プライベートパーツを診る!
第I章 プライベートパーツ疾患アトラス (「皮膚科の臨床」編集委員会・編)
●感染症
1.ウイルス感染症
(1) 性器ヘルペス
(2) 帯状疱疹
(3) 尖圭コンジローマ
(4) Bowen様丘疹症
(5) 伝染性軟属腫
(6) エムポックス
2.細菌感染症
(1) 伝染性膿痂疹
(2) 毛包炎
(3) せつ、癰(よう)
(4) 蜂窩織炎
(5) Fournier壊疽
(6) ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群
(7) 紅色陰癬
(8) 梅毒
3.真菌感染症
(1) 白癬
(2) 皮膚カンジダ症
(3) クロモミコーシス
4.動物感染症
(1) 疥癬
(2) ケジラミ症
(3) マダニ刺咬症
(4) ツツガムシ病
●腫瘍性疾患
1.上皮系腫瘍
(1) 粉瘤
(2) Bartholin腺嚢腫
(3) アポクリン嚢胞腺腫(apocrine cystadenoma)
(4) 乳頭状汗管腺腫(papillary tubular adenoma)
(5) 汗管腫
(6) 疣状黄色腫(verruciform xanthoma)
(7) 脂漏性角化症
(8) 基底細胞癌
(9) Bowen病
(10) Queyrat紅色肥厚症
(11) 疣状癌
(12) 有棘細胞癌
(13) 汗孔癌
(14) 粘液癌
(15) 乳房外Paget病
(16) 乳房外Paget病(浸潤性)
(17) 続発性乳房外Paget病
2.間葉系腫瘍
(1) ケロイド
(2) 軟性線維腫
(3) 脂肪腫
(4) 平滑筋腫
(5) 血管筋線維芽細胞腫(angiomyofibroblastoma)
(6) 被角血管腫
(7) 血管拡張性肉芽腫
(8) 乳児血管腫(イチゴ状血管腫)
(9) リンパ管腫
(10) 軟部肉腫
(11) 肥満細胞腫
(12) 偽リンパ腫
(13) リンパ腫
3.メラノサイト系腫瘍
(1) 色素細胞母斑(後天性)
(2) 色素細胞母斑(先天性)
(3) メラノーマ
●その他
1.湿疹・皮膚炎群
(1) 接触皮膚炎
(2) 慢性湿疹
(3) アトピー性皮膚炎
(4) 自家感作性皮膚炎
(5) 脂漏性皮膚炎
2.蕁麻疹・痒疹
(1) 蕁麻疹
(2) 痒疹
3.膠原病関連疾患・紅斑症
(1) Behcet病
(2) 硬化性萎縮性苔癬
(3) 多形紅斑
(4) 持久性隆起性紅斑
(5) リベド
4.薬疹・GVHD
(1) 固定薬疹
(2) 紅斑丘疹型薬疹
(3) 多形紅斑型薬疹
(4) Stevens-Johnson症候群
(5) TEN型薬疹
(6) 薬剤性過敏症症候群(DIHS)
(7) 色素沈着型薬疹
(8) ざ瘡型薬疹
(9) GVHD(移植片対宿主病)
5.角化症・炎症性角化症
(1) 魚鱗癬症候群
(2) 毛孔性紅色粃糠疹
(3) 汗孔角化症
(4) 黒色表皮腫
(5) 乾癬
(6) 苔癬状粃糠疹
(7) 扁平苔癬
6.水疱症・膿疱症
(1) Hailey-Hailey病
(2) 尋常性天疱瘡
(3) 増殖性天疱瘡
(4) 落葉状天疱瘡
(5) 類天疱瘡
(6) 角層下膿疱症
7.代謝異常症
(1) アミロイドーシス
(2) 痛風
(3) 亜鉛欠乏症
8.付属器疾患
(1) 毛巣洞
(2) 化膿性汗腺炎
9.形成異常・結合織疾患
(1) 穿孔性皮膚症
(2) coccygeal pad
10.肉芽腫性疾患
(1) 環状肉芽腫
(2) 播種性黄色腫
11.母斑・母斑症
(1) 表皮母斑
(2) 毛細血管奇形(ポートワイン母斑)
(3) 表在性皮膚脂肪腫性母斑
(4) 神経線維腫症1型(NF1)
(5) 色素失調症
12.色素異常症
(1) 尋常性白斑
13.物理化学的皮膚障害
(1) 褥瘡
(2) 熱傷
第II章 プライベートパーツ診療の実際
1.プライベートパーツの診療で注意すること
本田 まりこ
2.鑑別診断の実際
1)外陰部紅斑の鑑別診断
一木 稔生
2)外陰部色素異常の鑑別診断
河野 通浩
3)外陰部びらん・潰瘍の鑑別診断
梅林 芳弘
4)外陰部丘疹・結節の鑑別診断
外川 八英
5)掻痒を伴う外陰部病変の鑑別診断
青山 裕美
6)プライベートパーツ病変のダーモスコピー診断
前 賢一郎
3.治療の実際
1)外陰部外用療法における留意点
五十嵐 敦之
[Column]亀頭部は皮膚? 粘膜?
五十嵐 敦之
2)外陰部手術の実際
吉野 公二
3)外陰部の掻痒への対処法
檜垣 祐子
4.性感染症の診療
1)性感染症の最近の動向
石地 尚興
[Column]感染症法
松尾 光馬
2)性感染症を疑ったときの視診・触診のコツ!
尾上 泰彦
[Column]「パパ活」性行動の多様化と性感染症の広がり
尾上 泰彦
3)性感染症の診断
安元 慎一郎
[Column]LGBTQsと性感染症
谷崎 隆太郎
4)性感染症:標準治療と最新トピックス
清水 晶
5.皮膚科以外の診療科との連携について
渡辺 大輔
[Column]HPVワクチン
高橋 聡
"プライベートパーツ"疾患を網羅した豊富なアトラスと、エキスパートによる"プライベートパーツ"診療の注意点、鑑別診断、治療法などの解説からなる臨時増刊号です。
梅毒やエムポックスなど性感染症の最新トピックスも掲載。貴重な臨床写真を眺めて学ぶもよし、興味のあるテーマから読み進めるもよし。
皮膚科医のみならず外陰部疾患を診るすべての方へ。永久保存版の一冊です!
<はしがき>
本誌では、毎年一回、皮膚科の臨床分野におけるトピックスを特集しておりますが、今回は「プライベートパーツ診療」をテーマとして取り上げました。
プライベートパーツの診療については、皮膚疾患に精通しているはずのベテラン医師でも、この領域の情報量は少なく、また神経を使った診療が必要なことから、苦手意識をもちやすいのではないかと思います。ましてや経験の少ない若手の医師は、よい教材が乏しいこともあって、より一層診療に困難さを覚えているのではないでしょうか。
梅毒等の感染症の増加もあり、プライベートパーツ診療の重要性が増すなか、それに特化した教科書が待望されていると考え、特集の企画をたてた次第です。
今回は、ご専門の先生方に、プライベートパーツ診療に関わることについて、さまざまな視点からご教示いただいております。さらに、その前置きとして、感染症や腫瘍性疾患を中心とするアトラスを主として編集委員会で作成いたしました。
なお、プライベートパーツという言葉は、厳密に定義された医学用語とはいえませんが、ここではおおよそ外陰部を中心として臀部まで含めた部分ということを意識してこの言葉を使うことにいたしました。本特集で使用する用語については、目次のあとに注釈を載せましたのでご参照ください。
エキスパートの先生方のご尽力により、大変貴重な書ができあがったと思っております。是非、お手にとっていただき、日常の診療にお役立ていただければ大変有難く存じます。
2024年6月
「皮膚科の臨床」編集委員会
土田 哲也
五十嵐 敦之
相馬 良直
林 伸和
佐伯 秀久