾患治療における現況を総括的に理解しておくことは臨床医にとって極めて大切なことだと思われます。
本特集は、表題を『脊椎・脊髄疾患のニューロサイエンス−神経所見の診かたから再生医療まで』として、脊椎・脊髄疾患に関しできるだけ多くのテーマをとりあげ、今日のわが国における脊椎・脊髄疾患治療の水準を一般臨床医の方々に広く知っていただくように企画されています。
現代の科学は、学際的共同研究によって急速に進歩しつつあります。脊椎・脊髄疾患の診断と治療においても、このような境界領域における提携が必要なことはいうまでもありません。そのため専門性の枠を外し、臨床医に必要と思われる基礎的知識から最新の知識までを広く網羅すべく、この分野における国内の新進気鋭の専門家を中心に執筆していただきました。内容的には、臨床所見、検査法、保存療法、手術療法に至るまでの種々の疾患についての幅広い領域を俯瞰できる企画になっています。
執筆の先生方には、できるだけ具体的に記述していただき、実地臨床においても十分利用していただけるように配慮してあります。またどなたも、わが国におけるこの方面の第一線で活躍されている方であり、単なる文献紹介にとどまることなく貴重な自己の経験と研究成果を織りまぜて述べられ、内容的にも大変特徴あるものとなっています。脊椎・脊髄疾患研究の進歩を知る上でも貴重な書となり、読者の先生方にとって裨益するところが大きいと考えております。
臨床医にとって本特集号が、脊椎・脊髄疾患を治療する際に広い視野でその本質を考える一助になることを祈念しております。
2017年4月
山口大学大学院整形外科
田口 敏彦
■編集にあたって
脊椎は、人体の支柱であるとともに、中枢・末梢神経を内包し保護するという重要な役割を担っています。必然的に、脊椎疾患の多くの症例では様々な神経症状を伴います。神経障害の原因となる病態を的確に分析し、適切な対処法を選択することは、脊椎・脊髄疾患診療の上で極めて重要です。
近年、脊椎・脊髄病変の診断・治療に関わる手技・テクノロジーには、顕著な進歩がみられています。MRI等の画像診断法の進歩は、神経組織の形態的異常のみならず、機能的側面の評価も可能としています。治療面においては、神経障害性疼痛に対する新規薬剤の登場によって、従来に比べ薬物療法の幅が広がったといえます。また、機能的電気刺激やロボットなどの応用により、積極的に神経機能の回復を目指す、ニューロリハビリテーションという新しい概念が導入されています。さらに、脊椎・脊髄疾患の慢性症例には、単に神経障害だけでなく、心理・社会的要因が関与していることが指摘されており、その対策としての集学的治療システムが整備されつつあります。
一方、中枢・末梢神経に関連する基礎的研究、そしてトランスレーショナル・リサーチにおいても、目覚ましい成果がみられています。なかでも脊髄損傷に対する神経再生医療に関する研究は急速な発展をみせており、臨床応用の一歩手前まで来ているといっても過言ではありません。
本書は、まず日常の脊椎・脊髄疾患診療における神経学的診断の「手引き書」としての役割を果たすこと、そして同時に、最近の脊髄や神経に関する研究の動向を読み取る「情報誌」としての機能を持たせることを念頭に企画しました。
第1章:脊椎・脊髄疾患の神経学、第2章:脊椎・脊髄病変の診断の進歩、第3章:脊椎・脊髄疾患と鑑別すべき神経・精神疾患、第4章:脊椎・背髄疾患の治療法の進歩、第5章:脊髄再生医療の最前線の各章の項目について、それぞれの分野に造詣が深く、臨床・基礎研究の第一線で活躍しておられる先生方にご執筆をお願いしました。また、監修の労を日本脊椎脊髄病学会理事長の田口 敏彦先生(山口大学副学長)にお執りいただきました。
本書は、脊椎・脊髄疾患にまつわるニューロサイエンスに関して、様々な角度から焦点をあてたユニークかつup-to-dateな1冊になったと思います。ぜひ座右に置いて、日常の診療や知識のブラッシュ・アップにお役立ていただければ幸いです。
2017年4月
札幌医科大学整形外科
山下 敏彦
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