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眼科
眼科検査の最新情報
眼科検査の最新情報
I. 前眼部
1. 細隙灯顕微鏡とデジタルフォトスリットマイクロスコープ
重安 千花・山田 昌和
2. 角膜形状解析(角膜厚測定も含めて)
張 佑子・稗田 牧
3. コンフォーカルマイクロスコピー
横川 英明・小林 顕
4. 波面収差解析装置
渕端 睦・高 静花
5. 光学式眼軸長計測装置(IOLマスター)
神谷 和孝
6. 涙液層検査
横井 則彦
7. マイボーム腺検査装置(マイボグラフィー含めて)
福岡 詩麻・有田 玲子
8. 実用視力
海道 美奈子・坪田 一男
9. 対光反射解析装置RAPD
佐藤 司・後関 利明・浅川 賢
II. ぶどう膜炎
1. 硝子体液による眼内リンパ腫の診断
臼井 嘉彦
2. OCTによるぶどう膜炎(脈絡膜)の評価
坪井 孝太郎・中井 慶
3. Laser speckle flowgraphyでみるぶどう膜疾患
橋本 勇希・南場 研一・石田 晋
III. 網膜
1. デジタル眼底カメラ
齋藤 瞳
2. 眼底自発蛍光
白木 邦彦
3. FA・IA蛍光造影
尾花 明
4. 光干渉断層計(OCT)
1) NFL厚測定
石田 恭子
2) 黄斑浮腫
大谷 倫裕
3) GCA
秋山 英雄
4) EDI OCT/高侵達OCT
丸子 一朗
5) Swept-source OCT
篠原 宏成・大野 京子
6) En face OCT
岩見 久司・五味 文
7) OCT angiography
石羽澤 明弘
8) 術中OCT
寺崎 浩子
9) 偏光OCT
三浦 雅博
10) OCT画像加工ImageJ
柿内 奈保子・園田 祥三
5. 広角眼底撮影
大島 裕司
6. レーザースペックルフローグラフィー(LSFG)
小暮 朗子
IV. 緑内障
1. 眼底直視下視野計(MP-3)
馬場 隆之・山本 修一
2. 自動視野計
宇田川 さち子・大久保 真司
3. 動的視野検査
橋本 茂樹・松本 長太
4. 眼圧計、Icare眼圧計
坂田 礼
5. Ocular Response AnalyzerとCorvis ST
木内 良明
6. 前眼部OCT(Swept-source domain:CASIA)
酒井 寛
V. 眼位・眼球運動・両眼視機能
1. 両眼視機能検査・訓練システム−ORTeとOcclu-pad−
半田 知也
2. 調節機能検査
梶田 雅義
3. トライイリスC9000(近見反応測定装置)
西 智
4. 視神経・視路疾患のconventional MRIとadvanced MRI
北島 美香
VI. 電気生理
1. ERG全般
加藤 久美子・近藤 峰生
2. 外眼筋筋電図(EMG:electromyography)
清水 有紀子
VII. 眼腫瘍
1. 眼付属器リンパ増殖性疾患の多角的診断
古田 実
VIII. その他
1. 遺伝子検査
村上 晶
巻頭言
最近のOCTや手術装置に代表される眼科医療機器の進歩はきわめて急速かつ広範囲に及ぶもので、大学病院ですら最新機器のすべてを導入することは到底できません。しかし、インターネットにより最新の医療機器の情報も一般人が容易に入手できることからも、今現在どのような器械が開発され、どのような検査や手技が可能になっているかは、勤務医、開業医を問わず知っておくべきではないかと考えます。最新の眼科治療についてセカンドオピニオンを求められて、私の病院や診療所にはない器械だから知らなくて良いと言える時代ではありません。本増刊号は、そのような目的で企画されています。
内容ではやはり網膜疾患の頻度の高さとその重要性と器械の進歩の著しさから、網膜検査機器、特にOCTについて多くの項目を設けました。もちろん新たにSD-OCTを導入される場合には、黄斑の二次元断層像(網膜面に対して垂直なB-scan断面像)、乳頭周囲の網膜神経線維層厚、網膜神経節細胞複合体厚解析の3つは記録解析の必須の条件ですが、既にその次の時代になりつつあることがわかるはずです。脈絡膜を観察できるOCT(長波長を用いる高侵達光干渉断層計HP-OCTおよび後方シグナルを増強する深部強調画像EDI-OCT)、網膜面に対して水平のC-scan断面像が得られるen face OCT、その延長にあり造影剤を用いる必要のないOCT angiographyなどがわかりやすく解説されています。また、ようやく市販が開始された術中OCTとさまざまな眼球組織の偏光特性を利用した偏光OCTの最新情報も掲載されています。
視野検査においてもコンピュータの高速化に伴い、固視不良眼でも正確なデータの得られる眼底自動追尾型視野計MP-3、緑内障でセクター分けした進行解析のできるHumphrey自動視野計(HVA)のファイリングシステム、HVAとシラスOCTの同時閲覧システムFORUM、それと同様にOCTの網膜内層厚マップと対応させた視野を表示するコーワAP-7700などの非常に便利で実用的な器械の開発が相次いでいます。またこれまでの固定された視野計を見るのではなく、自由な姿勢でヘッドマウントの器械をかぶりHVAと同等の結果が計測できるアイモも発売されています。
電気生理学的検査はOCTなどの画像検査の急激な進化とは異なり、その進歩はやや地味で劇的でないためあまり注目されていない印象があります。しかし、器械が小型化されノイズ除去も容易になったため、小児のERGが頬に皮膚電極を貼って器械を覗かせるだけで簡単に行えるようになっています。眼科では筋電図EMGは今や忘れ去られた検査でしたが、2015年6月にA型ボツリヌス毒素製剤が斜視に対して適応拡大が認められたことから眼科医も習熟すべき検査になっています。
眼科診療施設では検査の多くが視能訓練士任せになっています。もちろん多忙な医師が検査をすべて行うことはできませんが、その原理や特色、限界を知っておくことは重要と考えます。本増刊号をお読みいただき、日々の臨床に活用していただければ幸いです。
平成28年10月末日
編集委員一同
最近のOCTや手術装置に代表される眼科医療機器の進歩はきわめて急速かつ広範囲に及ぶもので、大学病院ですら最新機器のすべてを導入することは到底できません。しかし、インターネットにより最新の医療機器の情報も一般人が容易に入手できることからも、今現在どのような器械が開発され、どのような検査や手技が可能になっているかは、勤務医、開業医を問わず知っておくべきではないかと考えます。最新の眼科治療についてセカンドオピニオンを求められて、私の病院や診療所にはない器械だから知らなくて良いと言える時代ではありません。本増刊号は、そのような目的で企画されています。
内容ではやはり網膜疾患の頻度の高さとその重要性と器械の進歩の著しさから、網膜検査機器、特にOCTについて多くの項目を設けました。もちろん新たにSD-OCTを導入される場合には、黄斑の二次元断層像(網膜面に対して垂直なB-scan断面像)、乳頭周囲の網膜神経線維層厚、網膜神経節細胞複合体厚解析の3つは記録解析の必須の条件ですが、既にその次の時代になりつつあることがわかるはずです。脈絡膜を観察できるOCT(長波長を用いる高侵達光干渉断層計HP-OCTおよび後方シグナルを増強する深部強調画像EDI-OCT)、網膜面に対して水平のC-scan断面像が得られるen face OCT、その延長にあり造影剤を用いる必要のないOCT angiographyなどがわかりやすく解説されています。また、ようやく市販が開始された術中OCTとさまざまな眼球組織の偏光特性を利用した偏光OCTの最新情報も掲載されています。
視野検査においてもコンピュータの高速化に伴い、固視不良眼でも正確なデータの得られる眼底自動追尾型視野計MP-3、緑内障でセクター分けした進行解析のできるHumphrey自動視野計(HVA)のファイリングシステム、HVAとシラスOCTの同時閲覧システムFORUM、それと同様にOCTの網膜内層厚マップと対応させた視野を表示するコーワAP-7700などの非常に便利で実用的な器械の開発が相次いでいます。またこれまでの固定された視野計を見るのではなく、自由な姿勢でヘッドマウントの器械をかぶりHVAと同等の結果が計測できるアイモも発売されています。
電気生理学的検査はOCTなどの画像検査の急激な進化とは異なり、その進歩はやや地味で劇的でないためあまり注目されていない印象があります。しかし、器械が小型化されノイズ除去も容易になったため、小児のERGが頬に皮膚電極を貼って器械を覗かせるだけで簡単に行えるようになっています。眼科では筋電図EMGは今や忘れ去られた検査でしたが、2015年6月にA型ボツリヌス毒素製剤が斜視に対して適応拡大が認められたことから眼科医も習熟すべき検査になっています。
眼科診療施設では検査の多くが視能訓練士任せになっています。もちろん多忙な医師が検査をすべて行うことはできませんが、その原理や特色、限界を知っておくことは重要と考えます。本増刊号をお読みいただき、日々の臨床に活用していただければ幸いです。
平成28年10月末日
編集委員一同
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